小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

国木田独歩 「武蔵野」

2006-10-15 23:17:40 | 小説
説明は無用と思われますが、二葉亭四迷訳の「あひゞき」に影響を受けて、独歩が武蔵野の魅力を書いた短篇です。

「武蔵野に散歩する人は、道に迷うことを苦にしてはならない。どの路でも足の向く方へゆけば必ず其処に見るべく、聞くべく、感ずべき獲物がある。」
そこに描き出される光景を思い浮かべると、ホントにそうだなあ、と思ってしまいます。
前出の「寂しさの歌」とは、ある意味で正反対ですが、逃れがたい魅力があります。

風景の創出と内面の発見などについて、柄谷行人が「日本近代文学の起源」(講談社文芸文庫)で論じていますので、こちらと併せ読むといろいろと考えるところがありそうです。

武蔵野

岩波書店

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日本近代文学の起源

講談社

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