車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

倭文(しとり)神社~Ⅰ~ in 鳥取県湯梨浜町

2017年05月17日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・鳥取県

湯梨浜町宮内・御冠山の西側中腹に鎮座される式内社「伯耆国一宮・倭文(しとり)神社」

御祭神は『建葉槌命(たけはつちのみこと)』。別名「天羽雷命(あめのはづちのみこと)また、倭文(しず)神」とも呼ばれます。『下照姫命(したてるひめのみこと)、建御名方命、天稚彦命(あまのわかひこのみこと)、事代主命、少彦名命、味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)』を配祀。

神社由緒に「創立年代は不詳であるが、社伝によれば『大国主命』の娘『下照姫命』が海路御着船され、従者と共に現社地に住居を定め安産指導、農業振興に尽力されたことから、当神社は安産の神様として県外からも信仰を集め、「一ノ宮さん」と呼ばれ親しまれている。戦国時代に荒廃したが、天文二三年(1554)尼子春久により社殿を造営。後、神領中絶したが、元亀元年(1570)羽衣石城主南条宗勝これを復旧。徳川時代は池田藩主の祈願所となり、明治以降は県社であったが、昭和14年に国幣小社となった。」

鳥居正面に隋神門

随神門の内より神域を守護されるのは、彩色の施された随神様。長い年月の流れが高い身分を示す束帯の色を静かに奪っていくように見えます。

由緒に天文23年(1554)の建築とある社殿。その一つである随神門には実に精緻で見応えのある彫刻が施されています。まずは屋根下の「双龍」、共に宝珠をめぐって睨み合っています。

こちらの一対は、『天照大御神』の神使「鶏」を表しているのではないかと思われます。とは言え、あくまでも「そうではないかと思う」程度なので、さらっと流してください(^^;)

随神門内側の木鼻から、身を乗り出すようにして興味深げに参拝者を見守る阿吽の「獅子」。可愛いのだか恐いのだか、判断に苦しむ顔ですが(笑)、個人的には結構気に入っています。

随神門外側の木鼻には、何でもかんでも愉快でたまらない・・と言った表情の「獏」の一対。「獏」と「像」、よく混同されがちですが、短い鼻で牙があり毛がカールしているのが獏の特徴。

でもどちらも同じように見えてしまうという方には・・耳の穴が見えているのが「獏」。と言うことで、これは間違いなく「獏」と断定しても大丈夫!・・多分(笑)

見返りの獅子と追いすがる獅子の一対は、随神門の内側の天井近くに彫刻されていたもの。

神社彫刻では、どうしても神獣にばかり目がいってしまいますが、花の彫刻も美しいものです。

随身門をくぐりまっすぐ参道の先に拝殿。二度の参拝となった「倭文神社」ですが、2012年当時は早朝過ぎて拝殿の扉は閉ざされたまま。この時は、撮影機材を抱えた「日本海テレビ」の関係者が拝殿の裏手に消えるのを、所在なく見送ったものです(笑)

2016年は、折悪しく鳥取地震のただ中でしたが、拝殿の内から参拝をさせていただきました。あの時は、慌しい中にも関わらず御朱印も書いていただき、本当に有難うございました。

拝殿玉垣前より神域を守護されるのは、文政2年(1819)生まれの出雲構え狛犬さん一対。細く引き締まった足を踏ん張り、天を衝くほどにまっすぐ伸びた尾の何とも見事な事。

文化15年(1818)再建のご本殿。2012年の参拝では、妻下や唐破風に施された彫刻に時を忘れて見入っていました。

妻下:笈形(おいがた)の彫刻は満開の牡丹。

破風の下を埋め尽くすほどの彫刻は、遠目からでもため息が漏れそうな繊細さ。

本殿唐破風の木鼻から、下界を見下ろしている「獅子」、阿吽の表情が違いすぎて笑えました。

位置的なものなのか、それとも本当に意図しているのか、阿形さんの顔って悪魔っぽい(笑)

本殿の屋根下にある木鼻は「像と鶏」。「鶏」に関しては鳳凰の説もあるのですが、どうでしょう?鳳凰ならもう少し頭の部分に装飾があっても良いと思うのですが・・単に簡素化しただけなのかも・・

最後の彫刻は本殿唐破風のこの部分、全体を埋め尽くした「龍」と一緒にいた謎の「神仙」。

「龍」の凝視なぞ物ともせず、「よく見つけたね」と言わんばかりに軽く手を上げてくれるその笑顔に釣られて、笑顔で答える御亭主殿。その感性・・とっても好きです(〃∇〃)

参拝日:2012年4月19日&2016年10月21日

------------------------00----------------------

御神名一口メモ

『建葉槌命(たけはつちのみこと)』=「天羽雷命(あめのはづちのみこと)」「倭文(しず)神」とも呼ばれる。天照大神を天の岩戸から誘い出すために、文布(あや)を織ったとされる。文布は倭文布とも倭文とも書き、「シドリ」また「シヅリ」という織物。機織りの祖神。倭文(しどり)氏の遠祖。

『味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)』古事記では『迦毛大御神(かものおおみかみ)』とも呼ばれる。「大国主神」と宗像三女神「多紀理毘売命」の子。鋤を神格化した農耕神。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ご当地マンホール in 鳥取県... | トップ | 倭文(しとり)神社~Ⅱ~ in ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

神社仏閣・名所・観光・鳥取県」カテゴリの最新記事