情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

厚労省村木課長に指示した電話の架電記録があったという検事の説明に騙されて嘘の証言をした~検察の手口

2010-02-11 09:30:53 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 民主党の石井一衆院議員(当時。現参院議員)の依頼を受けた厚生労働省の塩田部長(当時)からの指示に基づき、塩田部長の部下の村木厚子企画課長(逮捕)が実態の無い「凛の会」に、身体障害者低料第三種郵便物発行のための偽造証明書を発行するよう部下の上村係長に命じたことで、村木さんが虚偽有印公文書作成罪などに問われた事件は、検察のやり方、いや、手口を示す非常に分かりやすい例だ。

 この事件の2月8日の公判で、村木さんに指示をしたとされる塩田元部長が出廷し、「事件は壮大な虚構」と証言したことがJANJANで報道されている(http://www.janjannews.jp/archives/2573227.html)。

 JANJANによると、塩田元部長が、「(自分が取調べで供述した)石井議員から電話依頼を受け、倉沢から挨拶され、(部下だった)村木さんに処理を指示した、という供述を行ったのは、村木さんから受けた結果報告を石井議員に電話で報告した時の『4分数十秒にわたる電話交信記録がある』と、取調べの検事から言われたことを信じたからである」、「石井議員からの依頼、倉沢に会ったこと、村木さんに指示したこと、すべて記憶に無いことだったが、交信記録によって「石井議員への報告」が明確になっているなら、記憶には無いが、そのような流れで厚労省内に指示が流れて行ったに違いない」と思い込んで取調べ検事(林谷検事)に証言したという。

 塩田部長は、「検事も自分も『誇りあるプロの行政官である』という、信頼関係に基づいて供述したが、最近になって公判担当検事から『通信記録は実はありません』と言われ、ショックを受けると共に『大変な(誤った)供述をしてしまった』『村木さんを無実の罪に陥れてしまった』と気づき、今日は『実は記憶に無いことを、供述させられてしまった』ということを証言するために、法廷に来た」と証言したらしい。

 詳しくは、ぜひ、JANJANの記事を読んで欲しいが、この事件も当初、自民党議員の名前も挙がっていたように記憶するが、この村木さんの逮捕で、一気に石井一民主党議員に疑惑の目が向けられるようになった。

 なぜ、マスメディアは、こういう証言が出ているのに、丁寧に報じないのか、なぜ、取調べの可視化へのキャンペーンを張らないのか。

 村木さんのときに検察から情報をとった際も、記者たちは絶対に村木はクロという印象を持ったのだと思う。しかし、このような証言がなされたわけだ。記者たちは自分たちがクロだと思わされたことをいま、どのように感じているのか?

 そして、いまもって、小沢批判を続ける記者は、この村木事件の訴訟での経緯について、きちんとフォローしているのか?フォローもしないで、検察は正しいと妄信しているのか?それともフォローして検察に問題が有ることを知りながら、あえて、検察に覚えめでたくするために小沢批判を続けるのか?

 ジャーナリストってなんだろう…。

 検察官も人の子、密室での調べであれば、どうしても、自分の手柄にしたいという欲望が働く。それは、誰しも同じ。だからこそ、密室にしないよう取調べを可視化して自重させることが必要だ。

 そして、そういう手続きの透明性を高めることに貢献するのが、ジャーナリストの職務だ。

 いま、記者がやっていることは、密室記者クラブで、密室記者レクをしてもらって、密室取調べの情報をもらったり、密室夜討ち朝駆けで密室取調べの情報をもらっているだけではないか?

 汚名を返上するには、可視化キャンペーンを自ら始めるしかない!

 


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