車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

八坂神社と波の伊八 in 千葉県睦沢町

2019年06月19日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・千葉県

睦沢町上市場、中心部に程近い県道沿いに鎮座される「八坂神社」。御祭神は『素盞鳴尊』

【天文3年(1534)の創建と伝えられる。現在の社殿は、弘化4年(1847)に東浪見村の宮大工長谷川五郎右衛門により造営が始まり、嘉永2年(1849)に完成した。】境内案内より

拝殿は、正面に千鳥破風、向背正面に軒唐破風を持つ権現作り、各所に見事な装飾が施されています。

向拝上部の唐破風には、上市場村の領主であった『脇坂氏』の「輪違い紋」。 御神紋ではなく、当時の領主の家紋がつけられているケースは、珍しいかもしれません。

拝殿向拝には『三代目・武志伊八郎信密』が彫った「波の龍」。 この神社に参拝した目的、八幡様には申し訳ないですが「伊八の彫刻」が目当てでした。罰当たりでごめんなさい🙏。

裏面には「房州長狭郡打墨(うつみ)住 武志伊八郎信密 作之」の刻。興奮しすぎて😅、離れた位置に立ち、下から見上げるように全体を写すという初歩的な技法に思いが至らず、画像は分割。

宮彫師の銘はありませんが、木鼻の唐獅子・獏の彫刻も中々の迫力で、龍に負けていません。 左の木鼻の唐獅子・・・と伊八の龍の爪(笑)、さすがにこれは、細切れにも程がある😓

という事で、今度は右の木鼻の唐獅子と龍の爪、うっかりすると唐獅子の後頭部に刺さりそうな勢いですが、大丈夫なのか?

位置的な要素もあって、伊八の彫刻とセットになった唐獅子になりましたが、獏もまた素晴らしい。

向背を支える彫刻は松の中に羽を休める鳥、八幡様なので「鳩」かもしれません。

これは本殿の右手の脇障子にあった「唐獅子」の彫刻ですが、その表情に圧倒されました。 実は反対側にも対になった彫刻があったのですが、残念ながらその全容は磨耗して不鮮明。

社名もご祭神も不明の末社、それでも丁寧に手入れされた様子は、氏子で無い私達の目にも、とても心地良いものです。

同じく境内の一角に建立されていた二基の石碑。説明の類は無く、文字も謂れも一切不明。

かって関西の幾多の彫刻師から、「関東に行ったら波を彫るな」と言わしめた人物がいました。 波を彫らせたら日本一といわれ「波の伊八」の異名で関東にその名を知らしめた宮彫師。初代『武志伊八郎信由』は、宝暦元年(1751)、現在の鴨川市打墨に生まれました。 躍動感と立体感溢れる横波を初めて彫って以来、その作風は確立され、次代へと受け継がれ、『五代目伊八:高石伊八朗信月』(昭和29年・没)まで、200年間にわたって続きました。

もっと早くに彼の存在を知っていたなら、もう少し丁寧にその足跡を尋ねられたかもしれません。

参拝日:2019年3月8日


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