行列のお店に並びますか？

行列に並ぶ？…並ばない。

行列、人ごみ、雑踏、ラッシュ、渋滞、パーティー、イベント、祭事、催事、
要するに「人が多すぎる」ことに起因するものは、全部嫌い。
だったら東京などに暮らさなければいいのに…その通りだ。
仕事の心配さえなければ、とっくに東京から脱出している。

「行列のできる店」というのを僕はあまり信用していない。
できたての料理を出す店に行列ができているのはまだわかる。
席数の少ないラーメン店など。
しかし、一度、特にできたてを出すでもないテイクアウトのスイーツ屋に30分くらい並んだことがあって、
これは要するに「商品選びと支払い」だけのために30分も待っているのか？
とつくづくアホらしく感じた。
しかも、行列のちょうど僕の前後にいた人間が実に無神経というかなんというか、
ご近所さん同士だかなんだか知らないが、僕を間に挟んだまま延々とお喋りをやめないので、
煩わしいことこのうえなかった。
「たまには行列に並んでまでして頑張って選んだお土産を持っていこう」
と思いついた自分を悔やんだ。
同行者がいればまだ気が紛れるだろうが（遊園地のアトラクションなどはそうやって待つものだ）
「ひとりで行列に並ぶ」、これはもう「苦行」でしかない。

行列のできる店＝名店、でもないし。
昔住んでいた町にシナモンロールの店「シナボン」がオープンし、
なんだかいつ見ても行列ができているなあ…と思ったが、
すぐにブームも下火になったのだろう、ものの見事に短期間で閉店した。そんなものだ。
行列がその店の実力の指標になっているわけでもなんでもないのだ。
それでも「行列のできる店」をもてはやす人間というのはいるから、
それを逆手にとって、“戦略的に”わざと行列を作らせている店だってきっとあるのだろう。
馬鹿馬鹿しい。

そして何より、行列に並んでいる人たちって、どこか「さもしさ」と「哀れみ」を漂わせているんだよね。
開店前のパチンコ店に並んでる人たちに象徴的なんだけど、
「あなた、ほかにもっと有意義な時間の過ごし方、ないの？」と思えてしまうようなね。