創発企業経営

起業13年目の会社の経営、事業報告

韓国 (2)

2013年07月10日 | 経営
もうかなり昔のことですが、釜山滞在時に訪ねた釜山近代歴史館の展示の続きです。

東莱地区
最近は韓国でも、日本にあるような大型の温泉レジャー施設が目に付きますが、歴史館には、釜山近郊の東莱温泉の当時の姿、観光地図などが展示されています。 東莱が日本人により、温泉街としての整備された様子が展示されています。

東洋拓殖会社
釜山近代歴史館の建物は、日本が朝鮮の経済を支配する目的で1908年に設立した国策会社「東洋拓殖会社」釜山支店でした。 ここでも、国策会社による農民からの収奪と農民の苦労の様子が展示されています。

韓米の関係
展示の最後は、第2次世界大戦の終結後、日本の植民地支配からの解放が米国により遂げられ、その後、朝鮮戦争に於ける同盟について、これまでの展示内容と打って変わって、明るい様相で展示されています。 また、対米関係見直しを含めた民主化要求の市民運動の様子も紹介されています。

展示を見て感じたのは、日本の朝鮮半島に対する功罪の大きさです。 功についてはあまり語られませんが、当時の日本からの投資が韓国の経済基盤になったことは間違いありません。

鉄道路線などはわたしの知る限り、少なくとも80年代後半までは、戦前の日本の影響により敷設された路線が、韓国の基幹鉄道となり、鉄道のシステム自体(駅やホームのつくり、駅員の服装、安全確認の所作等)も、日本の国鉄のシステムをそのまま移管したように見えました。 その他港湾、銀行、農業を含め、日本から移住した人は数知れません。

企業が海外に自国の優秀な社員を派遣し、指導できる企業は真の現地化が図れる一流の企業の資格があります。 わたしの知る欧米の企業の中には、アジアには二流の人材を送り、派遣者は、現地の人と交流を避けているケースがありました。 いつでも撤退可能な腰が引けた投資が行われ、日本で成功する外資は限られていました。

これも私見ですが、日本の当時の朝鮮への投資は目的はともかく、投資の規模から判断して真の現地化を行おうとしたことを展示を見て感じました。

一方、罪においては、旧日本軍に関連してなされた行為は、非人間的なものでした。 釜山ではありませんが、ソウル景福宮での閔妃として知られる李朝最後の王妃明成皇后の殺害 (ガイド付でなくここを一緒に訪ねた日本人はしばしその行為、- 一国の王妃を殺害後、庭で遺体を焼いたという - に言葉がありませんでした)、同じ景福宮にあった光化門と王宮の間に建てられた朝鮮総督府(取り壊されましたが) - その場所など、当時の日本人の朝鮮の人たちに対する傲慢な態度を示しています。

朝鮮総督府の場所は日本でいえば、東京駅から向かって皇居の正門と宮殿の間に、占領国の威風漂う異質の建築物が建てられるようなものでした。

わたしの韓国滞在は合計で7ヶ月ほどで、日韓の歴史について語るにはふさわしいとは思いません。 生半可な知識ですが、見たまま、感じたままをそのまま記した私見であることを注記しておきます。


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