tokyo_mirage

東京在住・在勤、40代、男。
孤独に慣れ、馴れ、熟れながらも、まあまあ人生を楽しむの記。

日本のサラリーマンの大半が天変地異を期待している?

2016-02-25 15:34:18 | 雑感
意味を見出せない閉塞感が、自殺を始めとした様々な問題の原因となっています。かつて脚本家の山田太一さんと対談した際、彼は「日本のサラリーマンの大半が天変地異を期待している」と言っていました。もはや自分の力だけでは閉塞感から脱することが出来ない、という無意識の表れでしょう。(養老孟司『バカの壁』)

そうかも知れないなあ、と思う。
サラリーマンでないのにサラリーマンの気持ちを汲み取れてしまうのは、
さすが名脚本家・山田太一だなとも思う。

天変地異で自分が被害を蒙ったり、また、たとえ赤の他人であっても、
誰かが苦しむのは目の当たりにしたくはないけれど、
たとえば、東京という町、特に、無機質なオフィス街や、
見苦しく建物が密集し過ぎている繁華街・住宅街は、
一度壊滅的に破壊されてしまえばいいのに、と思う。
繰り返すが、そこで人の命が奪われる必要はない。
ただ、東京という「機能」と「空間」が決定的なダメージを受けるのだ。

もちろん僕の勤め先も壊れるだろう。ビルが倒壊してすべてがぺしゃんこに押しつぶされる。
当然、業務はできなくなる。
幸い、という言い方は不謹慎だけれど、
僕の仕事はそうした状況下においては「不要不急」のものと見なされるだろうから、
せいぜい自宅で昼寝を決め込むことにする。
(都合のいいことに、我が家は被害を免れる「東京の端っこ」に位置することにする)
テレビなどの放送網、電話・ネットなどの通信網も途絶え、良くも悪くも情報から隔絶される。
それはそれで「ユートピア」と言えるかも知れない。

そして気がつくと、あれほど東京に集まり過ぎていた人間たちが、地方へと拡散していく。
僕自身も、係累を完全に吹っ切れるのなら、どこか新天地へ旅立つことを厭わない。
こうして、衰勢の一途をたどっていた地方が、活気を持ち始める。
東京も「一地方」に過ぎない存在へと縮小しながら、徐々に落ち着きを取り戻していく…。

さすがにこれは、天変地異でもない限り、実現しそうにないよなあ。