すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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新庁舎建設を住民投票で止めるには③ 民主主義の基本は議論を交わすこと

2011年05月26日 | 日記
 「新庁舎新築移転を問う市民の会」の全体会が25日夜、市内の公民館で開かれました。
事務局から条例案の提案があり、激しい議論が展開されました。その直後、ツイッターで報告しましたので、それも読んでくださいね。

 議論の焦点は、住民投票で何を問うかです。
 原案は「計画をいったん白紙にもどすことに賛成のときは投票用紙の番号1欄に○、鳥取駅周辺への新築移転計画に賛成のときは投票用紙の番号2欄に○、をつけて投票箱に入れる」というものです。
 私も含め、異論、反論が続出し、激しく意見が交わされました。反対意見の多くは、投票方法が複雑するぎるので、もっと単純明確にすべきだというものです。私は「計画を白紙撤回して、建設するか、しないかを住民投票で決めよう」と言って受任者を募ってきました。ですから、白紙撤回は前提なので、改めて聞いて、投票を複雑にする必要はない。また、鳥取駅周辺とは、鳥取駅から何メートル以内を指すのか不明瞭。賛成なら○、反対なら×とスパッと聞いた方がいい。。「新築移転に賛成の人は○、反対の人は×」としてはどうかと繰り返し、主張しました。原案に賛成する人は、白紙撤回を求めてきたのだから、まず、それを聞くべきだ。多くの人に住民投票に参加してもらうには、緩やかな聞き方の方がいいとも反論されました。結局、ここは、「市が現在進めている新庁舎建設計画に賛成のときは○、反対のときは×をつけて投票箱に入れる」ということで、事務局側が折れて、決着しました。

 また、条例の方式ですが、住民投票で出た結果を市長や議会が尊重するという尊重義務だけを求める条例(これを諮問型といいます)ではなく、反対が過半数を占めたら、新築移転のための行政事務と支出をしてはならないと条例に明確に記載して、市町や議会を法的に拘束する条例(これを拘束型といいます)の2つがあります。国内では諮問型はあっても、拘束型はありません。事務局案も諮問型でした。拘束型は徳島市で実施された可動堰をめぐる住民投票を受けて市長が方針展開した事例などを除き、多くの住民投票の結果を市長らが無視をしてきたことから、提唱され始めた新しい考え方です。
 日本で最初の条例を提示するのはハードルが高い。住民投票の実施には議会で議決してもらうことが必要で、そのためには過激な条項は避けるべきだと事務局側は反対されましたが、再度、市の法制担当者らと協議したうえで、ここは、もう一度話し合うことになりました。

 自分たちの提案した原案に対して、反対意見が出たときに、反対意見を取り入れるのは感情の上からは難しいものがあります。「一生懸命やってきたのに、会議だけ出て来て何を偉そうに」ってことになるわけです。ところが、今回の事務局は議論の趨勢を見え、持論ではなく、反対論を受け入れてこれました。この過程こそが、民主主義の本旨なのです。その意味で、今回の運動は、子や孫に大きな借金を残したくない、大震災のこんなときに大きな庁舎を新築するなど鳥取市民の良識が疑われるという思いからスタートしたのですが、鳥取市に本当の意味の民主主義を根ずかせる大きな一歩になりそうな確かな予感を感じる一夜でした。
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