国の伝統的工芸品に指定されている秋田県湯沢市の川連漆器をPRする「川連漆器伝統工芸館」が22日に湯沢市川連町に完成しました。施設は2階建てで、外観は漆器をイメージさせる黒と赤に塗られています。
1階は展示販売コーナーで、酒器や箸、テーブルなど日常使われる製品が並びます。2階は歴史資料館で、江戸時代以降の名品の展示や、製品になるまでの工程をパネルなどで紹介しています。体験教室も行われ、漆器に彫られた模様に金箔をかぶせて着色する沈金作業などを楽しめます。管理運営する県漆器工業協同組合理事長は「集客を図って、川連漆器というブランドを発信していきたい」と話しました。(河北新報社より)
鎌倉時代(1193年)、源頼朝の家人で稲庭城主の小野寺重道の弟、道矩公が古四王野尻(現在の漆器の中心地)に館を築き、家臣に命じて刀の鞘、弓、鎧などの武具に漆を塗らせたのが始まりとされています。
しかし、本格的に漆器産業が始まったのは17世紀中頃、元和(1615年)から元禄にかけてであり、川連村を中心に約26戸が椀師稼業を営んだとの記録が残っています。
文化12年(1815年)、藩の許可を得て朱塗りの漆器をつくり販路を他国にひらき、江戸時代後期には藩の保護政策のもとに、椀、膳、重箱など幅広い漆器がつくられるようになり、沈金、蒔絵などの飾が加わり基盤をさらに大きく築きあげていきました。
明治には新しい技術開発がおこなわれ、昭和51年には、国の伝統的工芸品に指定され、平成8年には県の指定も受けました。(秋田県漆器工業協同組合ホームページより)
秋田には全国に誇る素晴らしいものがたくさんあります。川連漆器もその一つで、奥羽山脈のブナや朴、栃、欅を用いて作られる秋田ならではの伝統工芸品です。特別のものとしてではなく、普段の暮らしの中で川連漆器を楽しんでいただきたいと思います。赤や黒、金といった日本の伝統的色彩が、食卓を一層華やかにしてくれます。年末年始を除き、年中無休。入場料も無料となっていますので、是非、足を運んでみてください。(営業時間・・午前9時~午後5時)