情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

ほらね、やっぱり、国務長官が大使を呼び出したんじゃなかったでしょ~普天間移転問題

2009-12-23 21:57:31 | 有事法制関連
 【普天間移設問題をめぐり、藤崎駐米大使が21日にアメリカのクリントン国務長官に呼ばれ、会談したと話しましたが、これについてアメリカ側は、「大使は呼ばれたのではなく、国務省に立ち寄った」と説明しました。】とTBSが伝えている(http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4315547.html)。前の記事「普天間移設で米国務長官が現行案受け入れ要請のため大使を呼んだというが、違うでしょう(^^) 」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/aaa7f69e6792bcbffa520e2e027fb0b9)で指摘したとおり、大使側のやらせだったわけだ。

 TBSは、【21日、藤崎大使は、クリントン国務長官に呼ばれて国務省を訪れた、と述べました。これについて、国務省のクローリー次官補は呼び出しを否定しました。「大使は(クリントン長官に)呼ばれたのではなく、国務省に立ち寄ったのだ」(国務省・クローリー次官補)】、【そして、訪れた理由については、「普天間問題の解決には、さらに時間が必要だ」との日本側の立場を伝えるためだったと説明しました。】と伝えている。米国側が不快に思っていると「宣伝」した米国駐在大使藤崎氏は、嘘をついたわけだ。

 藤崎大使は、重大な問題で日本政府及び日本市民に対し、意図的なミスリードしたのであり、大使を辞めるべきだろう。

 また、各メディアは、自分たちが、明らかなやらせ(地球の反対側のブロガーにも分かるようなレベル)にひっかかったことを反省し、今後、普天間問題について、国益に反するような記事を書かないように注意してもらいたいもんだ!

 少なくとも、ただちに、この真のジャーナリズムを実践したTBSを各社は見習い訂正記事を出すべきだろう。

 それにしても、さすが、報道のTBS、そして、さすが、金平さん(たぶん)だと、感心した。社内的にも報道しにくかったであろうネタを報道したこのニュースは、今年最大のスクープではないだろうか!

【補足】
 前の記事では、国務省と大使との密約説を書いたが、この点については、A:密約はあったが、TBS側の取材でばれそうになり、大使を呼び出していないと発表することとした、B:国務省の役人レベルでは密約があったが、長官や次官レベルは聞いておらず、大使を呼び出していないと発表することとした、C:密約などはそもそもなく、大使側が国務省側に長官の時間があるときに連絡してくれればすぐ会いに行くと事前連絡していただけであり、大使は「いまなら会えるよ」という連絡をもって「呼び出された」と限りになく虚偽に近い発表をした、D:そもそも大使側が単に立ち寄っただけであるにもかかわらず、大使は、「呼び出された」という完全に虚偽の発表をした…という4つのシナリオが考えられます。どのシナリオが正しいかが、今後の取材・報道によって明らかになることを期待したいと思います。

【補足2】
米国側公式発表及びその翻訳
http://alcyone.seesaa.net/article/136397555.html

http://sumichi7878.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-4a75.html

記者団:「昨日クリントン国務長官が藤崎駐米大使を呼び出したそうですが、会議の概要についての資料はありますか」

クローリー「藤崎大使はキャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)とクリントン長官に会いにやってきました(立ち寄ったという意味合いが強い “stopped by”という単語を使っている)。大使は(普天間移設問題に関して)日本の方針決定には時間がかかるということを伝えに来たもので、われわれは現行プランが最善のものだと信じていますが、日本政府との協議を継続していくつもりです」

記者団:「立ち寄った?呼び出されたのではないんですか?」

クローリー:「呼び出されたのではないと思います。藤崎大使がわれわれに会いに来たんです」


QUESTION: Do you have any readout of the Secretary’s meetings yesterday with the Japanese ambassador? I had heard she called him in to talk about Futenma.

MR. CROWLEY: The I think the Japanese ambassador came by to see both Assistant Secretary Kurt Campbell, stopped by to see Secretary Clinton. During the course of the meeting, the ambassador gave us an indication that they needed more time to work through issues related to the basing agreement. We continue to believe that the current plan provides the best way forward, but we’ll continue our discussions with Japan on this issue.

QUESTION: You said that “stopped by.” You wouldn’t describe him as being called in on a --

MR. CROWLEY: All right, let me --

QUESTION: -- day when the government was being closed and --

MR. CROWLEY: He was I think my I mean, he I don’t think he was called in. I think actually he came to see us.



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「グアムに67機+9機を移転するという米国文書原文~普天間+岩国を十分カバー」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0322e2681ac6a7d746c1330e408044a4)

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普天間移設で米国務長官が現行案受け入れ要請のため大使を呼んだというが、違うでしょう(^^)

2009-12-23 09:18:39 | 有事法制関連
 毎日新聞が昨日(2009年12月22日)の夕刊一面で、【クリントン米国務長官は21日、国務省に藤崎一郎駐米大使を急きょ呼び、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関する考えを伝えた。クリントン氏は日米合意計画が望ましいとの米側の立場に変わりがないことを改めて強調し、両国関係に深刻な影響を及ぼさないよう早期の受け入れを促した】という記事を掲載した(http://mainichi.jp/select/world/news/20091222k0000e030014000c.html)。【大使を突然、国務省に呼び出すのは極めて異例。鳩山政権の移設先決定の先延ばし方針について、米側が懸念を持っていることを裏付けたものといえる】(同紙)ということだ。しかし、これはやらせの可能性90%だね。

 国務長官という分単位のスケジュールで動いている人物が、アポもなしに日本の大使(こちらもきわめて多忙)を呼びつけるなんてことがあるはずがない。

 もし、そういう状態での呼び出しを受けたなら、【藤崎大使は会談後、異例の形での会談となったことについて「重く受け止めている」と記者団に語った】(同紙)り、【「日米関係を重視している立場から改めて考えを伝えたいと先方から話があった」と説明した】(同紙)りしないで、まずは、首相に報告するでしょう。

 ところが、首相は、【鳩山由紀夫首相は22日朝、クリントン長官と藤崎大使の会談について「たぶん、『日米関係は大変重要だ』という認識の中で、普天間(問題)に対する基本的な姿勢を示したのではないか」と述べた】(同紙)といっている。【たぶん】ってことは報告がまだってことでしょう(もちろん、鳩山首相が本音を言っているかどうかは不明だが、少なくとも、大使は長官との会見後まもなく、記者団に発表しているようであり、首相に報告する前にリークしたことは間違ないなさそうだ)。

 本当に重大な呼び出しで本当に重要な話があったら、おそらく、大使は仮に国務省に行ったことがばれたとしても、誰と会ったかさえ、ノーコメントで押し通すはずだ。それをしなかったのは、この会談が、辺野古移転を推し進めるために日本側からセッティングされたものだからだろう。

 つまり、(米国一国主義を通してきた外務省の代表たる)大使は、民主党が辺野古移転に躊躇していることを憂い(米国一国主義の先輩後輩の出世などがその憂いの原因だろう。国益よりも省益を、ということだ)、なんとか、従前どおりの植民地外交を継続しようと考え、事前に、国務省の役人に対し、

A:時間があったら大使が長官に会いたい、時間はいかなるときでも都合をつける。

B:会うときは、長官側呼び出した形にしてほしい

と頼んでいたのだろう。

 米国側にすれば、従前どおり、辺野古への移転が可能であれば、今後もそこを拠点として、沖縄の海兵隊訓練施設を利用できるし、空定員でも、一定の定員がいれば、思いやり予算を獲得できるのだから、日本側のオファーを断るはずがない…。

 で、【ワシントンは大雪の影響で21日も政府機関の多くが業務を停止していた】(同紙)ために、国務長官の日程が空いたので、急きょ、かねての約束通り、大使を呼び出した…っていうのが、本当のところだろう。

 そして、大使は、あいまいながらも、米側が怒っているかのようなコメントを発する→メディアは米側に確認をせず、そのコメントに基づいて報道をする→ますます、日本の世論が民主党批判となる→どこかで民主党が折れてくる→外務省はハッピー、米国もハッピー、日本の市民はアンハッピーってことだ。

 よって、本物のジャーナリストであれば、国務省の知り合いの役人にこの間の、猿芝居を告白させて、特ダネとして伝えるべきだろう。

 毎日新聞のように、なんらの分析もしないで、大使のセリフをそのまま大きく伝えるのはばかげている。少なくとも、国務省側のコメントをとれよ!

 あ、そうか、もしかして、毎日新聞記者の発案?NHK記者による神の国発言記者会見対策レジュメっていうのもあったしね(笑)

 ごめん、朝日新聞も同じ日の紙面で一面で「米国務長官不快感示す」という記事を国務長官側への取材なしに、大使の言葉だけで書いている。毎日新聞の発案じゃなく、ワシントン記者団の発案ってことでしょうかね…、マジに。
 

 ちなみに、クローリー国務省次官補は、12月15日の記者会見で、辺野古飛行場に関して日本政府が態度をはっきりさせてないことについて、「日本政府は、もう少し時間がほしいと伝えてきた。われわれは、喜んで待ちますよ」( The Japanese Government has indicated to us that they’d like a little more time to work through these issues and we’re happy to oblige.)と答えている。

 国務省が、本気で、急きょ、大使を呼び出して問いただすなんてありえないってことです…。

 上記記者会見は→http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2009/dec/133596.htm(上から3分の2くらいのところです)

 上記会見の翻訳は→http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51307192.html


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「朝日新聞の米軍基地特集記事はプロパガンダ?~公開質問状、本日発送」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/d2a25bc47e365601dbb9546f4e66e7bc)

「日本の米軍基地維持費負担は世界の80%~みかじめ料を払うのはやめよう!」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/4efdf7f0142dc0f61376a9dedce10eea)

「国会図書館が米兵らに対する裁判権放棄に関する資料を隠した理由~ひき逃げ死亡事故の遺族らに説明してみよ」(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/f3d52bb9d63bafb68956773b7b18be93)




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