小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

久生十蘭 「姦(かしまし)」

2006-04-24 22:18:29 | 小説
女性が電話で延々と一方的に語るというスタイルで、この短編は構成されています。
その話の内容は、語り手と聞き手の女性(咲子)がかつて協力し、木津という男から引き離すために、死んだことにして大阪に去らせた志貴子が、東京に出てきて起きる出来事です。
語り手が着物のことで志貴子と張り合うところや、志貴子が木津と鉢合わせさせられてもしゃあしゃあとしている様子などが、いきいきと語られています。
文章と内容が実にぴたりと合っています。
ついニヤニヤと笑いを浮かべながら読んでしまう作品です。
現代教養文庫『昆虫図 久生十蘭傑作選IV』(絶版)で、16ページ。
昆虫図

社会思想社

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コメント
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