ここに使わせてもらったタイトル「ただでは死なぬ、がん細胞」は地方紙の健康覧で眼に留まったものだが、がん再発のメカニズムを明らかにした最新の「研究成果」を、見事に一言で表現してて秀逸。 細胞は死ぬとき、ただ、死んでいくわけではなく、周囲に増殖を促す新しい物質を放出していることを、順天堂大学医学部・大学院医学研究所研究科「中野裕康」准教授らが見つけ、アメリカ・科学振興協会(AAAS)発行の世界的に権威ある学術雑誌「サイエンス」の姉妹誌、「サイエンスシグナリング」の最新版に発表したもの。
中野准教授らは、体内の細胞の一部が死ぬとき活性酸素を周りに放出し、生理活性物質のサイトカインの一種、「インターロイキンILー11」を誘導していることをマウスの実験で確かめた。 このIL-11は生きた細胞に働きかけ、過剰になると癌化に繋がっていた。 中野准教授は、「今回の研究で、死んでいく細胞が、癌化を刺激するIL-11などを周囲に放出している可能性が始めて明らかになり、IL-11はがん治療の新しい標的になりうる」 と期待する。 もともと、死んでいく細胞が周りに増殖を促して補おうとするのは、「生体の恒常性維持」の重要な働きと考えられ、がん細胞も例外ではない。
つまりヒトの細胞には常に体の状態を一定した状態に維持しようとする機能が備わっており、これによって血圧や血糖値は一定の範囲内に保たれ、胃の中は胃酸により一定のペーハー(PH)に保たれている。 病気とはすなわちそれらの機能が破綻した状態であると言うことができ、高血圧・糖尿病・胃炎(潰瘍)といった病気で表現されることになる。 また一度この恒常性が破綻し病気になった場合でも、それは同様な機能によってまた修復される。 つまり健康の維持および病気の自然治癒は、すべて「生体の恒常性維持機能」が担っているわけ。
だから抗がん剤や放射線でがん細胞を消滅させた筈なのに癌が再発してくるのは、がん治療の副作用とも言える。 「IL-11は治療の新しい手がかりとなる」と、研究グループはがん治療への応用を探り始めた。 僕はこの地方紙の記事を読んで、癌の再発に関してやっと納得のいく説明ににめぐり合ったように感じた。 また、ヒトの体に寄生して生きている癌は、ヒトの死と共に消滅するわけだが、癌を消滅させようとしてヒトを殺してしまう原理も理解できたので、「癌とうまく共存しながらの延命方法」もまた、理に叶っていることが分かった。
「癌に完治はない、完治の状態(寛解・かんかい)にあるだけ」 と言い切るのは、製薬会社の役員をしていて、末期の前立腺がんから生環したM氏で、手術、放射線、抗がん剤、3つの治療をすべて頑なに拒否し、食事を含めた自然療法で10年以上も延命している。 今も癌は存在していて少し手を抜くとマーカーが上昇し、その都度バランスを調整しながら癌と巧く共存できているのは見事。 座右の銘は、福島県出身の病理学者で、吉田肉腫や腹水肝癌など実験腫瘍学の新たな扉を開いた「吉田富三博士」の 「医事は 自然にしかず 静観待機療法にあり」。
中野准教授らは、体内の細胞の一部が死ぬとき活性酸素を周りに放出し、生理活性物質のサイトカインの一種、「インターロイキンILー11」を誘導していることをマウスの実験で確かめた。 このIL-11は生きた細胞に働きかけ、過剰になると癌化に繋がっていた。 中野准教授は、「今回の研究で、死んでいく細胞が、癌化を刺激するIL-11などを周囲に放出している可能性が始めて明らかになり、IL-11はがん治療の新しい標的になりうる」 と期待する。 もともと、死んでいく細胞が周りに増殖を促して補おうとするのは、「生体の恒常性維持」の重要な働きと考えられ、がん細胞も例外ではない。
つまりヒトの細胞には常に体の状態を一定した状態に維持しようとする機能が備わっており、これによって血圧や血糖値は一定の範囲内に保たれ、胃の中は胃酸により一定のペーハー(PH)に保たれている。 病気とはすなわちそれらの機能が破綻した状態であると言うことができ、高血圧・糖尿病・胃炎(潰瘍)といった病気で表現されることになる。 また一度この恒常性が破綻し病気になった場合でも、それは同様な機能によってまた修復される。 つまり健康の維持および病気の自然治癒は、すべて「生体の恒常性維持機能」が担っているわけ。
だから抗がん剤や放射線でがん細胞を消滅させた筈なのに癌が再発してくるのは、がん治療の副作用とも言える。 「IL-11は治療の新しい手がかりとなる」と、研究グループはがん治療への応用を探り始めた。 僕はこの地方紙の記事を読んで、癌の再発に関してやっと納得のいく説明ににめぐり合ったように感じた。 また、ヒトの体に寄生して生きている癌は、ヒトの死と共に消滅するわけだが、癌を消滅させようとしてヒトを殺してしまう原理も理解できたので、「癌とうまく共存しながらの延命方法」もまた、理に叶っていることが分かった。
「癌に完治はない、完治の状態(寛解・かんかい)にあるだけ」 と言い切るのは、製薬会社の役員をしていて、末期の前立腺がんから生環したM氏で、手術、放射線、抗がん剤、3つの治療をすべて頑なに拒否し、食事を含めた自然療法で10年以上も延命している。 今も癌は存在していて少し手を抜くとマーカーが上昇し、その都度バランスを調整しながら癌と巧く共存できているのは見事。 座右の銘は、福島県出身の病理学者で、吉田肉腫や腹水肝癌など実験腫瘍学の新たな扉を開いた「吉田富三博士」の 「医事は 自然にしかず 静観待機療法にあり」。