昼飯は事前に購入した711のスパムむすび。
これ、今回の初ハワイで気づいたんだけど、どこの店よりも
711のがうまい!
米がどうのこうの言うレベルじゃないけど、沖縄のそれもいいけど、
ハワイもいいじゃないですかね。
水をガブ飲みし、少しばかりのんびりとオアフの山々を眺めながら食す。
「あ~やっぱ雲が出てきたなぁ」
このフラットで山から雲が出れば、いくら時合いでもアウトな状況。
とにかく水面に雲が移ると魚が見えない。
ブラインドが余儀なくなせるけども、この時点で正直今回はこれまでかな、と
感じていた。
が、しかし最後まで諦めないのが自分の信条なので、Larsにブライド用の
フライを求めた。
「同じブラインドなら、リアクションもあるだろうから派手目を付けて!」
こうなれば何でもありのリクエストだけども、リアクションでも食ってくれ!
という本願だった。
幾つかのチャンネルを叩くが潮が動いていない。
魚っ気がまるでない。
キャストに力が入らなくなる。
悪循環だ。
ここで流れを変えようと、Larsにこの釣りのキャストを教えてくれと
頼んでみた。
Larsは嫌な顔もせず、ロッドを持ちキャストを始めた。
「この竿はいいアクションだと思うよ。力を入れる瞬間が非常に
判りやすいから、ポイントを掴めば簡単にキャストできる」
TFOは固めと言われるんだよね。
柔らかめを使っている自分にはちょっと難しい竿だと思っていた。
でも、Larsの「バックキャストを正確に、フィニッシュは力は要らない」
の言葉を胸にキャスト練習・・・。
でも、アドバイスを素直に聞くと面白いようにループは力強く延びて、
飛んでいく。気持ちいいっ!
そんな時間を過すと、Larsには盛んに電話が入る。
またもガールフレンドかららしい。
「Lars、ガールフレンドは随分君にお熱なんだな」
「いや、アラモアナでネイルアーティストとして働いているから、
暇なんだよ(苦笑)」
「NYに彼女には連れていくんだろ?」
「・・・ついて来てくれると言うんだけどね」
「結婚するんじゃないのかい?」
「たぶんね」
若い男子というのは日本もアメリカもスウェーデンも関係ないな。
自信もあるが、不安もたくさんな年頃だ。
仕事も忙しいんだけど、がんばっているんだけど、
それは女の子にはうまく伝わらない時があるんだ。
それ以上Larsには何も言えなかった。
たぶん、彼女はLarsのある意味成功のためにNYについて行くのだと思う。
それがハッピーエンドかどうかなんて誰にも判らない。
でも、それが人生だから。
人生がそんな感じで続くから。
時はそんな感じで自分から切り出した。
「OK。帰りに店(NervousWater)にも寄りたいから上がろうぜ」
「もういいのかい?」
「今日は状況的に雲も出てきたし、潮も分が悪いよ。
また来て挑戦することにしたよ」
「判った。じゃカヌーに戻ろう」
行きとは比べ物にならない力でカヌーを漕いだ。
決して力なく漕いだのでなく、むしろ慣れもあってか力強く漕いで、
波が出ていたけど、すぐにハーバーに着いた。
片付けを済まし、店に向かった。
道は渋滞していたけども、話を続けながらだったのですぐに着いてしまった
気がした。
店には店主のSeanに挨拶し、ガイド代金を支払う。
$295は、最初「高いなぁ」と思ったけでも、今はそう思わない。
何よりこの釣りはガイドが環境を守っているし、無意味な拡張をしない。
出来ないのかもしれないけど、とにかくロコのマインドを大切にしている。
このオアフから5時間のフライトと、連続8日の休暇があれば、
クリスマス島がある。余裕が出来れば、自分も行ってみたい聖地だ。
ベリーズやら、メキシコやら、キューバやら良い話はたくさん聞ける。
だけども、このオアフのボーンも悪くない。
アベレージの大きさもさることながら、完璧じゃないけどもこのロケーション
は、普段東京湾で釣りをする自分には理解出来る心地よさだ。
このままガイドシステムは無くなって欲しくはない。
次に来るときにはまた、ガイドを予約し、ツアーが決まらない自分が目に
浮かぶ。
店を出る前に、友人のお土産にロコフライを購入した。
非常に「らしい」フライをチョイス。日本じゃかなり使い道が限定されそう。
Larsの車でダウンタウンに向かい、ホテルまで送ってもらう。
ここでおせっかいながらLarsに一言。
「なぁLars、判っていると思うけど、結婚ってそんなに悪くないぜ」
「判っているつもりなんだけど、まだこれから何があるか判らないからな・・・」
そこで何度も彼女から電話が鳴り、Larsが出るを繰り返す。
電波状態が悪い地域らしい。
「おい、結構大変な彼女だな(笑)」
「She's really spooky!(彼女こそが気まぐれなんだ)」
二人でクスクス笑った。
ホテルの前に車を付けてくれて、荷物を降ろした。
「Lars、獲物は無かったけどもとても楽しかったよ。有難う」
「こちらこそ」
「君が居ないのは寂しいが、また来ると思う」
「たぶんここには居ないけど、また来てくれよ」
「OK。下らない約束だが、また会おうぜ」
「OK。世界中のどこかの海か、川で会おう。約束するよ」
何か良い台詞じゃないか。
See somewhere in the world.some sea,some river・・・
ハワイの釣りは終わった。
あまり実の無いような感じも受けるかもしれないが、
自分では十分すぎる釣りになった。
簡単な釣りは、すぐに答えが出てしまう。
この釣りは、ある人には簡単なのかもしれないが、
自分はまだ攻略出来ていない釣りだ。
だから、機会があればまたここに来ると思う。
-つづく-