情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「言論の自由を守る砦」とは何か、早く議論をしてほしい~総務省ICTフォーラム

2010-08-26 07:23:41 | メディア(知るための手段のあり方)
 ここでは、何度か取り上げたが、いま、総務省では、 「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」が開催されている。このフォーラムの目的は、【民主主義の基礎となるインフラであるICT(情報通信技術)分野において、「言論の自由を守る砦」をはじめとする国民の権利保障等の在り方について検討すること】なのだという(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/21930.html)。昨日、第8回が開催された。テーマは【①放送分野における報道・表現の自由を守る取組について、②行政による対応の現状と課題、③ICT分野における権利保障に係る枠組みの現状と課題(訂正放送制度)】の3点だと事前に公表されていた(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/kenri_hosyou/33104.html)。

 ついに、重要なテーマに差しかかってきたな…そう思って傍聴した。

 ①放送分野における報道・表現の自由を守る取組…これについては、そもそも、日本で、そのような取り組みがあるだろうか?

 ②行政による対応の現状と課題…これについては、恣意的な行政指導の問題点が語られるのだろう。

 ③ICT分野における権利保障に係る枠組みの現状と課題(訂正放送制度)…ここでは、表現の自由に行きすぎがあった場合にいかにそれを自主的にただし、政治的な介入を招かないようにするかが語られるのだろう。

 そう思って出席した。

 ところが、そこで交わされた議論は、現在のBPO(BRCなど3つの委員会を運営)の機能が十分かどうか、が主たる内容だった。

 つまり、放送の行きすぎがあった際に、BPOが機能しているか、どうかということだった。

 もちろん、委員の一人であるジャーナリストの上杉さんが指摘しているように、

【(問題は)権力との関係にある。当時の与党に対しては名誉毀損だと認め、野党に対しては名誉毀損には当たらないと判断するのは、BRCの機能に疑義をもたれても仕方の無い行為だ。それはすなわち、強者に弱く、弱者に強い、という日本の記者クラブメディアの体質そのものを現すことにつながる。】(http://diamond.jp/articles/-/9182?page=4)

という政治的圧力の問題を取り上げることで、放送行政の独立の必要性に関する議論に結び付けるのならばまだよいのだが、どうもポイントがずれていたように思う。

 というか、本来取り上げるべき、行政指導が恣意的に行われること(少なくとも行われうること)についての実態に関する議論は行われなかった。

 終盤になって、服部教授が、その点を指摘し、官僚からの説明を求めたいと、迫ったのが目立ったくらいだった(ソフトバンクの孫さんの代理出席嶋さんも政府から独立した行政の必要性を訴えた)。

 本来は、その発言から議論が始まり、官僚からの意見聴取をするかどうか、などという実質的な中身に入るべきだったように思う。

 放送と通信の融合を前にしたいま、このICTフォーラムが表現の自由の砦についてきちんと議論ができるかどうかによって、インターネットを含む今後数十年間の日本の表現の自由のあり方が決まると言ってもよい。そして、そのことは直ちに、日本が実質的な民主主義国家となりうるかどうか、に大きく影響する。

 毎回、ネットで生中継している。

 次回は決まっていないが、決まったら、ここでも紹介するので、ぜひ、総務省に行くか、ネットで「傍聴」してみてください。

 そして、出席している委員にあなたの感想をぜひ、お伝えください。
 
 ◆◆委員名簿◆◆

上杉 隆(うえすぎ たかし) ジャーナリスト
宇賀 克也(うが かつや) 東京大学大学院法学政治学研究科教授
後 房雄(うしろ ふさお) 名古屋大学大学院法学研究科教授
音 好宏(おと よしひろ) 上智大学文学部新聞学科教授
木原 くみこ(きはら くみこ) 株式会社らむれす(三角山放送局)代表取締役会長
楠 茂樹(くすのき しげき) 上智大学法学部法律学科准教授
工藤 泰志(くどう やすし) 認定NPO法人 言論NPO代表
黒岩 祐治(くろいわ ゆうじ) ジャーナリスト
郷原 信郎(ごうはら のぶお) 名城大学教授・コンプライアンス研究センター長、弁護士
五代 利矢子(ごだい りやこ) 評論家
児玉 平生(こだま ひらお) 毎日新聞社論説委員
重延 浩(しげのぶ ゆたか) 株式会社テレビマンユニオン代表取締役会長・CEO
宍戸 常寿(ししど じょうじ) 一橋大学大学院法学研究科准教授
中村 伊知哉(なかむら いちや) 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
根岸 哲(ねぎし あきら) 甲南大学法科大学院教授
長谷部 恭男(はせべ やすお) 東京大学法学部教授(★副座長)
服部 孝章(はっとり たかあき) 立教大学社会学部教授
羽石 保(はねいし たもつ) 中日新聞社論説委員
浜井 浩一(はまい こういち) 龍谷大学大学院法務研究科教授
濱田 純一(はまだ じゅんいち) 東京大学総長(★座長)
深尾 昌峰(ふかお まさたか) 特定非営利活動法人きょうとNPOセンター常務理事・事務局長
堀 義貴(ほり よしたか) 株式会社ホリプロ代表取締役会長兼社長
丸山 淳一(まるやま じゅんいち) 読売新聞東京本社論説委員


 ◆◆オブザーバ名簿◆◆
小野寺 正(おのでら ただし) KDDI株式会社代表取締役社長兼会長
河合 久光(かわい ひさみつ) 全国地上デジタル放送推進協議会会長
(株式会社静岡朝日テレビ代表取締役社長)
孫 正義(そん まさよし) ソフトバンク株式会社代表取締役社長
広瀬 道貞(ひろせ みちさだ) 社団法人日本民間放送連盟会長
(株式会社テレビ朝日顧問)
福地 茂雄(ふくち しげお) 日本放送協会会長
三浦 惺(みうら さとし) 日本電信電話株式会社代表取締役社長



画像は http://www.andrew-drummond.com/2009/11/19/british-woman-raped-in-pattaya-part-2/comment-page-1/ より。

超訳:「君たちには表現の自由がある。政府の言うことを自由に書けるという自由が」




●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●

【ツイッターアカウント】@BarackObama

【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから


【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8

 




【ツイッターアカウント】yamebun

【PR】






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。なお、多忙につき、試行的に、コメントの反映はしないようにします。コメント内容の名誉毀損性、プライバシー侵害性についての確認をすることが難しいためです。情報提供、提案、誤りの指摘などは、コメント欄を通じて、今後ともよろしくお願いします。転載、引用はこれまでどおり大歓迎です。