生ける死者の震災震性論

2024年03月11日 10時04分23秒 | 社会・文化・政治・経済

ー災害の不条理のただなかで 

金菱 清 (著)

なぜ震災の被災者が自らを罪深いと思うのか、亡き人を思い、なぜ深い後悔に涙するのか。

言葉にできない沈黙の中で、幽霊や夢に仮託しているのは何か。

人知れず孤立し、苦しみ続ける被災者への綿密なフィールドワークを通じ、実存から立ち上げる霊性論。


* 聞き取り調査を究めた著者が明かす「インタビューの敗北宣言」。
*「語り」から「書く」へ。質的調査法の転換をフィールドワークの現場から明らかにする。
* 大切な人をある日突然奪われる災害。誰もが直面しうる残酷な現実と、そこから立ち上る霊性とは何か、鋭く映し出す。

著者について

関西学院大学 社会学部 教授、社会学者。専門は災害社会学、環境社会学。
 
私たち生存者と3・11の死者と向き合う営みを記録したものだ。
 
手記や手紙を書いてもらったり、幽霊や夢の話を聞き取って大切な人を突然、災害に奪われた被災者の心象風景に分け入った。
震災後、著者が教えていた東北学院大学の学生らと続けた共同作業の集大成である。
あの日から経験を<他人事から自分事>へ。
それが<喪われた膨大な数の人命が救えたかもしれないという未来への教訓>となるだろう。
 
関連書籍
 
「私の大切な人はいまだ行方不明。本当に亡くなったのだろうか?」大震災と原発災害によって「宙づり」にされた人々が抱える悲痛な思いとは。愛する家族、動物、住み慣れた土地、故郷のわが家を奪われたあの日から曖昧な喪失を受け容れるまでの物語。

 *被災地のタクシーと幽霊の調査で注目された金菱ゼミ学生による渾身の書き下ろし論文集。
 *行方不明者の遺族や原発避難区域の住民が初めて語った貴重な証言、隠された現地の声を伝える。
 *復興のかけ声からこぼれ落ちる現実を、当時小学生だった学生たちの曇りない目で追う。
 
 
タクシードライバーが語る幽霊現象が大反響を呼んだ災害書ベストセラー。亡くしたわが子を想い慰霊碑を抱きしめる母親たち。土葬した672人ものご遺体を掘り起こし改葬した葬儀社員ほか,被災地の悲しみに満ちた別れのプロセス,生と死のはざまで交差する霊性に初めて迫る8編。
 
阪神淡路大震災でわが子を亡くし、障害を抱え、家や店を失った人々が、学生の問いかけに応えて言葉を紡いだライフストーリー。復興と繁栄を急いだ都市の底に沈んだ記憶をほどき、当事者の孤独や負の感情、災害の不条理をどう語り継ぐかを再考させる。

* 阪神淡路大震災の地元大学で行った大学ゼミ活動の論集。
* 四半世紀後の被災地・神戸で、震災を知らない学生が当事者にインタビューし、伝える。
* 東日本大震災の震災記録の実績をもとに、日本の震災史を遡る。

関連書籍

 
 
 
 
 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 魂にふれる 大震災と、生きて... | トップ | 劇症型溶連菌感染症が昨年は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

社会・文化・政治・経済」カテゴリの最新記事