情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

グリーンピース「横領」鯨肉「窃取」事件の初公判で捕鯨会社幹部が船員による塩蔵の存在を認める!

2010-02-15 23:27:46 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 今日(2月15日)、グリーンピース「横領」鯨肉「窃取」事件の初公判が青森地裁で開かれた。午前中は、被告人両名の凛とした意見陳述、弁護団による無罪立証の内容が説明された冒頭陳述などが行われた。午後からはいよいよ、証人尋問。まず、鯨肉を船から船員の自宅まで運んだ運送会社の青森支店の責任者。こちらは私が担当した。続いて、捕鯨船運航会社の幹部。こちらは、同僚が担当した。

 今日の尋問については、出席した人からは非常に面白かったと好評を博した。

 捕鯨船運航会社の幹部は、鯨肉はお土産で渡したもので不正なものではないという趣旨の証言をした。

 しかし、捕鯨事業は税金が投入された事業なので、この会社が船員に鯨肉をお土産として配るためには、いったんこの会社が捕鯨事業主体である日本鯨類研究所から鯨肉を買い取らなければならない。勝手に船員に配る権限は捕鯨船運航会社にはないわけだ。

 とすると、このお土産鯨肉に関する代金などをきちんと決めた売買契約、あるいは代金の振込などがあるはずだと思うでしょう。ところが、これがないんだな~。簡単に言うと、口頭での契約で、代金は傭船料から割り引いたなどという主張だ。

 そんな馬鹿な!

 また、船員が勝手につくって持ち帰ったお土産以外の鯨肉についても、船員が塩を持ち込んで鯨肉を塩蔵していたこと自体は認めた。船内でおかずにするためだなどと言っていたが、どの程度塩蔵していたかについて調べてはいないということなので、実際には、船員が大量に塩蔵して持ち帰ることも可能だったと認めたようなもの。いわゆる「半落ち」だといえよう。

 私が担当した運送会社の支店責任者は、4個口で送った荷物のうちの1個が紛失したことに気づいて仮伝票を作成して荷主の船員方に運ばせたが、その際、箱の中身などについて聞いていない、それにもかかわらず、3万円を自腹を切って弁償していたこと、3万円という示談金が決まる場面でも中身について船員に尋ねていないなどと証言した。

 これも不思議。中身が何かを知っていたから、このような行動に出たとしか思えない。

 ほかにもいろいろ鯨肉が横領されたものであることを裏付ける証言、そのことを運送会社も知っていたか知りえたことを裏付ける証言が次々となされた。

 事件は係属中なのでこれ以上、説明するのはやめておきたい。

 次回は3月8日午後1時から。

 

 

 



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