前立腺がんの放射線治療から3年が経ち、半年振りに東北大学病院泌尿器科のトップ、荒井教授の診察を受けた。 早めに病院に入り、まず採血を済ませてから診察を待つ、結果が出るまで1時間余、10時過ぎには呼び出しがある。 今回、前立腺がんの検診で指標となる 「PSA値」が、前回の0.059ng/ml から0.098ng/mlに上昇してしていて不愉快。
僕から質問をする前に、教授からPSA上昇についての説明がある。 PSAと密接な関係を持つのが 「テストステロン」。 テストロンは男性ホルモンの一種で、筋肉の増大、体毛増加などの効果がある。 またテストステロンはやる気を促し、快楽をもたらすため、アメリカではうつ病の治療薬としても使用されている。
僕は放射線治療を受けるまで、約8年間もホルモン治療を受けている。 この治療は男性ホルモンの活動を抑えることで、男性特有の病気である前立腺がんの細胞増殖も、抑えようとするもの。 だから放射線線治療を終えて、1年経過した時点でのテストステロン値は、通常の約50%も減少して1600。 しかし2年目の数値は1700まで回復、そして今回は2538まで急上昇した。
前置きが長くなったが教授の説明によると、長期のホルモン療法で女性化してた僕の体は、徐々に男性化してきており、ここにきて急回復してきた。 当然、連動してPSA値も上昇したわけで、癌細胞の再活動とは全く無関係とのこと。 上がった数値も0.00台の範囲で想定内で、因みに癌が疑われるPSA値は、4~10ng/ml。
また放射線治療には、「晩期障害」という副作用がある。 これは治療を終えて3~5年後に排尿、排便時に起こるさまざまな症状。 しかし僕の受けた 「IMRT」は、正常な細胞への被ばくが少ないため、ほとんど軽微に済みそう。 それより心配なのは次に罹るであろう癌、予防のため「治療時の生活習慣}を、今も頑なに守り続けている。