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ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

AceOne専用フレームの・・・完成も近い

2012-04-04 19:58:17 | ガソリンヘリ
AceOne専用のフレームを製作し始めてから・・・些か時間が経過してしまった。

幾つかの開発プロジェクトが同時進行していて・・・なかなか手が付かなかったのである。


以前のブログで・・・AceOne専用フレームの製作中の様子を含め・・・その途中経過は、度々ご報告して来た。




このフレームの特徴は・・・フレームの軽量化や、材質を変更した事による更なる剛性UPと、AceOneの
IMU搭載位置の最適化及びIMU・メインコントローラー・GPSユニット・RXレシーバーのフルフローティング化を
目的として、制御系が長期間安定して、その性能を発揮出来る事を目指して製作されている。





IMUは、シリコン製のダンパーで防振され、メインコントローラーとレシーバーは、柔らかなゴム製ダンパーで
防振されている。

GPSユニットは・・・前作から更に防振性能を向上させて、今回はベースマウントの形状や
防振構造も変更している。


これらの対策で、制御系の防振性がより向上しているモノと思われるが・・・今日現在、実際に
フライトさせた訳ではないので・・・その効果は、定かではない。


おまけに・・・今回は欲張って、新型のバーレス専用ローターのテストも行う事にしている。



写真の白い方のローターが・・・バーレス専用ローターである。グレーの方は・・・現行のリフターである。
今回テストするバーレス専用ローターの材質は・・・FRPである。

現行のリフターは・・・カーボン製であった。

何故・・・バーレス専用ローターは、FRP製なのか?・・・それには、それ相応の理由があるのだが・・・果たして、
思惑通りの性能を発揮出来るか・・・今から楽しみでもある。


しかし・・・肝心の機体の方は・・・現在・・・まだリンケージが済んでいない状態なので・・・
それが終わり次第、フライトテストを開始したいと思っている。


その様子は・・・次回ご報告したいと思う。


使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート7

2012-03-27 00:01:00 | ガソリンヘリ
使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・と題して・・・今回で7回目。

前回・・・次回でこの話題は、おしまい・・・と告知しているので、今回は完結させない訳には
行かない。


しかし、そうは言ったモノの・・・どうやって纏め様か・・・?・・・全くプランが無い。


因って・・・摂り合えず・・・前回のおさらいをする。


前回までに、26ccエンジンのトルクが少し不足している事や、社外のガバナーとマッチングが
取れていない事などを投稿した。


DJIの制御系も・・・最初の頃は色々と、問題を抱えていたのである。


その耐久性にも・・・かなり問題があった。

急に制御が利かなくなって・・・肝を冷やした事もあった。


それらの問題を、暗中模索の中、試行錯誤しながら一つ一つ解く様に解決して、
現在に至っている。


ここで取り上げた話題も・・・その過程を述べたものだが、決して一朝一夕に得られた
情報ではない。



一方・・・社外ガバナーも・・・現在では新型にモデルチェンジしており、分解能が
2倍になって、その性能が向上している。


しかし・・・残念な事に、DJIの現行の制御系であるAceOneでは、ガバナーが
内臓されてしまった。


しかし、この内臓ガバナー・・・応答速度がGV-1レベルなのだ。

この内臓ガバナー・・・GV-1の時に使用した裏技は使えない。


そこで・・・AceOneユーザーで26ccエンジンをお使いの方は、スロットル制御に
不満が有る場合には・・・双葉製の新型のガバナーを使用しても良いだろうと思う。



しかし・・・これらガバナーの応答性に係わる事象は・・・最終的に29ccにエンジンの
排気量を上げた事に因って、現在では解決している。

強風時でもピッチ負けする事が無くなり・・・全て解決したのである。



これは・・・エンジン自体のパワーが向上している事も一因だが・・・主な要因は・・・
排気量が増えた事に起因して・・・トルクが全体的に太くなったからだと・・・勝手に考えている。


しかし、29ccエンジンを使用した場合には・・・このクラスの8:1付近の減速比では
・・・些かローギヤードの感が否めない。


その理由とは?・・・エンジンは・・・何処までも高回転で運転する事は出来ないからだ。



又また・・・車を例に採って話をしたい。

これは・・・ロングロングアゴーの頃の話である。

今は、乗用車の場合・・・オートマチックが圧倒的に多い・・・と、言うか、それしか販売して
いない車種も沢山あるので、オートマしか運転した事がない人も沢山いる事だと思う。


以前は・・・マニュアルミッションが全盛だったが、その・・・マニュアルミッションの話である。

マニュアルミッションは、黎明期の頃多分3速から始まり・・・4速・・・5速と推移して、比較的
馬力の大きいスポーツタイプの車では6速などと言う車も発売されていた。

では・・・このミッションの減速数は・・・はたして何を物語っているのだろうか?

その辺を・・・少し解説してみたい。


全国に高速道路網が整備され、車のスピードが要求される時代となった。

それに伴って・・・車のエンジンの排気量も馬力も向上した。

それまでの・・・3速や4速の車では、エンジンの回転が高くなり過ぎる傾向が顕著になった。


通常・・・4速時のミッションのファイナルの減速比は1:1である。

これは・・・エンジンの回転とタイヤの回転が同じである事を意味している。


馬力の小さなエンジンを搭載した車では・・・エンジンを高回転させてスピードを稼いでいた。


その様な減速比を用いないと、出力が上げられずにスピードが出せなかったのである。


しかし・・・これでは・・・エンジンの耐久性も無ければ・・・燃費も悪い。

その状態は・・・常にレースでもしている様なモノで・・・エンジンも直ぐに壊れかねないのである。


そこで・・・もっと低い回転数で同じスピードを出したい・・・と言う事になったのだろうと思う。

あくまでも・・・これは私の推論で・・・事実と異なるかも知れないのだが・・・多分、間違い無い。


皆さんはオーバードライブと言う・・・言葉をご存知だろうか?

これは・・・何を超えてドライブしているのか?


答は・・・4速ミッションの時よりも・・・より低いエンジン回転で同じスピードを出したいが為に・・・
エンジン回転よりも、タイヤの回転の方が高回転で回る様にする事なのだ。

これは勿論、エンジンの排気量UPに伴って・・・トルクが増えた為に可能になったのだが・・・
オーバードライブ(5速ミッション)を採用する車が多くなって行った。


この様に・・・車の使用用途やエンジンの性能に因って・・・減速比が決まるのである。

実際には・・・エンジンの性格に因って決定する・・・と、言った方が良いだろうか?



ヘリの場合でも・・・これと同様な事が言えるのだと・・・・私は考える。


29ccエンジンに改造した場合、明らかにパワーが上がるが・・・それ以上にトルクが向上する。

純正のギヤ比でこのエンジンを使用した場合には・・・明らかにローギヤードになってしまう。


要は・・・5速のマニュアルミッションの車で・・・3速~4速で高速道路を走っている様なモノ。

それでは・・・ただ無駄に回転が上がってしまう。

流石にそれでは、マズイ事が・・・容易にお判り頂けると思う。

エンジンの回転が上がり過ぎたら・・・早く5速にチェンジする・・・当然の行為である。



そこで・・・エンジンを29ccにした事に因るトルクUPに伴って・・・当然の様に、減速比も
再考する必要が生じたのである。


このクラスの平均的な減速比は・・・どのメーカーでも8:1付近に設定されている。


29ccのエンジンでは、トルクが向上している為に同じ減速比では・・・少々、
エンジンが回り過ぎる傾向にある。



ピッチ調整なども行なうのだが・・・それにも限界があるし、エンジンのトルクバンドも増えている。


そこで・・・ギヤ比の変更を試みた。


弊社では・・・減速比を7.64:1として・・・良好な結果を得ている。


これにより・・・エンジンを無駄な回転域で使用する事が回避出来て・・・エンジンだけで無く、
機体の耐久性も向上した。



この様に、実際に29ccエンジンをを使う場合には・・・喜んでばかりいられない事が多々ある。

実際には・・・カナリ細かな処まで踏み込んで・・・調整を施す必要があると考える。


業務用途で、機体にペイロードを掛けて使用する場合に限って言えば・・・有り余る
エンジンのパワーは百害有って一利無し。

又・・・パワーが有るからと言って・・・無暗にペーロードを掛ける事も・・・また然り。


産業機にその様なパワーで・・・機体に負荷を掛け続ける事は・・・絶対に避けなければ
ならない。


その訳は・・・エンジンの排気量が増えた事で・・・機体の各部に掛かるストレスが確実に
増えるからである。


その結果・・・機体の耐久性に影響を及ぼす事が・・・容易に想像出来るし、
事実・・・その様になるからである。



模型レベルでは・・・好きにやれば良いと思うが・・・業務用で耐久性を考慮すれば・・・NGだ。



従って29ccエンジンを使用した場合には・・・これまで以上に、機体の補強やメンテナンスを
行なう必要があるだろう。




それから・・・最近のAceOneでは、バーレスの設定も可能な事から・・・その機能を
使用している方もいる事だろうと思う。


実は・・・スタビライザーは、機械的ジャイロと言っても過言では無く、我々は長い事
その恩恵に預かって来た。

操縦安定性に・・・多大な効果をもたらして来たのだ。


しかし、最近では少し様子が変化して・・・日本のメーカーからもスタビレス用の制御系が
販売された事もあり、特に3Dの分野では・・・俄かに脚光を浴びている。


では・・・何故3Dの分野で、流行っているのだろう?



それは・・・クイックな舵の切れと・・・パワーUPにあると思われる。



空撮機などに使用する場合は・・・クイックな舵の切れは兎も角、簡単なパワーUPは
魅力的に映る。

操縦系統のリンケージも・・・簡略化できる。

また・・・マルチローターを使った時の様々な効果にも・・・期待できる。


但し・・・操縦性が犠牲にならない・・・と、言う・・・条件付での事だが・・・。


一般的にスタビライザーブレードを取り外す事で・・・20%~25%程度のパワーUPが
見込める。

逆に言えば・・・今迄のスタビ付きのヘットでは・・・舵が入る時や姿勢を修正する時に、
スタビライザーブレードが角付けされる事から・・・構造的なパワー損失があったと言う事だ。

それをパワーに換算すると・・・実に20%~25%程度のパワー損失が有ると言う。


ただ・・・スタビライザーブレードを取り外すだけで、20%~25%ものパワー損失が
無くなると言う事は・・・エンジンに如何こう・・・加工を加えるよりも・・・遥かに効率の良い
チューニングと言えるのでは無いだろうか?


私も・・・昔、制御なしで・・・随分スタビレスを研究した事がある。

その時に、少々疲れてパワーが落ちたエンジン機が有った。

その機体を・・・スタビレスにしてテストした時の話である。

実際に、飛ばしてみると・・・それまで疲れてパワーが落ちていたと思われたエンジンが・・・
実に元気良く飛んだ事を・・・この記事を書きながら思い出した。


弊社では現在・・・AceOne専用フレームを製作中だが・・・そのフレームでスタビレス
(バーレス)を試してみようと思っている。

そこで以前の経験を踏まえ、弊社では・・・敢えてその機体に・・・26ccのエンジンを搭載した。


多分・・・26ccで全く問題は発生しないと考えているからである。


ハイプロのN社長からも・・・バーレスローターのテスト依頼が来ている。

勿論・・・そのローターでテストを行おうと思っているので、良い結果が出たら・・・
また投稿したいと思っている。


ここで重要な事は・・・使用するマテリアルの・・・本質を見分けて、それを適正に取り扱う・・・
と、言う事に尽きる・・・と言う事だ。


例えば・・・レーシングカーは・・・パワーが有るから、運搬に使用しよう・・・などと
考える人はいないと思うし、例えその様な用途に使用してみても・・・使い物にならない事は
明らかである。


要は・・・適材適所。

決して・・・使用用途を・・・間違えてはいけない。



どうか・・・これらの機材を空撮等で使用する場合は、その危険性を十分認識した上で、
安全に運用して欲しいと・・・願うばかりだ。



そして・・・方や操縦技量の向上も非常に重要だ。

決して・・・日々の操縦訓練を疎かにしないで欲しい。


DJIの様な制御装置を搭載した機体を使い続けていると、その操作が熟練者でも緩慢になる。

因って・・・微小な操舵の必要も無い事から・・・その操舵感覚が麻痺して行くモノなのだ。


これが・・・所謂・・・制御打ちと言う操縦方法に・・・自分では気付かない内に、なって行くのである。


マニュアルでの飛行や、少なくてもオートローテーション位は、安全に行なえる様にしたいと思う。


その様な日々の研鑽こそが・・・緊急時に役に立つ。



産業機を取り扱う上での、注意すべき点や、その危険性に付いて・・・これまで述べて来たのだが、
ここに書き込んだ事が・・・このブログを御覧頂いている方の、これからの活動に於いての
ヒントや一助になる事を願って止まない。



今回で・・・この話題に付いては・・・一先ず、お開きとしたい。

又・・・この投稿について・・・何か、ご意見を頂ければ幸いです。



では・・・また。






使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート6

2012-03-26 00:01:00 | ガソリンヘリ
使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・と、題して・・・今回はその6回目。

前回までの投稿で・・・制御系が、人間が操縦する場合よりも、遥かに早く・大きく、勝手に機体を
操舵している事を書いた。


因って・・・強風時など、場合に因っては・・・その操作に、エンジン性能が追いついて行かない
のだ・・・と言う事もお伝えした。


その場合は・・・一体どうなるのか?と言うと、急激にエンジンの出力が低下する事になる。

その時は・・・決まって、制御系が瞬間的な高度低下を防ぐ為に、瞬間的にピッチ制御を
これまた、極端に行っているのである。


それにエンジンが同調してパワーが出せれば良いのだが・・・現実は・・・そうならない。



これが・・・オーバーヒートと混同(勘違い)されている所以である。

実際は、オーバーヒートでも何でも無い・・・ただ、パワーバンドから外れただけの事なのだが・・・



但し、実際にこの事は・・・かなり重大な事で・・・弊社では、その対応策に頭を悩ませたのである。



制御系は、機体の姿勢を維持する為に、僅かな姿勢変化や位置のズレを素早く、大きく修正する。

そうしないと・・・その姿勢を維持したり、その場に留まっていられないからだ。


だが・・・その時に、強風下に於いて、エンジンが指令通りに・・・言う事を聞かない事も有るのだ。



これでは・・・流石にマズイ。

何とか・・・この状態を改善しなければならなかった。



それが・・・弊社がDJIのXPを、早期に実戦投入しなかった・・・最たる理由である。
この状態では・・・自信を持ってフライトさせる事など出来ない・・・との、判断だった。



これは・・・DJI黎明期にテスト販売?された・・・XPを搭載した時の話で・・・かれこれ?
何年か前の事である。

因って・・・弊社では、その対応策の一環として・・・その頃から29ccエンジンを
テストしていたのである。



現在販売されているAceOneでは、ガバナーも内臓されているが・・・当時のXPには、
その装備が無く、双葉製のGV-1を流用して、ピッチ制御に伴いエンジンが同調して
制御される様にしていたのである。


通常は・・・10mを超える強風下でラジヘリを飛ばそう・・・などと、考えるマニアなど
いないと思うのだが・・・業務で撮影を行う場合には、様々な制約から作業を行わざるを
得ない場合が多々ある。


そんな時には、作業リスクを検証し、安全を確保した上で、撮影作業を行うのではあるが・・・
出来れば・・・作業をシタクナイと、言うのが・・・本音である。

しかし、そんな状況下でも安全に作業を行なわなければならないので、せめて機体位は
完璧を目指したいと考えるし・・・不完全な機体を使用して作業を行うべきでは無いと考える。



そんな思いを内に秘め・・・色々な状況下で精力的にテストを行った中で・・・判った事とは・・・



エンジンを観察する内に・・どうも?・・・もしかしたら・・・ガバナーの制御スピードが、
DJIの制御スピードに追い付いていないのではないか?・・・・・と思う様になった。



そこで試しに、裏技を使って・・・ガバナーの制御スピードを上げてみた。



結果は・・・大成功だった。

だが・・・それにも限界があって・・・まだ・・・私の中では、完璧では無かったのである。


この・・・強風下に於いて、風に叩かれて、高度を急激に失う様な時に発生する
パワーダウンは・・・他の空撮業者の間でも、悩みの種だった。


そこで気の毒に思って・・・仲の良い空撮会社の社長に、その方法を教えたら・・・多分・・・
そこから・・・瞬く前に、全国へ伝播して行った。


それ以後・・・エンジンがオーバーヒート???する様な事は無くなった様で・・・
その様な話を聞く事は・・・無くなったのである。



まあ・・・そんな事でも、空撮業者の皆さんに安全に使用して頂けるのなら・・・幸いである。



この事は、電動機に使用した場合には、特段問題にならなかった事を付け加えて於く。



いよいよ・・・次回は、この話題の最終章としたい。

乞うご期待。








使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート5

2012-03-25 00:01:00 | ガソリンヘリ
使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・とか言いながら、
長々と今回は・・・その5回目。


何か回を重ねるにつれ・・・些か話のピントがズレつつ有る様な気がしないでは無いが・・・
例に因って、今回も・・・気ままに投稿する事とする。




26ccのガソリンエンジンを使用した時・・・手動で操縦した時にはエンジンに掛かる
負担が少ない?・・・とは・・・どう言う事なのだろうか?


又・・・同じ機体でも、DJIの様な制御系を搭載した場合には、エンジンへの負荷が増える?
とは・・・一体、どう言う事なのだろうか?



この課題に付いて、様々な考察を行なって来たが、この話も・・・いよいよ大詰めを
向かえつつある。

因って・・・ここで少し整理の意味で・・・エンジンの負荷がどうのこうの言う前に・・・
制御系の違いに付いて・・・現状把握を行なっておく事としたい。



先ず・・・完全手動制御(通常のラジコン操縦)の場合は・・・操縦者のレベルに完全に
依存している事から・・・練度が低い操縦者ほど・・・位置精度はファジーである
(適切に同時に複数の舵を操縦出来ないので、操作が分散していてタイミングがズレている)。


エンジンに掛かる負荷は・・・と、言うと・・・初心者の場合は、操舵が分散しているし、
熟練者の場合でも・・・複合操作を行なうのだが、操舵量が適正で少ない為に・・・エンジンに
掛かる負担も、それ程では無いと考える。


DJIの様な制御系を機体に搭載した場合では・・・如何なのだろうか?


その制御装置が正常に機能している場合に於いて、尚且つ、ホバーリング時に限って言えば・・・
操縦者のレベルに因って・・ヘリの位置精度に違いが出る様な事は、それ程無いのである。


この話の理由は・・・GPSや様々なセンサーの情報を集約して、機体にフィードバックする事で、
機体を自動で制御しているからに、他ならないからであるのだが・・・。

従って、その間・・・操縦者は機体をコントロールする必要が無いので、その差が出ないのある。

勿論・・・機体を移動させる場合は、操縦者がコントロールするので、操縦者の技量次第で・・・
コントロール精度には・・・当然・・・隔たりがある。


制御系を搭載した機体では・・・肝心なエンジンへの負荷は・・・どの様になっているのだろうか?


ここで言える事は・・・エンジンが追従出来ようが出来まいが、それとは関係なく・・・
制御系が、舵を入れてしまう・・・と、言う事なのだ。


要は・・・エンジンがどの様な状態に有るのかを・・・一切鑑みずに、制御系が操舵をしてしまう。


それでも・・・手動で有ろうが、自動で有ろうが・・・良好な気象条件の下でホバーリングを
行なっている時は、エンジンに掛かる負担はそれ程では無いと思うので・・・問題は無い。



処が・・・強風下でのフライトで・・・問題が発生する事がある。


この事は・・・取りも直さず、操縦者はコントロールを行なっていない時でも・・・制御系が、
各センサーからのフィードバックを受け・・・勝手に機体を制御し、安定させようとしているからに
他ならない。


DJIの今の段階では・・・自動制御で飛行している限り・・・防ぎ様が無いのである。

エンジンの状態が、制御系にフィードバック出来れば良いのだが・・・今は・・・出来ない。



こんな時は・・・手動に切り替えれば、回避出来るのだが・・・初心者の場合は、エンジンの音だけで
適切な処置を施せないので、回避する事も出来ないだろう。




機体に制御系が搭載されている機体で有って・・・正常に全てが機能している場合は、熟練者であろうが
初心者であろうが・・・機体の安定性に大差は無いのだが・・・。


だからと言って・・・初心者が、この手の制御系を安易に使用しないで頂きたい。

上記の様に、何か機体に異変が生じた時は・・・当然、手動に切り替えて操縦する必要が有る為だが・・・
繰り返しになるが・・・経験の違いで、その事に対応出来ないからだ。


制御系が、勝手に機体を安定させている時でも・・・機体を操縦しない分、熟練者ほど
機体の変化に神経を尖らせていて、何か異変が生じた時には・・・直ぐに対処出来る用意を
常にしているモノなのだ。


方や初心者の場合は・・・只、機体が安定しているからと言って・・・無防備に傍観している事が多い。


この違いが・・・安全へのマージンになっている。


この様な場合・・・特に初心者は、異変が生じた事すら判らずに・・・事態を悪化させ、
結果・・・事故に発展する事が珍しくないからだ。


模型で使用している場合は・・・それでも問題無い?と思われるが・・・そんな状態で、
業務を行なう事は・・・NGである。



又・・・意識の違いが有ると思うのだが、中には・・・ホバーリングしている機体に背を向けて・・・
ピースなどと、安全を無視した様な事例も見受けられる。


例え熟練者でも・・・制御慣れしていない人が、ラジヘリが自動で・・・勝手に飛んでいるのを見て、
嬉しくなって舞い上がる気持ちも、判らないでも無いが・・・非常に危険である。


因って、この行為・・・安全に対する知識の欠如が著しい・・・能天気にも程があると、私は考えるし、
この様な暴挙が・・・初心者に勘違いを与えている側面も否めないので・・・特に、熟練者の皆さんは
謹んで頂きたいと思う。


兎角・・・初心者ほど・・・ベテランのやっている事を真似するモノである。

そこには・・・良いか?悪いか?危険か?そうではないか?・・・の、判断は無い。



以上の理由から・・・初心者(制御初心者も含む)の方は・・・これらの装置を
安易に業務用として、導入しない様に御願いしたい。


もし・・・どうしても導入せざるを得ない時は・・・機体や装置の基本的な取り扱いも含め、
運用上の安全指導が、チャント行なえる代理店を選択して購入して欲しいと思う。


DJIは・・・複雑な制御である。

因って・・・取り扱いや設定を誤ると・・・取り返しのつかない事態に発展する可能性もあるからだ。




少し脱線したので・・・話を元に戻す。



先ほど・・・制御系を搭載した機体と、そうでない機体の制御の違いに付いて、ザット考えて見た。



又・・・風の無い穏やかな気象状況下では・・・熟練した操縦者が行なう至近距離での
ホバーリングは、手動でも自動でも・・・その安定性に大きな違いは無い事も解説した。

その状況下に於いて・・・制御系を搭載した機体でも、そうでない機体でも、エンジンに
掛かる負荷も大差はない事も説明した。



処が・・・強風下では状況が一変し、その違いが顕著となる。


その辺を・・・少し掘り下げて見たい。



特に・・・掘り下げて考えて見たい事は・・・ピッチ制御に付いてである。



DJIの高度制御は、気圧センサーとGPSの各データから、ハイブリットでコントロールされる。


当然・・・自動で高度制御が行われるので・・・操縦者が知らない間に、勝手に
ピッチが上下している事になる。

その時、同時にエンジン回転も、ガバナーでピッチ制御に同調して、自動でコントロールされる。



この事は、穏やかな風の時は問題にならないのだが・・・例えば、風速が10mと言う様な状況の
下で飛行させた場合には・・・大きな問題となる。



この時・・・エンジンの状態如何に係わらず・・・ピッチが高度変化を抑制する為に、強制的に
制御されてしまうのだ。


その様にしないと・・・高度制御など出来ないのだが・・・その制御にエンジンがついて行かない。



要は・・・ガソリンエンジンの、制御レスポンスが遅いのである。


5m位までの風速であれば・・・26ccでも然程問題となる様な事は無いのだが・・・
これが10mを超える様な強風下では・・・26ccでは・・・もはや、どうにもならない。



26ccエンジンでは・・・この様な場合に於いて、トルクバンドから、いとも簡単に
外れてしまうのである。



結果・・・エンジンの回転が・・・急激に落ち込む。



知人の空撮業者などは・・・この状態をオーバーヒートだと言うのだが・・・そうではない。

只・・・ピッチ制御がエンジンのキャパを越えたに過ぎないのだ。



この現象は、テール用の制御を司る、ヘディングロックジャイロの制御と・・・良く似ている。


ヘディングロックジャイロ以前のノーマルジャイロでは、風見効果がキャンセルされる事無く、
風が強い時には風上に、高速飛行時に於いては進行方向へ、その機首を勝手に向けた。


これは・・・スタント飛行を行なう上で、大変都合が良かった。

因って・・・エンジンに特別な負荷は・・・掛からなかったのである。


処が・・・ヘディングロックジャイロでは、風の向きや、機体の進行方向に係わらず、
機首の方向を、現状のまま継続して維持し続ける。


しかし、これは・・・あくまでもジャイロがその様に制御しているだけなので・・・場合に因っては
・・・実際にヘリの姿勢(機首の方向)が、必ずその様になるとは・・・限らない。


それは、どういう事か?と言うと・・・例えば、機首を右に向ける様にジャイロがラダーサーボに
指令を出した時に、エンジンに掛かる負荷が増えるのが・・・その性能を上回ってしまった場合には
・・・急激にエンジンは、その回転を失ってしまう。


そのままの状態を維持すると・・・当然・・・パワーが抜けて墜落に至る。


特にこの現象は・・・高速で左に機体を滑らせて、高速でサイドループを行なったりすると発生した。


これは・・・エンジンの運転状態に関係なく・・・ジャイロがラダーを右に操舵するからだ。


その様な場合には・・・エンジン回転をピックアップして、ラダーの操舵量を勘案する様な
システムが有れば、エンジンのパワーが抜ける様な事は防げると思うのだが・・・しかし、それでは
機首の方向を維持する事は・・・出来ない。


そうでなくても・・・高速で直進させる場合に機首が進行方向からズレている場合は・・・
エンジン出力が喰われている。

そんな時は・・・ラダーを操作して、機首の方向を進行方向に揃える必要がある。

そうでないと・・・機速が乗らないばかりでは無く・・・そのままループなどを行なってみても・・・
可笑しな事になる事は・・・周知の事実である。



もっとも・・・最近のハイパワーグローエンジンでは、その様な現象も少ないとは思うのだが・・・。



DJIの様な、制御系を搭載した機体でも・・・強風下に於いて・・・・これと同様の事態が
・・・ピッチ制御に起因して発生する。


その具体的な現象とは・・・次回をお楽しみに。














使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート2

2012-03-22 00:01:00 | ガソリンヘリ
弊社で通常使用している空撮機は・・・自社開発した40ccクラスの機体である。

この機体も・・・独自の理論で完成させ、そのシリーズは開発以来10数年以上も
無事故を貫いて、現在も現役で活躍している。

今回の29ccのエンジンを搭載する時にも・・・その時の理論や経験が生きている。


勘違いされると困ってしまうので、予め・・・ここでお断りしておく。


これまで・・・模型機の機体強度に付いてや、模型機を産業用にコンバートする場合の注意点に
付いて話しをして来たのだが・・・何も模型機を産業用に使用する為の指南をしている訳でも、
模型機をその様な用途に使用する事を推奨している訳でも無い。

それらを安易に産業用として使用する事の危うさや、そう簡単に産業用途に使用出来る
レベルまで、模型機の性能や耐久性を押し上げる事など出来ない事を解って欲しいからである。


その上で今回は、何故29ccなどと言うエンジンを搭載する事になったのか?
その理由に付いて述べたいと思う。

昨日の投稿でも・・・ノーマルの機体に29ccのエンジンは全く必要無い事を説明した。

全く必要無いどころか・・・弊害ばかりが浮かび上がって、扱い難い機体になってしまうのである。


具体的に、それはどう言う事か?と、言えば・・・少し大袈裟だが軽自動車に2000ccの
エンジンを搭載した様なモノだ・・・と、言えば・・・大体察しが付くだろう。


勿論、ヘリに・・・では無い。車に例えて・・・話をしている。


先ず、大きなエンジンを搭載した事で・・・車の重心が狂ってしまう。


マスの集中化を図る事で、コーナーリング性能が向上する事は周知の事実なのだが・・・
大きなエンジンを搭載した事で・・・マスの集中化どころではなくなってしまう。

ドラックスターの様な・・・ただ真っ直ぐ走るだけの車なら良いのだが・・・峠やサーキットを
早く走る事など・・・夢のまた夢。


タイヤもノーマルのままでは・・・恐らく真っ直ぐ走る事も難しくなり、スーパーへ
買い物にさえ行く事も儘ならないだろう。

折角・・・早い車を求めて大きなエンジンを搭載したのに・・・もし・・・そんな車が
実在するとすれば・・・おそらく酷く扱い難い車になってしまう筈だ。


車に例えて・・・少し大袈裟な話をしたが・・・ノーマルの26ccクラスの機体に、
安易に29ccのエンジンなど搭載すれば・・・同じ様な事が発生する。


例えば・・・メインギヤ等のパーツの強度が保てなくなる。

それから・・・当然エンジンのパワーが出てしまうので・・・ホバーリング時などでは
メインローターの回転数が高くなり過ぎる。

従って・・・それを改善する為には・・・キャブの開度を絞って出力を下げる事になる。

キャブを絞れば・・・その開度が足りなくなる。

結果・・・エンジンは・・・トルクバンドから外れて回転する事になる。

そうなると・・・エンジンが安定して回る事など出来ない。


この状態に於いて・・・稀にエアーファンネルなどの付加物をキャブレターに取り付けて、
ホバーリング時のエンジンの状態を改善させようとする人もいるようだが・・・

私には、どの様な理論でその様な行為に走るのか?全く理解が出来ない。

そんな事をして見ても・・・何の解決にもならないのである。


そもそもエアーファンネルは・・・2サイクルエンジンに取り付けてみても・・・殆ど効果が
得られ無い事が理論的にも実証されている。

因って・・・2サイクルのロードレーサー(極限までパワーを絞り出した、レース用のバイク)
などにも取り付けられて来なかった。


エアーファンネルは、元々4サイクルに取り付けてこそ効果を発揮するモノで・・・
2サイクルエンジンでは、その燃焼サイクルが早過ぎて・・・理論的にも意味を成さないのである。

そもそも・・・エアーファンネルとは・・・高回転域に於いて、キャブへの流入空気の脈動を
調整する為に、用いられるモノなのだ。



但し・・・模型の飛行機などでは・・・稀に使用される事がある。

その訳とは・・・エンジンナセルの形状に因って、空気が整流される為、アクロなどを
行なった時に、マニューバに因っては、その形状から・・・キャブの吸入口付近の空気が
負圧となって、キャブに空気が入り難くなる事がある。

その為、一時的にエンジンがリッチになってしまい・・・エンジンが息を付いたり、
回転が急激に下がる事がある。


それを改善する為に・・・エアーファンネルを取り付ける事があるのだが・・・それは製流域や
乱流の外側(外れたところ)から、確実にキャブレターに空気を取り入れるだけの目的で使用され
・・・決してエンジンの回転ムラを改善させたり、それによりパワーアップを図る為では無い。


その為・・・メーカーに因っては・・・ただの筒の様な形状をしたモノまで有る程だ。


何だかんだと、言いながら、色々書いたが・・・無駄にパワーを上げても・・・ろくな事は無い。

それでも・・・弊社では29ccのエンジンを使用している。

29ccのエンジンを使用しなければならない訳とは・・・。

次回に・・・続く。