大西巨人『春秋の花』(光文社文庫)を久しぶりに捲ってみたら、この句が目に止まりました。
「老僧の眉がうごきて遠ざくら」 鷲谷七菜子 (句集『花寂び』(1977)所収)
こんな場面を(勝手に)想像します。
じっと落ち着いている老僧の顔に向かっていると、ふとその眉が動くのに気付いた。
その視線の遠い先を見ると、山の中に桜の花が咲いている。
何事にも動じない老僧の心を惹きつける桜に自分もしばし眺めていよう。
「近」(老僧)から「遠」(さくら)への視点の切り換えと、「静」(「老僧」のイメージ)から「動」(眉の動き)への動きや時間の流れが、俳句というごく短い形式に見事に詠み込まれています。
「老僧の眉がうごきて遠ざくら」 鷲谷七菜子 (句集『花寂び』(1977)所収)
こんな場面を(勝手に)想像します。
じっと落ち着いている老僧の顔に向かっていると、ふとその眉が動くのに気付いた。
その視線の遠い先を見ると、山の中に桜の花が咲いている。
何事にも動じない老僧の心を惹きつける桜に自分もしばし眺めていよう。
「近」(老僧)から「遠」(さくら)への視点の切り換えと、「静」(「老僧」のイメージ)から「動」(眉の動き)への動きや時間の流れが、俳句というごく短い形式に見事に詠み込まれています。
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