航空関係者を除けば 「鹿部空港」を知っている人は少ないと思うが、函館空港から空路で北へ15分ほど、駒ヶ岳の南東部に位置する飛行場である。 トヨタ自動車と日本航空が出資する エアフライトジャパンが運営する民営飛行場で、運航、休憩、給油、整備、が完備しており、非公共用飛行場としては、国内最大の飛行場。
定期航空路は無いが、軽航空機、ヘリコプター、グライダーの滑走路として広く利用されている。航空利用以外でも、トヨタ自動車の走行試験、車両展示会、体験試乗等にも利用される。 毎年エアショーが行われることでも有名。 一時期トヨタが計画していた航空機エンジンの開発拠点でもあっが、テスト飛行中に海上に墜落し3人の死者を出した後、開発は中止された。
この飛行場は、大きな事件があると、報道関係者にとって、なくてはならない存在となる。 なぜなら、テレビ局や新聞社など多くのヘリコプターや小型機が飛来し、長期に滞在する間、給油や駐機、さらには緊急の整備などに対応でき、しかも函館空港と近距離にあるから。
過去に起きた事件では、 1975年、全日空857便のハイジャック事件。 1976年、ロシア空軍べレンコ中尉の亡命事件(ミグ25事件)。 1993年、北海道南西沖地震(奥尻島の災害)。 などでがあり、長期にわたる取材活動を、陰で支えた空港。
小型機の仲間がここを利用するのは、いい温泉があるのと、美味しい魚が食べられるから。 空港のある鹿部町は人口4636人、古い歴史をもつ温泉地で、道内でも珍しい間歇温泉を利用した間歇公園があり、1回に500リッターの温泉を高く吹き揚げるので有名。 また漁業が盛んで、町内に大小3つの漁港を持つ。 タコ、カレイ、ホッケ、サクラマス、昆布、ナマコ、が水揚げされ、冬場はタラコの材料、スケソウダラとホタテ漁が盛ん。
函館から大沼公園経由で鹿部町まで、レンタカーで約時間半。 北海道旅行のスケジュールに、ここを1泊加えるといい。 雄大な駒ヶ岳の裾野で、ゆっくり過ごしてしてきて欲しい。