地面と四肢と体幹の連動性を高める「サンチン」という調整法

2015年06月24日 | コンディショニングの話

先日、空手の師範をしていた友人から「サンチン」という型を教わりました。

サンチンってすごいんですよ!

ほんと、目からうろこ。

衝撃でしたね。

結論から言って、今流行りの「体幹トレーニング」そのものだし、それに足りない要素をばっくりカバーする優れもの。

骨盤・胸郭・脊柱の効率的な連動性に必要となる「安定性」と「柔軟性」という相反する要求、

つまり動的安定性であり動的柔軟性を身体に学習させるエクササイズとしてとても理に適っているということがよくわかりました。

そして空手という武術にとって、地面を基点とした身体を「地球の一部」として連動※させることで得られるであろう、

効率的な力の伝達経路までを身体に学習させ、かつ強化してゆくのにとても効果的なトレーニングなのだということも。

(キチッとやるとあんなにくたびれるものとは思いませなんだ。いままでサンチンだと思っていたものは別物だったんですね。)

※物質を移動させたり変形させる「力」は「質量×速度」だといいます。

であれば、速度か質量が大きければより強い「力」を生み出すことができるということになりますよね。

普通に考えると、より大きな体を持つ者のほうが強い力を発揮するには有利でしょう。

なので格闘技では、体格が大きいということはそれだけで有利な条件になるのは疑いようもない事実でしょう。

でも、武術の理想には「小よく大を制す」というものがあります。

で、それは絵空事なのか?というと、どうもそうではないようだ、というのが私の意見です。

若いころ、そういうことができる人を身近に見たことがあるんです。

それはさておき、「小よく大を制す」

その極意は、地面との連動にあるのではないかと考えています。

キックでもパンチでも、地面を基点とした運動でしょう?

仮に打撃を放った本人が、あたかも地面の突起であるかのごとく振る舞えたらどうでしょう?

相手から跳ね返ってくる力で自分の骨が砕けない限りは「質量=地球」になれるのではないかと、

そう思うのです。

相手にしてみれば地球が自分を小突いてくるわけですからたまったもんじゃないでしょう。

その作用には骨をロープとした複合滑車がからんでくると考えています。

が、その話はまたの機会に。

 

ともかく「サンチン」の中身を垣間見て興奮してるんです。笑

だってすごいんですもの、サンチン。

ほんの5~10秒、このサンチンをキープしてもらうだけで、

姿勢保持に関与する筋肉たちの働きは大きく改善し、

結果、脊柱の可動性は結構な変わりようをみせてくれます。

これは興奮せずにはいられないですよ。

さっそく治療後の運動訓練にもバシバシ応用させていただいています。

今日は、

「30分ほどの散歩で腰から臀部にかけて痛みが出てしまう」

とおっしゃる「腰部脊柱管狭窄症」のAさんや

「仙骨が人よりも後ろに張り出しているために腹筋の時に床に当たって痛い、そして、腰も痛めやすい」

とおっしゃるバレーダンサーのBさんに

サンチンをお伝えしました。

結果、Aさんは変形している腰椎が滑らかに動き出し、「明日のゴルフは飛びそうだ!」とニッコリ。

そしてBさんは「気になる仙骨の出っ張りが引っ込んだ」とニッコリ。

お二人とも大喜び。

とはいえ本式のサンチンだと少々きついので、必要と思われる要素を残して簡略化して伝えています。

そのうち動画にまとめてご紹介しようと思いますので、待っててくださいね!


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