痛い側の治療だけでは治らないこともあるんです。~アキレスけん炎の治療より~

2015年06月13日 | 治療の話

モダンバレエをたしなむAさんは7月の舞台に向けて猛練習中。

しかし、左のアキレス腱が痛みだしご来院。

見ると左のアキレス腱がポッコリ膨れています。

膨れた場所を触ってみると、膨れた皮膚の下のアキレス腱はむしろ凹みを感じます。

私「ここ、痛みますか?」

A「はい…(-_-;)」

どうやらアキレスけん炎を起こしているようです。

痛みの程度を調べると、

つま先立ちは何とかできるようですが、ジャンプでは痛みが襲うという状態でした。

治療としてはアキレス腱にかかるストレスを緩和することを考えます。

アキレス腱はふくらはぎの下腿三頭筋という筋肉の一部ですから、

ふくらはぎの固さは十分に取ったほうがいい。

ただ、脚は両脚で体を支えますから、反対の足の不具合(上手に機能しない状態)も忘れてはいけないんです。

Aさんの場合は右の脛腓関節に「足首と膝が曲がり切れないシチュエーション」を生む

動きの悪さ(機能障害といいます)が見つかりました。

痛む側の治療だけでは「うん、さっきよりは痛くない…」程度の変化でしたが、

右足の働きをただしたところ、「あ、跳んでも痛くない!!」となりました。

恐らくは右脚の働きの悪さを左足が肩代わりし続けたせいでアキレスけんが故障してしまったんでしょう。

身体は全体で一つのユニットとして働くといわれています。

逆を言えば、各部位が互いに影響しあっているんです。

なので、治す時には全体の働きも整えたほうがいいんです。

Aさんには

「まだ無茶はきかない状態ですからね」

と釘を刺し、治療を終えました。


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