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「よど号事件」 偽装着陸の真相

2011年10月20日 | 国際・政治
アメリカ海兵隊の主要任務の一つに、海外での暴動、内乱、事件が発生した際の在留アメリカ人の救出があり、その優先順位が次のように決まっている。 ●1位ーアメリカ人。 ●2位ーアメリカ永住権保持者。 ●3位ーアングロサクソン4カ国。(イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)。 ●4位ーその他。(日本人はその他に含まれる)。 アメリカという国が自国民救出に当たってここまでやるか!  と思わせた出来事が,41年前に起きた日本で最初のハイジャック「よど号事件」。 この事実を知ったのは、AOPA-JAPAN 畑中紀子事務局長が最近送ってくれた1冊の本。

本は、2002年に発刊された 「よど号事件三十年目の真実」で、著者は日航OBの島田滋敏氏、氏は畑中事務局長がスチュワーデスだった当時の上司。 「よど号」事件発生の当日深夜、現地対策本部長補佐・総括担当に指名され、金浦空港へ飛び事務局長として陣頭指揮した人。 福岡からピョンヤンを目指して飛び立った「よど号」が、なぜ金浦空港に着陸させられたのか?長く不可解な謎として封印されてきた事件の真相が、島田氏にしか知り得ない事実を元に解き明かされていく。 ハイジャックを一番早くキャッチしたのは米軍横田基地、すぐにアメリカ人乗客の有無を日航に問い合わせると、ハーバード・プリル日本ペプシコーラ代表と、ダニエル・マクドナルド神父、2名の搭乗が判明。

アメリカにはダニエル神父を北朝鮮に渡してはならない重大な理由があった。 彼はCIAの枢要なエージェント、せめて彼だけでも先に救出すべく、三度にわたって身代わりを申し出ている。 それも自然な行為と見せかけるため、日航を利用して交代の人物を送り込むべく画策した。 また韓国政府機関の中でKCIAのみが事件発生以来「よど号を」追跡し、極秘裏に空軍と航空管制を指揮していたらしい。 KCIAとCIAは密接な連携プレーのもとに「よど号」を金浦空港に偽装着陸させているが、マクドナルド神父の存在が事件の展開を意外な方向へにもっていったと推測される。 

米国側は在日米軍を通じ、「よど号」が金浦空港に着陸せざるを得なかった理由として、「よど号」が北朝鮮領空に入るとミグ戦闘機の迎撃を受け、地上からは対空砲火を浴びた模様だったからとのニセ情報を流した。 日本の外務省もこれを国民に発表しているが、レーダー網の発達した時代、自衛隊に問い合わせればすぐにわかること。 それもこれも米韓両国による一連の仕組まれた行動と、島田氏は分析する。 また「よど号」を福岡に5時間も留め置いたのは、金浦をピョンヤンに見せかけるための時間稼ぎで、韓国マークの地上機材を全て塗りつぶし、チマチョゴリを着て花束を持った歓迎女性も用意していた。

金浦空港での乗客救助後に、消えた乗客が居た、マクドナルド神父である。 「大変です!お客が一人消えました。どうしても数が合わないのです、どうしましょう?」。 消えた乗客がマクドナルド神父との報告を受けた島田氏は、「かまわん、大丈夫だ私が責任を取る、帰国の飛行機は7時5分出発!」 と命ずる。 島田氏はこう判断したのだ。水も漏らさぬ態勢で厳戒令を敷いている韓国当局が逃亡を許す筈がないし、無断で降りて韓国に入国できるわけがない。すなわち日航にも知らせたくない理由があって、韓国側が一方的にとった処置であろうと・・・。 マクドナルド神父は例外としても、米国民が胸に手を当て星条旗を仰ぐ愛国心の陰には、いかなる場合でも自国民の生命と安全を守るという、母国の強い決意と伝統があることを、今更に思い知らされた次第。

PS 10月に100歳を迎えた聖路加病院理事長・日野原重明氏は、当時福岡での学会に出席するためよど号に搭乗してハイジャックに遭遇、福岡では降ろされず最後まで拘束され金浦空港で開放された。 先日NHKの特集番組で、「この事件はその後の私の生き方に大きな影響を与えた」と語っている。 


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