カキぴー

春が来た

「パイロット短命説」と「時計医学」

2011年01月24日 | 健康・病気
犬の運動をしながら聴いたNHKの早朝番組・健康ライフの内容は、「健康長寿と時計医学」。 講師の東京女子医大・大塚先生によれば、人は生きてる限り歳をとり、細胞は日々生まれそして死んでいく循環を繰り返している。 その細胞の中に 「時計遺伝子」というものがあり、これが健康や病気に大きく関係してることが解ってきた。 これから研究が進むと、時間医学から見た老化予防策が進み、平均寿命100歳も射程距離に入る可能性が高くなってきた、それが幸か不幸かは別にして・・・・・。 

本来人間は地球のリズムに合わせ、朝起きて明るい光を浴び、暗くなれば寝るという生活リズムの中で生きてきた。 地球の一日は24時間、これに合わせて整体コントロールしているのが「体内時計」で、従来から知られてきた「腹時計」などもこの一種。 かっての僕は体内時計の支配を拒み自由を謳歌してきたが、いまや悲しいかな一日三食の食事時間や、就寝起床が少しでもずれると体調が良くない。 週末は夜更かしをし翌朝ゆっくり起きて、ブランチと称しシャンパンなどを飲んでた時代が懐かしい。  

ところでパイロットの平均寿命が短いと言われてきてから久しい。 一般のジェット機が飛ぶ高度はおよそ10000m、地上における自然放射線の100倍程度の強さを持つ宇宙線が降り注いでいる。 とくに長距離国際線を飛ぶコクピット乗務員の被爆量が問題となっており、EU諸国では国の指針に基いて乗務員の被爆限度量が管理されている。 日本でも2006年5月、文部科学:国土交通:厚生労働の担当局が合同で、年間被爆量5ミリシーベルトを目標値として処置を講ずるよう、航空各社に通達が出された。

しかしこの対策で寿命が延びるとは思えない、根本原因は「体内時計に逆らって生活してる」ところにあると思うからだ。 そうなるとパイロットだけでなく、客室乗務員やオーバーナイトで機体のメンテナンスに当たる整備士:運行管理者など、運行に関わるすべての人の健康管理が、遠からず問題となるはずだ。 狂ったり壊れてしまった「時計」を元に戻すには中高年になるほど時間がかかる、労務管理者は国際線:国内線のローテーションを考慮するなど真剣に取り組む必要がありそう。

航空機業界に限らず、経済のグローバル化で「昼夜の区別なく働く」職種の人たちが増えている。 我々が日常の生活で経験する「時差ぼけ」や「月曜病」など体の変調を恒常的に受ける人達が、そのリスクを分かってしまう時計医学の進歩は、これから大きな社会問題を提起することになるかもしれない。 かってパイロットの給与はべらぼうに高かったが、今考えてみると「時間医学」を先取りした、いわば「寿命手当」が含まれていたのかもしれない。   



 



 



 


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