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日本の選挙制度について考える「選制」シリーズ、3回目の今日は、日本の選挙において、選択した結果が反映されにくこと、反映させる工夫がされていないことを取り上げます。最終的な法案の決定権を握っている衆議院では小選挙区制によって選出される議員が多く、小選挙区制では、第1位以外の候補者を選択した人の投票は結果に反映されなくなる、というのは、よく聞く話。では、小選挙区制度をとっているほかの国は、それで満足しているのか?ということになる。
フランスでは、決選投票制度を採用している。第1回投票で、過半数(50%超)の得票を得た候補がいない場合に12.5%(全体の8分の1)以上の得票を得た候補によって決選投票が行われるという制度だ。
これによって、投票数の8分の1以上の票を得た候補者に投票した人の候補者が決選投票に進出し、逆転によって、その選挙区の当選者となる可能性が残されている。
また、少なくとも、最初の投票結果をみて、第2位の方がベターだと考える人が多ければ逆転されるわけだから、そういう意味でも民意が反映される制度となっている。
オーストラリアでは、選挙区の立候補者に順番をつけることになっている。そして、第1順位票で過半数を獲得した候補者がいればその候補者が当選するが、いない場合は、第1順位の得票が最少の候補者の得票を、投票者の指定した優先順位に従って他の候補者に配分し、いずれかの候補者が過半数を獲得するまでこれを繰り返すこととなっている。
たとえば、5人が立候補して、1位Aさん30%、2位Bさん25%、3位Cさん20%、4位Dさん15%、5位Eさん10%だったとしよう。
まず、5位Eさんの10%について、2番目に誰に入れたかをチェックする。たとえば、Aさんに1%、Bさんに6%、Cさんに1%、Dさんに2%だとする。
そうすると、1位Aさん31%、2位Bさん31%、3位Cさん21%、4位Dさん17%となる。
そこで、Dさんの17%を確認する。原則として2位に誰を入れたかを確認するわけだが、すでに落選しているEさんを2位にしている人(及び1位Eさん、2位Dさんとしている人)については、3位に誰を選んだかで振り分けることになる。
たとえば、Aさん4%、Bさん10%、Cさん3%とします。
すると、1位Bさん41%、2位Aさん35%、3位Cさん24%となるわけです。
さらに、Cさんのを確認してBさん12%、Aさん12%であれば、総合結果は、1位Bさん53%、2位Aさん47%となり、Bさんの逆転勝利となる。
こうして、少数者の投票結果も反映されることになるのです。
さて、世界の主な国の下院=優越院(一院制度含む)で小選挙区制を単独で採用している国は、どの程度でしょう。
手元の資料(国会図書館レファレンス2006.12)によると、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、オーストラリア、の5カ国です。
このうち、アメリカとイギリスは、前回みたように、予備選挙などによって選択の幅を広げています。フランスとオーストラリアは、いまみたように、選択の結果を反映させるための工夫をしています。カナダは、フランス語圏の独立問題を抱えており、多党制となっており、少しほかの国とは事情が違います。地域ごとではありますが、選択の幅があるわけです。また、比例選挙や、オーストラリア式の選挙を採用する動きがあります。
つまり、小選挙区制度をとっている国で、日本のように、選択の幅が極めて狭く、かつ、選択の結果が反映する工夫がなされていない国はないのです。
日本では、その欠陥を比例代表制によって補っているといえます。
ところが、いま、比例代表制の定員を減らす議論がされていますね。80減だから、小選挙区300対比例選挙区100。ということは、ますます、投票者の選択の幅は狭まり、選択の結果が反映されにくいシステムになろうとしているということになります。
で、次回は、選択するに足りる情報が入手できるシステムになっているかどうか?について考えてみたいと思います。
●選制シリーズ●
第1回:「日本の選挙制度が民意を反映できていないことを3つのポイントから各千字以内で記述せよ」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/4d4a2d49a6d6119af9f53ff0fed805df
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第2回:「選択の幅が狭い日本のガラパゴス選挙」
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/c2d98982af5865537b9c40040e92ef7f
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画像はこちらより→http://www.tokyo-np.co.jp/feature/seitou/news/02.html
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JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.
Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.
Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.
Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko
At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。
フランスでは、決選投票制度を採用している。第1回投票で、過半数(50%超)の得票を得た候補がいない場合に12.5%(全体の8分の1)以上の得票を得た候補によって決選投票が行われるという制度だ。
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たとえば、5人が立候補して、1位Aさん30%、2位Bさん25%、3位Cさん20%、4位Dさん15%、5位Eさん10%だったとしよう。
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そうすると、1位Aさん31%、2位Bさん31%、3位Cさん21%、4位Dさん17%となる。
そこで、Dさんの17%を確認する。原則として2位に誰を入れたかを確認するわけだが、すでに落選しているEさんを2位にしている人(及び1位Eさん、2位Dさんとしている人)については、3位に誰を選んだかで振り分けることになる。
たとえば、Aさん4%、Bさん10%、Cさん3%とします。
すると、1位Bさん41%、2位Aさん35%、3位Cさん24%となるわけです。
さらに、Cさんのを確認してBさん12%、Aさん12%であれば、総合結果は、1位Bさん53%、2位Aさん47%となり、Bさんの逆転勝利となる。
こうして、少数者の投票結果も反映されることになるのです。
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このうち、アメリカとイギリスは、前回みたように、予備選挙などによって選択の幅を広げています。フランスとオーストラリアは、いまみたように、選択の結果を反映させるための工夫をしています。カナダは、フランス語圏の独立問題を抱えており、多党制となっており、少しほかの国とは事情が違います。地域ごとではありますが、選択の幅があるわけです。また、比例選挙や、オーストラリア式の選挙を採用する動きがあります。
つまり、小選挙区制度をとっている国で、日本のように、選択の幅が極めて狭く、かつ、選択の結果が反映する工夫がなされていない国はないのです。
日本では、その欠陥を比例代表制によって補っているといえます。
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