時間に追い立てられるような気持ちもあるだろうがそうではない。時間は復興を待っている。鍬ヶ崎の住宅問題は、特に若い世代の住民は、長い長い将来の事もふくめて、性根をすえてじっくり進もう。
鍬ヶ崎住民は成長を
鍬ヶ崎「現地再建」政策が崩れても宮古市は考えを変えないように見える。住民がなんの批判もなく黙って地区外に移ると高をくくっているからだ。ひどい話である。市民が足もとで右往左往しているのに市長が何も手を打たない構図である。
住民も半分あきらめているからだ。前ページグラフで見るように住民は「現地再建」に納得も賛成もしていない。その人たちは「現地再建」反対なのだろうと思うが、それはまだ第三者がする推測にすぎないといえる。あきらめや憶測だらけで、住民の側がはっきりものを言わないから行政の独善が横行する。「鍬ヶ崎のこれからの住宅建設は水の出ない場所が優先である」と、はっきり自分の希望を口に出すべきである。高台移転に対する希望。現地再建に対する判断。災害公営住宅に対する注文。ほか鍬ヶ崎の意見をまとめる方法等。アンケートに答えるだけでなく、積極的に被災者の立場を主張する必要がある。大災害の復興は人に頼るだけでなく住民一人一人の成長がなければ無理だ。成長することを考えて勇気をもって声に出し、話し合っていかなければならない。
宮古市はリーダーシップの発揮を
住民の前向き姿勢と同時に、宮古市そのものが前向きでなければならない。高台移転不可能説は、県庁の防潮堤やシミュレーションのせいでも、住民のあきらめのせいでもない。それらは後付けで、最初から市長のリーダーシップのせいだったのである。被災住民を引き連れて、宮古市内に高台移転の最適地を徹底的にさがすリーダーシップを発揮するべきであった。日本でも有数な広さの面積を誇る宮古市にその土地がないわけではない。否、そもそも探せば近郊にいくらでも鍬ヶ崎の希望世帯程度の土地はある。素人でも分かることだ。国は土地の区画造成、まちづくり、ほか必要経費を国家予算で支出するからと兆円単位の予算を準備したのに…リーダーシップがなければその土地とて予算とて春の淡雪と消える。まさに現状がそうだ。今鍬ヶ崎の高台移転は風前の灯(ともしび)状態である。情けない…。若い人たちは風潮に流されず、しっかり高台移転を考えて、まちづくりとともに成長を期す必要がある。
国は復興はこれからだと考えている
(2013.1.5 web NHKニュース)
4~5日前、太田国交大臣は気仙沼市を視察して、住民から要請のあった宅地のかさ上げについて、補助見直しを検討する旨、菅原茂市長に約束した。「復興という角度から、従来の規制というものを取り払わなくてはならない部分が出てくる」と述べ、補助事業の見直しについて政府内で話し合う必要があるという考えを示した。民主党政権の時も平野復興相が岩手県を訪れ同じような発言をしていた事が思い出される。要するに政権がどうであれ、被災地の復興は国の最優先課題なのである。大きな柱である高台移転等被災地の住宅問題は時間がどんなにかかろうと、可、不可の理由がどうであろうとこれから落着いて話し合って決めていく事だ。誰もあきらめてはいけない。岩手、宮城、福島の被災各市町村はその点でまだまだスタートラインについている。全壊した鍬ヶ崎の復興スタートラインも変わらない。仮説住民だけではなく、すでに転居した住民、いろいろ予定のある住民全員でスタートをきるべきだ。宮古市の山本市長は後ろ向きのスタートでフライングを犯そうとしている。宮古市は市長も幹部も議会議員までも、勝手にいろいろな規制を自分と住民にかけて、高台移転から手を引こうとしているように見える。それではダメだ。政治的動きを避ける事なく大きくスタートをきりたい。
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