すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

平成26年度当初予算に対する会派要望を知事に提出②

2014年01月16日 | 日記

【Ⅱ】産業未来・雇用創造                       

Ⅱ-1 経済成長戦略断行 

Ⅱ-1-1 県が主体となって鳥取県沖のメタンハイドレートの研究開発を加速されたい。

県はメタンハイドレートに関する情報収集などのため、日本海側10府県で構成する「海洋エネルギー資源開発促進日本海連合」にも加入されましたが、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。

国はメタンハイドレートなど海洋地下資源の調査船は海外からリースしており、相当な経費を要していることから、調査船の建造を検討する動きもあるようです。調査船が建造されれば、その母港を設定することになると思われますが、東京本部を中心に情報収集を今から始め、母港用地の無償提供など思い切った厚遇で県内への母港の誘致を成功へと導いていただくことを望みます。母港が設定されれば、単に操船要員が配置されるだけでなく、関連研究機関などの誘致も期待でき、大きな経済効果が期待できます。加えて、鉱業法の改正で、海洋地下資源の採掘権は、技術と資金の両面で現実に開発できることを示して、国の指定を受けることになっていますので、メタンハイドレートの採掘権を県内に担保するためにも意味が大きいと思われます。(11月会派要望時 【Ⅴ】-4改訂)

 

Ⅱ-2 中小企業底力アップ

Ⅱ-2-1 信用保証の在り方を再検討して、実質金利の軽減をはかると共に、貸し渋りのないよう指導して県内中小企業を支えていただきたい。

 鳥取県の制度融資は、経済情勢や経営方針に添って多彩なメニューが用意され、2.3%~1.43%という低利で融資が受けられ、県内中小企業の経営を支えています。ところが、融資を受けるものは信用保証協会の信用保証を受けることが条件になっており、0.45%~2.3%の保証料が発生しており、保証料と合わせた実質金利は、金融機関が貸し出すプロバー融資の金利に比べてけっして低くないというのが現状のようです。そして、県内金融機関は、自己でリスクをとって融資をすべきであるにもかかわらず、担保や経営状況の良い企業には銀行本体が融資し、経営が悪化した企業は県の制度融資に切り替えるというケースも発生していると聞き及んでいます。

過去、一般質問で個別の融資管理ができていない問題を指摘したところ、「信用保証協会が審査しているので、個別案件まで県が把握している必要はない」との答弁でした。制度融資をブラックボックスにしてしまっているから、制度融資が本当の中小企業支援策にならず、金融機関優遇策との批判を受けるのではないでしょうか。制度融資は県内中小企業に取りましては、生命線のような意味を持っています。県信用保証協会には出損金や補助金として平成25年度は117,876,000円を支出し、平成26年度当初でも、115,309,000円の支出を要望されており、しかも、協会長は直近まで副知事だった藤井喜臣氏でありますので、商工労働部と連携して、信用保証制度の抜本的見直しに着手していただきたいと望みます。

日野市のように信用保証料の支援制度を設けている自治体もあると聞いています。制度融資の制度設計を見直し、実質金利を軽減することで県内企業を支えていただくことを望みます。加えて、金融機関の融資を制度融資に切り替えて、金融機関がリスク回避をすることがないよう強く指導もしていただくことを望みます。(11月会派要望時 【Ⅸ】-1改訂)

 

Ⅱ-2-2 ふるさと産業支援事業の対象業種を拡大していただきたい。

ふるさと産業支援事業は伝統的な技術・技法を用い、地域の特色を生かした製品を生産している因州和紙、弓浜絣、倉吉絣、陶磁器、竹工、酒造、菓子、木製家具、建具、クラフト を対象に、「商品開発・販路開拓補助金」「後継者育成事業費補助金」などの制度があり、商品開発から市場開拓、後継者育成まで一貫した支援を受けられると好評です。しかし、この10業種以外にも、食品加工など伝統的な技術・技法を用い、地域の特色を生かした製品を生産している業種は他にもあります。平成25年度11月定例県議会の一般質問での知事答弁通り、対象業種を広げ、今以上の業種がこの制度を利用できるようにしていただくことを望みます。(11月会派要望時 【Ⅸ】-2)

 

Ⅱ-2-3 県内中小企業が消費増税で経営不振に陥らないよう県商工会連合会への支援を継続していただきたい。

 県内経済はアベノミスクの効果を実感することもなく、消費税の増税による民間需要や設備投資の冷え込みが予想され、今後、経営不振に陥る中小企業が相次ぐのではないかと考えます。中小企業の経営改善や市場開拓を指導している県商工会連合会の活動は、中小事業にとって重要です。経営支援専門員の減員を止め、現数を維持する方向で県商工会連合会への支援を継続していただくよう望みます。

 

Ⅱ-3 「食のみやこ鳥取県」の確立

Ⅱ-3-1 鳥取産呼称制度を創設し、安心安全を担保することで「食のみやこ鳥取県」ブランドの確立に向けて稼働されたい。

「ふるさと認証食品制度」は県産品の推奨。「食のみやこ鳥取県推進サポーター制度」は県産品の応援団づくり、「とっとり食の安全認定制度」は安全な食品づくりと制度趣旨や対象が違うことで様々な制度が中途半端なまま混在し、十分機能しているとはいえません。にもかかわらず、「とっとり県産品登録制度」まで登場しました。消費者に認知されている意見もお聞きましたが、首都圏で多くの友人知人に聞きましたが、これらのマークを認知していた人は1人もいませんでした。これが現実です。

これらの諸制度の目的を突き詰めていくと県産品のPR、つまり、ブランド化に他なりません。消費者向けの制度は単純な方がいいに決まっています。そして、広告宣伝は資源の集中投下が原則です。例えば県のマスコットであるトリピーを、その認知度を活かして、植樹祭では花トリピー、障がい者芸術文化祭ではアートリピーとして活用したように、県産品のブランド化制度を整理統合し、ロゴやシンボルマークも統一すべきと提案します。

 EUの産地呼称制度は、地域特産品を定められた伝統製法で生産したものを伝統的特産品保護(Traditional speciality guaranteed)、加えて、特定の地域で生産又は加工又は調整されているものを地理的表示保護(Protected Geographical Indication)、さらに特定の地域で生産・加工・調整されたものを原産地呼称保護(Protected Designation Origin)というように段階的な保護制度を設けています。さらに、鳥取県の制度でも、食のみやこ鳥取県推進サポーター制度でも、三星サポーターというのもあります。

鳥取県産品の認証制度では、産地呼称制度のように品質を保障するものはありません。生産、加工、調整がどのように鳥取県内で行われ、製法もルール化し、品質や特徴を担保するような新制度を考えてはいかがでしょうか。国際認証があれば安全の星3つ、食の安全認証を受けていれば安全の星1つ、原材料が完全に県産なら県産の星3つ、生産、加工、調整がすべて県内なら県産の星3つ、県内独特の製法なら県産の星1つ、低農薬栽培なら自然の星1つ、完全無添加なら自然の星3つという具合に、ひとつの制度ですべての県産品を包含できるような制度の新設と、必要経費の予算計上を望みます。

 

Ⅱ-3-2 全県フードバレー構想を策定していただきたい。

フードバレーとは、オランダの首都アムステルダムから約85㎞南東方向に位置するワーヘニンゲン大学を中心とする農業・食品産業が高度集積した地域のことで、8,000人の科学者と1,500社近くの食品関連企業、70の化学企業、20の研究機関が集まっています。オランダの食品業界は470€、農産物輸出は230億€と米国に次いで世界2位の規模を誇りますが、これを支えているのがフードバレーです。

 鳥取県は海の幸、山の幸に恵まれていることは間違いありません。もし、フードバレーのような産官学の集積を図ることができれば、県を支える大きな産業に成長する可能性を秘めています。県内には県産業技術センター・食品開発研究所や食物栄養専攻を持つ鳥取短期大学、氷温研究所、一般財団法人日本きのこセンター・菌蕈研究所などがあり、これらの知的資源を最大に活用して商品開発を進めるシステムを県が中心になって創造すると共に、食品メーカーの研究所や工場等の誘致等を進めて集積する「全県フードバレー構想」を提言したいと思います。構想を立案するための研究会の設置と、そのための必要経費を計上していただきたいと思います。

 

Ⅱ-3-3 国際認証に対する支援策を継続していただきたい。

 国際認証の取得は、加工食品輸出のための必要条件となるだけでなく、国内のサプライチェーンに納品する場合も、近い将来、スタンダートになるのではないかという方向性は、平井知事と認識の一致をみたところです。「食の安全・安心プロジェクト推進事業補助金」は、国際認証を取得する鳥取県独自の助成制度であり、BSIやGFSIの評価も高いので、新年度においても、拡充継続して頂くことを望みます。また、県内の食品関連企業に国際認証への正しい認識を持ってもらうため、BSIやGFSIと連携を深め、講習会等の開催などの事業もしていただきたいと望みます。

 

Ⅱ-3-4 新しい養殖漁業が鳥取県の水産業の明るい未来を開こうとしています。市場開拓や流通設備の整備を支援していただきたい。

 泊でマサバの井戸養殖という新しい事業が始まりました。井戸水を使い、朝水揚げして東京に直送するという新しい漁業に挑戦されています。大衆魚だったサバも、関サバのようにブランド化できれば高級魚に変身しますし、今回のマサバ養殖も、そうした流れの一環です。銀ザケやモロコなど相次いで新しい養殖の試みがなされていますが、首都圏や関西圏で認知してもらうためのPRや市場開拓、鮮度を保つための流通施設の整備など様々な課題も横たわっています。高い魚価を目指すこうした養殖漁業を定着させ、発展させることは、明日の鳥取県の水産業に大きな意味を持ちます。市場開拓などで思い切った支援策を実行に移していただけるよう希望します。(11月会派要望時 【Ⅷ】-6)

 

Ⅱ-4 雇用創造1万人プロジェクト

Ⅱ-4-1 第一次産業の後継者育成策を整理・充実し、新規就労者が増えるようPRにも努めていただきたい。

 第一次産業も鳥取県にとって大事な産業であり、ここでも雇用創造を図るべきです。そして、雇用を創造するには新規就農者対策が重要です。新規就農者対策としては、新規就農資金の貸付制度や就農支援交付金など様々なメニューが用意され、農業や水産業の後継者育成に懸命に努力されている県職員や鳥取県農業農村担い手機構など関係者の皆様にまず敬意を表したいと思います。しかし、実績を見ると、離農者を補うほどの就農者を確保するまでには至っておらず、休耕地や耕作放棄地の増加は、全国と同様の問題となっております。

 その一方で、鳥取大学農学部の学生の中には、鳥取県で就農を希望する学生も少なくないのですが、農作業のノウハウは、大学の4年間で身につくほど甘くはなく、加えて、農地の確保などは大きな資金も必要で不安を抱え、踏み切れないというのが実情のようです。就農資金は最大3,700万円まで融資を受けることができ、同機構のホームページなどでPRもされているのですが、こうした制度があることを知らない学生がいるようです。ひとつには丁寧な対応を心がけたことから、農家の家族、県外からの移住、定年後の新規就農など様々なスキームが混在し、分かりにくくなっているのではないかと心配しています。様々な制度を一度整理して利用者が分かりやすいように担い手機構に相談やPRの窓口を一本化して再編すると共に、鳥取大学農学部との連携を強化することを提言いたします。加えて、1人前になって1人立ちできるまで、丁寧なフォローもお願いしたいと思います。

加えて、やはり、農業の後継者問題を考えるとき、一番有効なのは家族が就農されることではないでしょうか。後継者支援の諸制度の中には、家族への適用を認めないものが散見されます。子や孫が継がないものを、他人が継ぐということはないと思います。まず、農地や農機具があり、幼い頃から農作業を見て育ち、父母から指導を受けることもできる家族から後継者育成は始めるべきではないでしょうか。そうした視点からは、家族が就労する場合の支援制度の整備を望みます。(11月会派要望時 【Ⅷ】-2改訂)

 

Ⅱ-5 北東アジアゲートウェイの推進

Ⅱ-5-1 LCC(北東アジア地方協力委員会)が実り多きものになる県内企業と準備を重ねると共に、GTI(広域図們江開発計画)に日本政府も参加するようはたらきかけていただきたい。

中国、ロシア、モンゴル、韓国の4か国が協力して進めているGTI(広域図們江開発計画)は、環日本海地域の地域連合に発展する可能性を秘めており、鳥取県の将来のために、LCCに参加することには意味があると考えます。鳥取県で平成26年夏にLCCが開催される予定ですが、LCCを単なるセレモニーにするのではなく、1社でも、2社でも県内企業の実際のビジネスに繋がってこそ、実り多きものと評価されると考えます。県内企業と連携して準備を重ね、LCCに参加する地方政府の経済担当者を地元企業へ案内するなどの工夫をしていただくことに加え、外務省や経済産業省の応援を依頼するとともに、GTIに日本政府が復帰するように働きかけを強めることを望みます。

 

Ⅱ-5-2 境港を国際貿易港として大きく発展させるため、日本国内と韓国国内の流通網の整備を進めていただきたい。

 大阪港と天津港を直行海路で結ぶより、大阪から境港まで高速道路で運び、DBSフェリーを経由して、東海から仁川まで再度、高速道路で運び、仁川から天津港までフェリーやローロー船で運ぶほうが時間的に短いことが、境港を利用する最大のメリットになるのではないでしょうか。DBSフェリーを利用した輸出に対する助成を継続すると共に港湾施設の整備を進め、検疫や通関、入出国審査の時間を短縮できるようCIQ体制の整備を国に働きかけることを望みます。加えて、ヤマトロジスティックなどの流通企業と連携を深め、国内流通網の整備を進めていただきたいと思います。

 

Ⅱ-6 高速道整備と産業展開

Ⅱ-6-1 山陰道のミッシングリンク解消に向けて、吉岡IC~青谷IC間等の開通に全力をあげていただきたい。

山陰自動車道は、平成25年12月14日に鳥取IC~鳥取西IC間、21日に赤碕中山IC~名和IC間が開通し、全線開通に向けて大きく前進しました。しかし、道路はミッシングリンクが開通してこそ、その有用性を発揮できます。吉岡温泉IC(仮称)~青谷IC間が平成29年度には開通予定ですが、1日でも前倒して開通できるように国に強く働きかけると共に、残土処理や周辺道路の開通など県としてできることは、必要経費を計上して力強く進めることを望みます。また、山陰近畿自動車道についても、全線開通に向けて重ねてのご努力をお願いします。

 

Ⅱ-6-2 山陰道全線開通時には全国規模のイベントを仕掛け、鳥取を売り出せるよう万全の準備を進めていただきたい。

 吉岡温泉IC(仮称)~青谷IC間が平成29年度に開通予定です。ミッシングリンクが解消することから、鳥取はそれこそ大交流時代を迎えます。しかし、自動車専用道路の開通は、移動時間の短縮をもたらすことから、高額商品を県民が大都市圏へ買いに行ってしまって地元商業界の売上が低下するストロー現象や目的地以外は通過交通になってしまって地元観光がむしろ衰退するといった危険性も内在しています。地元、商業店舗のグレードアップを支援する取り組みや地域の観光資源を再発見して整備するなどの地に足を付けた対策を今から準備し、順次実行に移していただくよう望みます。博覧会のような大型イベントは、発信力が大きいので、そうした、地道な対策を踏まえたキックオフイベントとして計画することも検討すべきと考えます。

 

Ⅱ-7 やらいや農林水産業プロジェクト

Ⅱ-7-1 TPP参加で県内の農業経営は非常に厳しい局面を迎えようとしている。TTPに対応できる農業政策を立案できるよう調査研究を進め、農家で生きていくことができる「もうかる農業」を実現するよう努力を始められたい。

 TPP議論が煮詰まってきました。国会決議では、コメ、麦、砂糖、乳製品、牛肉・豚肉を農産物の「重要5項目」として関税をなくさない「聖域」にしてきましたが、ここにきて、砂糖やでんぷんを混ぜた米粉調製品の一部や、砂糖類のキャラメル、チューインガム、牛の舌(タン)や肝臓(レバー)などに約220品目ついて、関税をゼロにしたり、関税率を減らしたりできないかの検討が始まり、聖域5項目を有名無実化しそうです。その結果、TPPが発効すると県内の一次産業には大きな影響があると思われます。県内農家の経営が成り立つような「もうかる農業」を実現するのは、TPPに対応できるしっかりとした持続可能性のある農業政策を立案することが喫緊の課題です。そのための調査研究を始めるとともに、調査研究のために必要な予算措置を講じていただきたい。

ウルグアイ・ラウンドでは年間6,000億円、10年間で6兆円もの農業支援策が立案されました。今回のTPPでも同様の動きがあると聞き及んでいます。東京本部を中心に情報収集に務め、いち早く県内でも使えそうなスキームがないかどうか調査して、鳥取県分の十分な予算を確保できるように積極的に働きかけていただきたい。(11月会派要望時 【Ⅷ】-1)

 

Ⅱ-7-2 コメの新品種への支援と、人気品種の生産技術向上のための支援をしていただきたい。

 新しい鳥取県産米である鳥系93号、愛称「きぬむすめ」は1等米比率が安定して高いことから県農業協同組合中央会では、作付面積の拡大に重点的に取り組む方向性を定め、平成25年産は、前年産の倍の作付を実施されたそうです。しかしながら、「きぬむすめ」は新品種のため、認知度がまだ低いようです。消費者に評価していただき、人気を高めるため、PR資材の作成、試食販売など市場拡大への支援を望みます。また、米の共同乾燥調整施設についても、「きぬむすめ」の拡大に対応して、JA鳥取中央が三朝ライスセンターの整備をする計画をお持ちですので、助成措置を望みます。

県内で最も作付面積が広い「コシヒカリ」の平成25年産米は、夏場の高温の影響で1等米比率が低く、良質米の生産技術の向上が喫緊の課題となっています。県農林総合研究所を中心になって生産技術の改良に務め、技術向上のための指導にも積極的に取り組んで頂くことを望みます。

 

Ⅱ-7―3 飼料米の生産拡大を支援していただきたい。

 飼料自給率の向上のため、稲の実と茎葉を同時に収穫し発酵させた稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ、WCS)や飼料米の生産を県は推奨し、平成30年には飼料米650ha、WCS用稲350haの生産を目指しています。鳥や豚の飼料として使う場合は、加工せずそのま使えるので、輸入トウモロコシとの価格差はほとんどありませんが、牛の飼料にする場合は、キロあたり2円程度の加工費が必要となり、採用のネックになっています。

 県内では食用米であるニホンバレやヒノヒカリが飼料米として栽培されており、単位収量は10aあたり、平均514キロだそうですが、これを北陸193号など単位収量の多い専用品種で栽培すると800キロ前後まで、増収が期待できます。問題は、周囲の食料米との交雑が心配されるため、種籾生産を既存の農地と隔離された場所でしなければならないことです。飼料用米専用品種の種籾生産を支援するスキームを新設し、飼料米の生産を増やしていただきよう希望します。(11月会派要望時 【Ⅷ】-5)

 

Ⅱ-7-4 野菜や果樹の生産環境整備を支援すると共に、後継者確保策を確立されたい。

 らっきょうの根切や梨の交配などの作業従事者が高齢化や農家世帯の減少によって確保できなくなって、生産現場で支障を生じています。広域的に作業従事者を確保するため、労働局や大学、NPO等との連携を深めて募集活動を支援する他、農福連携を拡大するなど県としての支援策を検討していただきたい。また、野菜や果樹の生産環境の整備も重要です。JA鳥取いなばでは、アスパラガスを重点推進野菜と位置づけ、作付面積の拡大を図っているものの、共同選果作業が手作業のため、鮮度維持や選別時間短縮のため、アスパラガス選別包装機の導入を計画しておられるそうです。購入支援を望みます。

 果樹栽培は、果樹園が成園化して所得が確保できるまでに年月がかかるという実態があるにもかかわらず、せっかく成園化した時に農業者の病気や死亡によって栽培が中断するケースも増えているそうです。継承すればその年から所得を得ることができる果樹園(もったいない園)については、後継者を広域的に募集するようなスキームを構築できないか、検討していただくことを望みます。加えて、もったいない果樹園、育成が必要な果樹園、品種更新が必要な果樹園と、果樹園ごとに条件が大きく異なることから、栽培の継承について、一律的ではなく、状況に応じた資金調達や労働力確保、生産技術指導の支援ができるように制度等を再検討していただくことを望みます。

 

Ⅱ-7-5 酪農ヘルパー支援事業は継続となりましたが、利用料金などの課題から十分に酪農家の要望に応えられていないため、予算措置を講じて制度の充実を支援していただきたい。また、休日確保は若年層の就農には不可欠であり、対象を広げた農業ヘルパーが可能かどうか調査研究も始めていていただきたい。

 酪農は動物を対象とするため、酪農家は休日を取ることもままならず、それが酪農経営のネックになっています。酪農家の周年労働を解消するために酪農ヘルパー事業が始まりました。平成25年度で国と県で積み上げた地方基金事業が終了することから心配していましたが、平成26年度から3年間、酪農経営安定化支援ヘルパー事業として継続されることになりました。しかしながら、利用料金やルパー要員の確保などの問題から、酪農家の要望に十分に答えられていないのが現状であり、特に若年層に参画してもらうためには酪農ヘルパーのよる休日の確保は不可欠です。

 利用上のネックになっているのは利用料金で、もう少し安いと、利用日数を増やすことができ、酪農経営に「ゆとり」がうまれ、年配の酪農家でも経営を継続でき、後継者の確保の一助にもなると考えています。その一方、酪農ヘルパーの給与を改善することは、長年ヘルパーとして勤務したいという人を増やすことになり、経験豊かなヘルパーなら酪農家も安心して飼育管理作業を任せることがきます。

利用料金の軽減と、給与など酪農ヘルパーの待遇改善は相反する命題であり、解決するには県が予算的支援策を充実するしかないと考えますので、支援制度を再検討し、必要な事業費を確保できるよう予算措置を望みます。

また、酪農ヘルパーの発想は今日的であり、評価すべきと考えます。農業ヘルパーとして拡充整備し、米作や野菜栽培などの分野で就労されている農家へも広げることができないか調査研究も始めていただきたいと思います。(11月会派要望時 【Ⅷ】-4)

 

Ⅱ-7-6 鳥獣対策センターが機動的に活動できるように予算を充実されたい。

鳥獣害被害は23年度は6,673万円だったものが、24年度は7,185万円へと被害が増大しています。県は鳥獣対策全般を強化するため、今年4月の組織改正で、全県の鳥獣対策の中核となる鳥獣対策センターを新設されました。電気柵の設置など鳥獣被害総合対策事業 として1億5233万円を予算計上して努力されていることは承知していますが、やはり、抜本的な対策として、農地周辺に緩衝帯を整備することと、野生鳥獣を駆除することによる頭数管理に力をいれるべきではないでしょうか。

緩衝帯等の農地周辺環境の整備については、鳥獣被害総合対策事業の中で県と市町村が連携して実施されており、平成24年度からは国事業(1/2助成)に加え、県事業(1/4助成)で嵩上げして支援を強化されました。里地里山の保全再生を図る目的で八頭町や地元団体と共同で取組を進めている里地里山保全再生事業では、実の成る木の植栽など緩衝帯整備等の取り組みをモデル的に実施されていますが、この取り組みを全県的に拡大していくべきと考えており、必要な予算措置を望みます。

頭数管理について県は、鳥獣保護事業計画と特定鳥獣保護管理計画を策定し、鳥獣保護区の設定や生息地の保全・整備の方針を定めていますが、やはり、猟友会の皆さんの有害鳥獣駆除へのモチベーションを高めるためには、駆除した鳥獣が商業ベースで安定的に取り引きされ、できれば特産品としてブランド化されることが必要で、そのためには解体から流通、販売、調理しての提供まで一貫した体制の整備が必要です。意欲ある市町村への支援策を充実されることを望みます。また、県東部には射撃場がないため、狩猟免許取得や狩猟技術向上が図れないという声も聞きます。射撃場復活について鳥取市など関係市町村との協議も進めていただきたいと思います。

また、今年度に設置された「鳥獣対策センター」が有効に機能するよう人材の配置と必要な予算の計上も求めます。(11月会派要望時 【Ⅷ】-3)

 

Ⅱ-7-7 政府の円安誘導により、漁業用燃料の高騰が漁家経営を厳しいものにしていることから、国の燃料費補助に加え、省エネ型漁船への転換を支援していただきたい。

 政府の円安誘導のため、漁業用燃料が高騰しています。燃料費は、漁家支出の大きな部分を占めており、漁家経営を苦しめています。燃油高騰分を補填する国制度もありますが、燃油が急騰した分は有効でも、高止まりが続けている現状ではカーバしきれない面も出てきています。そうなると操業現場での構造改革が必要です。LED集魚灯の導入など省エネ型漁船への転換を支援するとともに、水産資源回復のための漁獲割当制や放流事業の県漁連の自助努力に対し、支援頂くことを望みます。

 

Ⅱ-7-8 県産魚のファストフィッシュ加工を支援していただきたい

 骨や内蔵などの生ごみが出て、まな板に血が着くなど小奇麗に料理できないことが、消費者の魚離れの一因であることから、内臓や鱗を取ったり、三枚に下ろしたりする手間を省いた下ごしらえ済みのファストフィシュが好まれる傾向にあります。県漁業協同組合も「県産魚の消費拡大対策事業」として、ファストフィッシュ加工の促進を望んでおられますので、加工業者への支援策等の予算化を望みます。

 

Ⅱ-7-9 境港お魚ガイド活動支援事業を継続していただきたい。

平成25年度当初予算に向けて、専門ガイドによる境漁港ツアーの開催費に対する県の補助を旧会派「かけはし」でお願いしたところ、境港地区観光振興の強化及び産地境港の知名度向上ならびに水産物の消費拡大を図る「境港お魚ガイド活動支援事業」として、2,345千円を計上していただきました。10月末段階で、1,102人と、平成24年度実績の612人を大きく超え、境港市と連携して保育園・幼稚園の5歳児を対象とした境港魚市場探検を実施するなど地元の食育・魚食普及活動へも広がりを見せています。

「さかいみなと漁港・市場活性化ビジョン」の目標のひとつである「親しまれる漁港・市場づくり」の実現のためにも、「境港お魚ガイド活動支援事業」は必要と考えますので、平成26年度も継続していただくことを望みます。

 

Ⅱ―7-10 県内の山林・林野を、木材を持続的に生産できる森林として育成・管理するため、間伐や路網、高性能林業機械の導入を加速させていただきたい。

 鳥取県は県土の74%を森林が占める「森林県」です。昨年は「第64回全国植樹祭」「第30回全国都市緑化フェアとっとり大会」「エコツーリズム2013in鳥取」と全国規模の緑のイベントが続き、グリーンウェーブを全国発信する1年となりました。こうしたイベントはキックオフの宣言であり、次年以降の森林整備こそ重要と考えます。県森林組合連合会が県に対して森林整備に関して陳情活動されていると聞いていますが、間伐材搬出促進事業の促進、森林境界の明確化と地籍調査の推進、路網の整備、高性能林業機械の導入支援、病虫獣害対策について予算上で特段の配慮をしていただくことを望みます。

 

Ⅱ-7-11 県産材の利用拡大のため、公共施設の木造化、県産材を使う民間住宅への補助を進めると共に、高級材の市場開拓を進めていただきたい。

 国内木材価格の低迷が続く中、4月からの消費増税による木材需要、住宅建設戸数への影響が心配されます。県産木材を地産地消で使っていただくため、「環境にやさしい木の住まい助成事業」を継続拡大していただくことに加え、県森林組合連合会が求められていますように公共施設木造化の推進、木造バイオマス原料などによる素材利用の促進も進めて頂きますよう望みます。県内の育成された智頭杉などブランド化が期待できる高級材については、寺社建築や高級家具などへの市場開拓も支援していただきたいと望みます。

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