情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

原爆「語り部」の発言封じを撤回~偏向教育批判による言論封鎖にご注意

2006-06-25 21:48:15 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
朝日新聞によると,【長崎市の外郭団体・長崎平和推進協会(横瀬昭幸理事長)が、「語り部」を務める被爆者らに「政治的発言」の自粛を求める文書を出していた問題で、同協会は24日、文書の撤回を決めた。文書に対し、全国から質問や撤回要請が相次いだため、「文書が残れば今後の活動に支障が出る」と判断したという。】。まったく妥当な判断だ。そもそも,現体制に対する批判が偏っているとか,議論が分かれている問題については触れない,とか言われたのでは,教育は成り立たない。ロボットのように言われたままに動かせるのではなく,批判的に物事を考える視点を身につけさせることこそが,国家が危険な選択をすることを防ぐための最も有効な手段であるはずだ。

 この自粛の内容は,【「国民の間で意見が分かれている政治的問題についての発言は慎んでほしい」としたうえで、(1)天皇の戦争責任(2)憲法(9条)改正(3)イラクへの自衛隊派遣(4)有事法制(5)原子力発電(6)歴史教育や靖国神社(7)環境や人権など他領域の問題(8)一般的に不確定な内容(劣化ウラン弾問題など)――の8項目を例示した。】(上記朝日)というもの。

 被爆者にしてみれば,当然,自分たちと同じような目に遭う人が増えないようにするためには何が必要かということを伝えたいはずだ。何のために,辛い体験をわざわざ知らない人たちにアピールしているのか,長崎平和推進協会の関係者は考えたことがないのだろうか?

 今回は幸い文書が撤回されたが,発端は,【修学旅行などで証言を聞いた学校から「主張が偏っている」との指摘があったため】(上記朝日)らしい。どの学校がそのような指摘をしたのか?そのような指摘をする学校こそ,偏っているというほかない。教育のなんたるかを考え直してもらいたいもんだ。




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