小品日録

ふと目にした光景(写真)や短篇などの「小品」を気の向くままに。

ローデンバック 「肖像の一生」(『霧の紡ぎ車』より)

2006-02-12 22:42:00 | 小説
ブリュージュ滞在中、ある音楽家の自宅を訪ねると、ベギン会修道女の肖像が注意を惹きつけた。
肖像は、音楽家の曾祖母であり、その生涯が語られる。
彼女は、夫に死に別れ、授かった娘も、やがて不幸な結婚の末に亡くなってしまう。
娘の結婚後、修道女となっていたが、娘の残した二人の女の子を育てるために修道院を出ることになる。
彼女は、悪辣な父親から孫娘たちを守りぬいて一生を終える。
ここに物語られた人生は苦難に満ちたものですが、それでも忍耐強く生きていくしかない、ということを思わせられます。
ちくま文庫「ローデンバック集成」で、26ページ。
ローデンバック集成

筑摩書房

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