闘病記の中で、 「同じところに毎日行くのは、辛いもんだ」と告白した。 前立腺がんの放射線治療は40日間の通院を要する。1日2グレイの線量を40回、計80グレイを照射してがん組織を壊滅させる。 治療現場は男性だけだからいいが、別室の受付に居る若い女性は、患者の服装に興味があるらしく、初日からさりげなくコメントしてくる。「白のパンツとシャツ、それにピンクのジャケット、いいですよ。」とか言って足元をチラリと見る。 10年近いホルモン注射で「下心」の方はすっかり退化しているが、病人らしく見られたくないので、少々カジュラルっぽくしてったのがいけなかったようだ。それからとゆうものは意識してしまってもう地獄、数少ない洋服をやりくりしながら、何とかボロを出さずに切り抜けた。
そのとき助けてもらったのがユニクロだ。カラーが豊富で素材も悪くない。しかし上から下までオールユニクロではいささか気が引けるので、1点だけ外してバランスをとった。 われわれの年代はスーツを着ると何とかサマになるが、カジュアルに弱い。しかしユニクロの売り場だと店員のアドヴァイスをうけながら、パンツは細めのものをヒップではいて、フード付きの革ジャンの下に赤いタートルネックのインナーでコーディネートできる。お値段は〆て12000円といったところ、裾上げが待ってるうちに出来るのが有難い。
海外のパーテーなどでは、ブラックタイ着用とかセミカジュアルまでとか、ドレスアップのコードを明示することが少なくない。でも本当に難しいのは、ドレスダウンで招かれるパーテーだと、亡くなった安井かずみさんが言ってた。 あなたはどちらが苦手ですか?