カキぴー

春が来た

克服できるか、言語力の貧困

2010年02月07日 | 社会・経済

欧米では、コメントも重要な人格の一部。 政治家も、経営者も、「言葉」 という道具を駆使して、如何に会社や国のイメージを高めるか、最大の努力をしている。 グローバル企業として、世界中にビジネスを展開する「トヨタ」は、その辺のところを十分に承知の筈だと思っていたが、そうではなかった。

トヨタ自動車の豊田章男社長は、5日 「急遽用意された会見」 を名古屋市内で開き、アクセルペダルのリコールなど、昨年秋からの一連の品質問題に関し、初めて記者会見して謝罪。 これを受け、米メディアも5日、会見を大きく報じたが、具体策を示せなかったことや、悪い知らせを早く知らせずに、怠ってきた(ウオールストリート・ジャーナル) ことに対する説明もなく、 また質問に対するコメントの拙さ、などを酷評する内容が目立ったようだ。

「10日に開かれる下院公聴会に出席しないのか」 と尋ねられた豊田社長は、「誰が出席しようとトヨタの声は一つ」 とかわしたたが、「CEOの責任を果たすのなら、彼はそこに行くべきだ」 とニューヨーク・タイムスは批判した。 またブレーキの不具合が指摘されている新型プリウスについて、「リコールを実施するか否かという、顧客の緊急問題には、全く答えなかった」 (ウオールストリート・ジャーナル)。 さらに今月1日に主要テレビに出演して、アクセルぺダルの不具合の説明をしたのが、米国トヨタ自動車販売のレンツ社長だったことで、「豊田氏や、他の日本の重役は、なぜ危機に対応しないのか」(ニューヨーク・タイムズ) という印象を与えてしまった。

豊田氏がこれまで公式な場で発言してこなかったことも、批判の対称になっている。 ウオールストリート・ジャーナルは、「1月に世界経済フォーラム年次総会が開催されたスイスのダボスで、たった1回話しただけだった」 と指摘。 「豊田氏の控えめな姿勢が今回の危機では裏目に出ている」 と分析してみせた。

アメリカのトップは、最低2名のスピーチライタを用意している。 オバマ大統領のスピーチやコメントを聞いていても、野党の攻撃に対するかわし方や、言い訳の仕方が実にうまい。常に国民を意識した、質疑応答のレッスンを積んでいるという。 この国でもそろそろ 「言語力の貧困」 から抜け出さなければならない。       

 

 


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1 コメント

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Unknown (ばりこ)
2010-02-09 13:34:55
私の友人が富士通の部長職を捨てて、トヨタマネジメント研究所というコンサルティング会社を始めたのですが・・
今まで世界のトヨタという看板があったので、コンサルの世界では、トヨタ式を学びたい!というのがあったのですけれど・・信頼がゆるぎかねない事態に・・
リコールの対処など、間違えれば一転、逆風になってしまいます。今度のことはちょっと心配です。
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