内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

新型コロナウイルス禍、一つになって耐え、克服しよう

2020-04-01 | Weblog
新型コロナウイルス禍、一つになって耐え、克服しよう
新型コロナウイルス肺炎の被害は誰の責任でもない。ウイルス禍という自然の災害の1つだ。恐らく、人類が経済発展の中で未踏の自然に分け入り、未知の病原菌やウイルスを人間社会に持ち込んでいるのであろう。開発を続ける人類全体の責任だ。発生・拡大地と見られている中国武漢市についても、早期に対応が取れなかったことは遺憾であるが、新型ウイルスであったので対応が分からなかったとしても仕方が無く、最初の自然禍の被害者でもある。
1、それぞれが感染を避け、それぞれの能力の範囲内で耐える努力が必要
 新型コロナウイルス禍への対応は、まず全ての国民がそれぞれ感染しないように注意を払い、各種の影響、被害にそれぞれの能力の範囲内で耐えることが必要と思われる。そもそも自分の健康管理であり命の問題なのである。時に、自分の体のことだから「私の勝手でしょ」と言う人もいるだろうが、新型コロナウイルス肺炎の場合はそうでは無い。新型コロナウイルスは、感染(陽性)していても無症状や軽い症状である場合があるので、自分自身が感染でとどまらず、感染して無症状や軽傷のままウイルスをばらまき、多くの人に迷惑を掛けるおそれがあるので、私の「勝手でしょ」とはいかない。すでに世界全体で感染者85万人、死者が4万人を超え、今後米国でも死者が10~20万人にのぼるとも予想されている。
 2、最重要課題は検査体制の拡充と医療体制の整備
従ってコロナウイルス禍への最重点課題は、検査体制の迅速な拡充と新薬やワクチン開発を含む医療体制の整備であろう。検査をした上で、治療方法や病院を振り分けるべきであろう。検査をしないで、症状のない、軽微な症状の保菌者を放置すれば感染は止まらない。
3、公的な経済的支援は真に困っている人に焦点を
 経済的被害については、個人にせよ企業・団体にせよ、誰もが被害者であるので、まずそれぞれの経済的能力に従って対応するよう努力することが必要だろう。財源が限られている以上、公的な経済的支援を必要とするのは、職業が安定していない人や解雇される人であり、企業・団体では中小零細企業・団体や観光・飲食・娯楽・サービス業などの分野で、コロナウイルス禍で著しく影響、被害を受けるところが中心となろう。
 特に就労困難者への支援が重要だ。まず雇用(失業)保険の柔軟且つ迅速な適用、及び要すれば適用の延長が求められる。新卒者で内定を取り消された者については、社会人としての門出であるので、国が給与補償等をして入社を確保することが望ましい。2008年9月のリーマン・ショック以降の大幅な解雇で正規社員の座を失い、非正規という就労形態を増やしたが、このようなことを新卒者に強いることは出来るだけ避けることが望まれる。今後、雇用形態の変革も必要であろう。
 企業支援については、コロナウイルス禍が過ぎればそれぞれの努力で利益も期待できるので、一定期間の法人税、事業税の猶予や無利子の融資を中心とすることが望ましい。
  1961年1月、J.F.エネデイ米国大統領は就任式において次の通り述べた。
 “政府があなた方に何をしてくれるのかを問うのではなく、
 あなた方が国のために何が出来るかを問うて欲しい。”
 ( ”Ask not, what the Government can do for you,
   Ask what you can do for the Country! “   )
 真のリーダーであれば、国民に耳障りに良いことばかりを言うのではなく、国民に求めることも言えなくてはならない。今はその時ではないのだろうか。
(2020.3.31.)

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