丹波市市島町下竹田にある「高野山真言宗寺院 鎌倉山:清薗寺(せいおんじ)」。丹波市西国霊場第三十二番。麻呂子親王御作の『薬師如来』を本尊とします。
大江山の鬼退治が伝わる「清薗寺」は、用明天皇の息子であり聖徳太子の弟である麻呂子親王により創建されたと伝えられます。
戦国時代には明智光秀による丹波攻略の際に全焼したとも伝えられ、仁王門や薬師堂(本堂)などに、僅かに往時の面影を残すのみとなりました。
寛政7年(1795)に再建された「仁王門」。寛政九年に落慶法要が成されたと伝えられます。
門の内より睨みをきかせるのは明和四年(1767)5月に造立された仁王像。長い年月を経ても残る鮮やかな朱がさらなる凄みを与え、見るものを圧倒させます。
仁王門の彫刻「波ウサギ」
仁王門の彫刻「虹梁を噛む獅噛鬼」
仁王門の中央真後ろに建つ総高2.73m、石英粗面岩で造られた県指定文化財:八角石燈籠。南北朝時代、貞和3年(1347)の銘があり、火袋に四仏の梵字、中台側面に散蓮華が彫りこまれています。
鮮やかに彩られた境内
旧市島町指定天然記念物「推定樹齢、五百年:清薗寺の大杉」。薬師堂の傍らにある事から、落雷から御堂を守ってくれる御神木とされています。
麻呂子親王御詠
【 雲はれて みどりに晴る 空みれば るりの光の 月ぞさやけき 】
参拝日:2014年11月19日