Poncoの ぴろ~・ぶっく 

枕元においたノートに
日々の生活で感じたことを
好き勝手に綴りたい・・・・。

祖母好みの着物

2011年07月19日 | Weblog
母から着物を送ってもらった中に
鼠がかった紫の色無地があった。
みたことがない着物だ。
母が着ていた記憶がない。
 
母に聞くと、「おばあちゃんのじゃないかな」という。
父の母で、同居していたハツエおばあちゃんのものかもしれないという。
着物をみているうちに
「絶対にそうだ!」と感じた。
地模様があって、色といい柄といい
おばあちゃんがきていそうだった。
ハツエ好み。
たぶん、50年以上前にあつらえたもの。
色あせ以外は、全然いたんでいない。
 
その人の「好み」であるというのは
身近にいて、よくしっていないとわからないものだ。
そして、その人を深く感じるものだ。
夏の暑いとき以外、着物をきていたおばちゃん。
時代もあるが、着物がよく似合っていたおばあちゃん。
趣味がよかった、と今になって思う。
 
その着物を私は、どうしても着たいと思った。
 
それで、いろいろと調べて、染め替えと仕立てを
してくれるお店を探した。
そして、とりにきてもらって、色を決めたのが5月のこと。
あれから、なにもいってこないなあ・・。
とおもったら、先週、できあがったので、反物になったものをもってきてくれた。
思ったより、地味。
しかし、染め替えなので、もとの色より、濃くしないといけない。
身幅が広くなった私に合わせて、仕立てなおしてもらうことが希望。
一つ紋をいれて、幅ひろく使えるものにしたいこと。
紋は、関西人なので、女紋。実家の紋を縫い紋にしてもらった。
この色でこの形態なら、慶弔、お茶会など使えるのだ。
 
そして、身丈やら、袖丈を昔からもっている着物にあわせて
測ってもらっていたが、「襦袢は?」というので
もう、小さくて絶対に着られないから娘に譲ろうとおもっていた
つけ下げにあわせた襦袢を出したところ
「これはいけません!胴裏が、こんな色に」といわれた。
絹の同裏は、見事に変色している。
私にしたら、別にいいのだが、襦袢も仕立て直しができる、という。
今、絹物の襦袢をもっていない。
安い化繊の襦袢でしのいでいる。
もう、自分で、仕立てることも考えていなかった。
しかし、仕立て直すと、小紋も、つけ下げも色無地も
すべて、使えるというので
おもいきって、作り直すことにした。
 
染物やさんがかえったあと、「私って、NOっていえないお客脳?
おばかさんだろうか・・。」とちょっとへこんでしまった。
あっというまに、予算をオーバーしたからだ。
 
電話がかかってきた妹にいうと
「あら、私なんて、ミュージカルやコンサートにいくから
あっというまにそれくらい使うよ~。
私は、着物にお金をかけないけど、なににお金をかけるかは
それぞれちがう?」というし
その場にいた娘も
「あれだと、形に残るからいいんじゃない」といってくれた。
 
仕立てあがってきたら、絶対にきたい、
とおもうが、はたして、柔らか物の着物を着る機会があるだろうか?
 
目標は、慶弔に使える色無地を慶事にきること。
この数年で、弔事がたくさんあったから
これからは慶事がたくさんあってほしいがために、染め替えたのだ。
出来上がりは、冬まえの予定。
(悠長だが、仕方ない、予定もないし)
 
****
 
さて、着物一着で、このように、手間もお金もかかってしまう。
誰かがなくなると、たんすごと、リサイクルショップに処分を
依頼する、というのも、うなずける。
日本の着物文化、危うし・・。
 
私は、25年ぶりに小紋の袖を通したら
見事に、ぱっつんぱっつんになって
完全に娘向きになっていた。
残念、残念・・・・・・・。