内外政策評論 TheOpinion on Global & Domestic Issues

このブログは、広い視野から内外諸問題を分析し、提言を試みます。
Policy Essayist

北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!?  (総合編)再掲

2023-02-03 | Weblog

北朝鮮は米韓共同軍事演習への対抗措置を画策か!?  (総合編)再掲

 北朝鮮は、昨年12月、金正恩体制への反逆行為として張成沢国防副委員長を処刑するなど、その関係者、親族を粛清し、その後の動向が注目されていた。その中で1月16日、北朝鮮国防委員会は、南北朝鮮間に良好な環境を作り出すためとして、旧正月が始まる1月30日以前に相互に批判し挑発し合うことを止め、軍事的な行為を中止するよう提案すると共に、米韓両国の共同軍事演習の中止を訴えた。

 更に1月24日、北朝鮮国防委は、国防委委員長でもある金正恩第一書記の特別な指示として、祖国統一の新たな段階を開くため上記の提案に言及しつつ韓国当局ほか関係方面に宛てた公開書簡を公表した。

 韓国政府はこれを誠意あるものではないとして拒否したが、北朝鮮は池在中国大使が記者会見を行い、この提案は真摯なものであり支持するよう訴えた。中国当局からもプレッシャーが掛けられていることが伺える。

 その後北朝鮮は、韓国との南北離散家族再開事業を実施(2月20日から6日間)した他、日朝間においても、日朝赤十字会談(3月19日)や日朝政府間協議(3月30日、31日)を行うなど、融和姿勢を示す一方、短、中距離のミサイルの日本海向け発射などの示威行為を行い、硬軟両用の姿勢を示しており、その真意が注目されている。

 1、米韓合同軍事演習への反発をあらわにする北朝鮮の狙い

 このような北朝鮮側の米韓共同軍事演習の中止提案に対し、北朝鮮側が張成沢国防副委員長他の血の粛清後国際的に孤立化していることを受けての融和策、或いは経済的困難を回避するための和解姿勢など、ステレオタイプのコメントが多く聞かれた。

無論そのような狙いがあることは否定するものではない。しかし上記の2度に渡る提案を読み進めると、具体的には次の2点を要求している。

(1)  南北間に良好な環境を作り出すため、当面、米韓合同軍事演習(フオール・イーグル、及びキー・リゾルブ)を中止すること。

(2)  北朝鮮としては‘朝鮮半島の非核化’を共通の目標と考えるが、朝鮮半島に‘第3国の核’を持ち込まないこと。北朝鮮の核は米国の核の抑止のためであり、自衛のためにほかならない。

 この要求から分かるように、北朝鮮の当面の狙いは2月下旬から実施されている米韓合同軍事演習の中止である。提案が北朝鮮の軍事委員会の名でなされていることも、軍事的な思惑からであることを物語っている。そもそももし北朝鮮側が、真に韓国側との融和を希望するのであれば、公式ルートを通じ静かに接触し、韓国側が対話に応じた時点で公表するであろう。

 米韓合同軍事演習は、長年に亘り実施されているもので、韓国内及びその周辺で行われる大規模な演習であるが、北朝鮮側はその都度最大級の批判を繰り返して来ている。国内的にも、TVや労働党機関紙その他で米国、及び韓国による北朝鮮侵略の準備であり、北朝鮮はそのような攻撃があれば南を焦土とするなどとして、過剰とも思える反応を行っている。2013年においても同様だ。

 2、北朝鮮の融和姿勢は本当か

 このような中にあって北朝鮮は、2月20日から6日間、南北離散家族再開事業を3年ぶりに実施した。また日朝間においても、3月19日、瀋陽において日本人遺骨収集等に関する日朝赤十字会談を行い、また2012年11月以降中断していた日朝政府間協議を3月30日、31日に北京で行うと共に、横田めぐみさんの両親と孫に当たるヘギョンさんとの面会をモンゴルで実現するなど、融和姿勢を示している。

 これらの動きから、北朝鮮は、国内での食糧不足や経済困難、中国との関係の後退などから、韓国や日本との関係改善を狙っていると言われている。特に日本については、日朝交渉を通じる拉致被害者問題の進展や制裁措置の部分的な緩和による交流の促進などが期待されていると言われている。

 しかし日朝政府間協議は、‘真摯で率直な協議’が行われ、協議の継続で合意したものの、再開時期にも合意していない。政府間関係で‘真摯で率直な協議’との表現は、それぞれの立場、問題点を言い合うことを意味しており、それぞれの思惑で進展を期待しつつも、基本的に一致点がなかったことを意味している。政府間協議後の4月1日、北朝鮮側の代表宋氏は記者の質問に対し、朝鮮総連本部の入札による売却決定を許可したことに対し、‘この問題の解決なくして、日本との関係進展は必要ない’とのコメントを日本語で行っている。北朝鮮側の当面の関心が朝鮮総連本部の建物にあったことが明らかだ。既に落札され承認されているので、売却自体は実施されることになろうが、賃貸への便宜や代替地の提供などを求めて来る可能性がある。朝総連は、かねてより北朝鮮の日本での大使館或いは代表部としての機能を果たしていたとされているが、日朝両国には正式な外交関係はないので、朝総連のこのような機能、活動は認められるべきではない。朝総連のあり方等は、平和条約交渉の過程で協議されるべきであろう。

一方、国連人権理事会が設置した北朝鮮人権調査委員会は、2月に報告書を公表し、北朝鮮の拉致を含む人権侵害行為に対し「人道に対する罪」として非難すると共に、安全保障理事会に対し、国際的な刑事司法の枠組みで北朝鮮指導者の責任追及を検討するよう促した。そして人権理事会は3月28日、北朝鮮の人権侵害を非難する決議を採択した。このように北朝鮮の人権侵害、人道違反に関しては、2013年12月の粛清を含め国際世論の批判が強まっていることから、国際世論を和らげるための融和姿勢が必要だったとも言える。また北朝鮮は、国連専門機関から毎年のように受けている食料などの人道支援を確保するためにも融和姿勢を示す必要がある。もっとも、一方で経済制裁を行いながら、北朝鮮への食料などの人道支援を実施することには、矛盾があり、実施するにしても、実際に貧困層の人々の口に届くような確実且つモニターシステムを確立することが不可欠と言えよう。

 3、北朝鮮の真の狙いは核、ミサイル開発の促進?!

 今回の北朝鮮側の一連の米韓合同軍事演習の中止要求が韓国側により拒否され、米韓合同軍事演習が行われたため、北朝鮮側は、米韓による戦争準備が行われているなどとして非難を強め、自国防衛の一環と称して長距離ロケットや核兵器の開発、実験を加速する可能性が強い。既に北朝鮮側は、日本海に向け短距離ミサイルの発射(2月27日)、そして中距離ミサイル・ノドンの発射(3月26日)を実施すると共に、黄海に向けロケット砲の発射(3月31日)を行っている。また、長距離ロケットの発射台を設置し始めており、ウラン濃縮も再開されているなどと伝えられているので、北朝鮮は、今後の重要日程に合わせてミサイル、核実験を強行する恐れが強い。

 南北間の環境改善に向けての北朝鮮の提案は、強硬姿勢を合理化するための国際世論向けのジェスチュアーと見られる。北朝鮮が今回中距離ミサイルの発射を行ったことに関し、国連安保理は2013年1月の安保理制裁決議に反するとして非難したことに対し、北朝鮮はこれに抗議した上、‘新たな形の核実験を行うことも排除されない’との外務省声明を発表している。

 確かに南北朝鮮は未だに“休戦状態”であるので、軍事的には合同軍事演習は必要であろう。しかし北朝鮮側の極端な反応が予想されるのにも拘らず、何故朝鮮半島周辺で毎年のように大規模な軍事演習を行うのか。北朝鮮側も、軍事演習自体を否定はしていない。米国内か朝鮮半島から遥か離れたところで行うように促している。北朝鮮の核及びミサイルの開発実験問題については、1990年代中頃より各種の努力がなされているが、朝鮮半島周辺における大規模な米韓合同軍事演習は、北朝鮮側に核、ミサイル開発加速への口実を与え、既成事実を重ねさせ、事態を悪化させて来ているのではないだろうかろうか。

 それだけでなく、1953年7月に締結された南北間休戦協定以来60年を越える休戦状態が継続し、和平が成立しない限り北朝鮮の先軍政治が継続するので、毎年行われる米韓の合同軍事演習は、北朝鮮に先軍政治を継続する格好な口実を与える結果ともなっている。

 軍事的観点だけでなく、総合的な判断が求められよう。

(2014.04.10.)(All Rights Reserved.)

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日韓間の「不都合な」事実―竹島(独島)問題―再掲

2023-02-03 | Weblog

日韓間の「不都合な」事実―竹島(独島)問題―再掲
 2012年1月24日、玄葉外相が通常国会冒頭における外交演説において、「竹島問題」に触れたのに対し、翌25日、韓国外交通商部は趙報道官名で、「玄葉外相が韓国固有の領土である独島に対し、不当に領有権を主張したことについて強く抗議し、直ちに撤回することを求める」旨の声明を出し、強く反発した。
 竹島は、韓国では「独島」(Dokdo)と呼ばれており、日本と連合国とのサンフランシスコ平和条約発効(52年4月28日)を前にして、李承晩・大韓民国(韓国)大統領が、1952年1月18日、「海洋主権」を宣言し、周辺海域に「漁船立ち入り禁止線」、通称「李承晩ライン」を設定し、同島は韓国の支配下にあると一方的に宣言して以来、日韓間の喉もとの小骨となっている。玄葉外相が「竹島」問題と述べたことから、日本側が韓国側の呼称、領有権を認めず、同島への灯台や桟橋の建設など、韓国が行っている各種の行動を認めていないと受け止められたためと見られている。しかし玄葉外相は、外交演説の中で韓国を「基本的な価値観を共有する最も重要な隣国」と位置付けた後、「竹島問題は,一朝一夕に解決する問題ではないが、韓国側に対して受け入れられないものについては受け入れられないとしっかりと伝え、粘り強く対応する」旨、しごく当たり前のことを述べたに過ぎない。韓国側の声明は、外交通商部の報道官レベルのものであり、それ程強いものではないとも受け取れるが、過敏、過剰な反応と映る。日本での韓流ブームなどで象徴される両国間の文化、観光交流や活発な経済交流などの実体からからすると違和感を受ける動きであり、両国政府間が協調の精神で知恵を出し合い、問題が解決されること期待したい。
 1、 日韓の古くからの接点、竹島(独島)の歴史
 同島は、東西2つの岩礁島からなっており、日比谷公園と同程度の面積しかなく、また定住出来るような環境にはないが、1905年1月28日、日本政府は、閣議で「竹島」と命名し、「島根県隠岐島司」の所管とした。日本が、韓国(大韓帝国)を併合(1910年8月)した5年以上も前のことである。
しかし、同島を巡る日韓両国の交流は、両国の沿岸漁民を中心として古くからあるようであり、1618年には、日本人2名が江戸幕府の許可を得て同島に渡航し、また、1692、3年頃には、これら2名が周辺島嶼から2名の朝鮮人を日本に連行したことから、日本と朝鮮の間に紛争(「竹島一件」)が発生したなどの記録があり、この頃より周辺海域での接触、紛争が活発になって来たようだ。
 もっとも、その頃は韓国側の「鬱陵島」を「竹島」と呼び、現在の竹島を「松島」と呼んでいたようである。また1849年、フランスの捕鯨船Liancourt号が同島を発見し、リアンクール島と名付け、その後日本では、「りゃんこ島」とか「リアンクール岩」とも呼ばれたことがあるようで、同島(岩礁)を巡る両国の交流の歴史にも混同がありそうだ。因みに、米国国務省がホーム・ページで公表している各国別地図では、日韓双方に、Liancourt Rocks(リアンコート岩礁)の名称で記載している。
いずれにしても竹島(独島)は人が住める状況にはない岩礁であるが、両国沿岸には大小多くの島が点在しており、恐らく古くから漁民などが同島周辺を往来していたのであろう。韓国側にもいろいろと記録があるようであるが、従来人が住んでいるわけではなく、同島周辺海域、島嶼を巡る往来のようであり、正に両国双方の接触の「最外延点」である。
 このような古くからの交流の歴史を考えると、竹島(独島)問題は、靖国神社参拝やいわゆる「(侵略の)歴史問題」とは関係がないのである。韓国側も、歴史的事実は事実として認識して欲しいものである。他方日本とは反対側の韓国からの見方もあろうから、双方の専門家で同島の歴史を客観的に研究し、相互の理解を深める努力も必要のようだ。
それはそれとして、同島が両国の古来の接触の「最外延点」であるという歴史的背景を踏まえ、同島問題の早期解決を模索できないものであろうか。

 2、両国に求められる竹島(独島)問題の早期解決
 この問題は、日本政府としては1954年以来国際司法裁判所に付託することを韓国側に提案し来ているが、韓国政府が同意していないため実現していない。
 竹島は韓国により事実上占拠されており、韓国側はこれを「実効支配」と称している。しかし本来「実効支配」とは、「政府承認の重要な要件」の一つとして、特定国の政府が国内全域において実効的に支配が確立出来ているか否かを判断する概念であり、日本が領有を主張する竹島を「実力行使」で占拠しても、日本が領有を明確に表明している限り、実力行使による「占拠」でしかない。日本側とすれば、韓国が国際司法裁判所への付託に同意するまで要請を続け、領有権において譲歩する必要はないとの意見もあろう。しかしお互いに本件を巡り「消耗戦」を継続し、両国関係改善の阻害要因とすることは両国国民の健全な交流をも阻み、真の「日韓新時代」などは幕開けしないであろう。国際司法裁判所への付託が実現し難い場合には、両国がこの問題に冷静に対処し、同島の共同管理・共同統治の道を速やかに模索するなど、早期の解決が望まれる。
(2012.01.26.)(Copy Right Reserved.)

 

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Ukraine in between two camps with different values, Russia and NATO

2023-02-03 | Weblog

Ukraine in between two camps with different values, Russia and NATO

 Russian President V. Putin declared the annexation of 4 Provinces in Ukraine, namely Donetsk, Luhansk (the full areas), and Kherson and Zaporizhzhia (in full or the areas held by its troops), after signing the Annexation agreements with four pro-Russian Provincial leaders on 30th September, 2022, and the agreements were ratified by the Russian Federal Assembly in early October.

 Three days earlier, the referendums on joining Russia were carried out in the four provinces and approved with over 90% majority except for Kherson which marked 80% level approval.

 President V. Zelenskyy of Ukraine quickly denounced the referendums carried out in four Provinces as invalid and illegal, and also the Russian move to annex them based on the results such referendums.

  In response, Ukraine formally requested an accelerated accession to NATO on 30th September,2022.

 The U.N. General Assembly adopted Resolution condemning Russian Annexation of four eastern Ukraine regions under the title of “Territorial integrity of Ukraine: defending the principles of the Charter of the United Nations” on 12th October, with 143 countries in favor, 5 countries against (Belarus, North Korea, Nicaragua, Russian Federation, Syria). 35 countries abstained.

 Ukrainian President Zelenskyy repeatedly expressed his pledge to retake all of the Ukrainian territory held by Russia, while expressing his intention not to negotiate with Russian President Putin in person.

 This indicates that the war is likely to drag on into the winter.

  1. A need to cope with another War, Covid19 and worldwide Inflation

  Against the backdrop of the regional war in Ukraine, the World has been fighting against three-year long Covid19 and a high inflation as many industrialized countries now seek an exit from the inflated economy temporally sustained by the massive government spendings and lending. On top of it, the United States and other NATO countries initiated wide-ranging sanctions against Russia, which are adversely affecting the World economy, resulting in acute energy shortage and rapid price-hike and other restrictions on business transactions with Russia. As the war in Ukraine is dragging into the winter, many European people, not to mention Ukrainians themselves will suffer from coldness caused by the energy shortage, in particular natural gas and oil while fighting against Covid19 and flu. It is feared tens of thousands people might die during the freezing winter. The death toll might be more than the total death toll in Ukraine. Unfortunately, the corona virus pandemic seems to recure again in many parts of the World.

 While the Russian invasion in Ukraine should be strongly condemned and Russia should bear the consequences, it is indispensable to avoid such fatal hardship in Europe and elsewhere in the World because of severe shortage of energy and food. The NATO initiated sanctions against Russia does more harm to Europe and the World now. Even during the Cold War era, NATO initiated to set up the Coordinating Committee for Multilateral Export Controls(COCOM )in 1949 until 1994 restricting trade with the Soviet Union only on weapons and other sensitive goods. Japan and Australia joined the regime. It was replaced in July,1996, by the Wassenaar Arrangement on Export Controls for Conventional Arms and Dual-Use Goods and Technologies with 42 participating states including many former Warsaw Pact countries. It is designed to promote transparency and greater responsibility in transferring conventional arms and dual-use goods and technologies to non-member countries.

 Now the wide-ranging sanctions including the restriction on SWIFT, which facilitates quick financial transactions among financial institutions throughout the World, affects Europe and the entire World as side effects.  The Sanctions against Russia should be limited to weapons and sensitive goods. The Wassenaar Agreement should be expanded largely such as the scope of products to be applied ranging from relevant weapons, dual use goods and technologies to IT related goods, communication tools, outer-space goods, rare metals, and related intellectual properties, and so on. Such an expanded Agreement may be also applicable to China and North Korea.

 Against the background of the war in Ukraine, the World now needs to cope with the 3-year long Pandemic and steep inflation as a backlash of massive government spendings and lending operations to sustain economic slowdown elsewhere in the World, while supporting Ukraine with weapons and others. People in the World, especially in Europe and Japan, feel an acute shortage of gasoline, natural gas and wheat as well as job opportunities due to 3-year long economic stagnation, and are suffering from a steep price hike in daily necessities with persistent constraints and restrictions on daily activities. The prolonging war in Ukraine has been added to the above global war since February,2022, thus aggravating the economic and social activities in most parts of the World. Already the pandemic alone took over 6.6 million lives in the World, which is far more than the death toll in Ukraine. And if the sanctions including the SWIFT restrictions are maintained into the winter as the war in Ukraine prolongs, it is feared that tens of thousands, or millions lives in Europe may die from freezing cold weather because of electricity shortage.

 We should put more emphasis on the global war against Covid19 and severe inflation which affect adversely the daily life in the entire World, while providing Ukraine weapons and other human supports.

 

  1. Territorial issue and Peace settlement in Ukraine

 There is no justification for the Russian invasion in Ukraine. At the same time, we should give fair evaluation of the historical and geopolitical background of Ukraine and Russia.

 (1)    Historically, Ukraine used to be one of the core members of the Soviet Union after Russia. After the fall of the Soviet Union, Ukraine belonged to CIS (Commonwealth of Independent States), and kept distance from Russia after 2014 as the democracy movements advanced there and it is leaning toward EU and NATO, especially in the central and western provinces. However, Russian-speaking people and influence remain there, in particular, in the eastern provinces. Russia still has a big stake there although nuclear weapons were taken away.

 (2)    Geopolitically, Ukraine is situated in between Russia and expanded EU and NATO. NATO is composed of 30 countries now including most of the former Warsaw Pact countries. Now Sweden and Finland, which has been keeping neutrality, are in the process of joining NATO. In a sense, it is situated in between two camps with different basic values, namely in between democracy and authoritarian regime.  The Warsaw Pact Organization was disbanded after the collapse of the Soviet Union and the democratization of most of East European countries. While the East- West Cold War was over, NATO not only continues to exist but also expands eastward from 16 member countries to 30 countries assimilating most of the former Warsaw Pact countries. That has been causing a security concern on the part of Russia, especially in the mind of President Putin backed by nationalist philosophers and nostalgy for the Soviet empire.

  As a whole, for Ukraine, it is a matter of security and existence, and for Russia, it is a matter of security and rivalry with NATO and EU over basic values and governing system. Geographically, both Ukraine and Russia cannot move from that setting. NATO as well as Ukraine and Russia should respect each other such a geographical and historical setting.

 (3) The Minsk Truce Agreement of 2014 between Ukraine and Russia expired on 21st January,2022, failing to solve an autonomous issue of two self-proclaimed rebel republics of Donetsk and Luhansk which had been denying the Kyiv’s control. And Russia recognized the independence of the two self-proclaimed republics of Donetsk and Luhansk. After the Russian invasion in Ukraine in February,2022, and the subsequent war in east and south-east regions in Ukraine, the Kremlin-backed so-called ‘Referendums’ on joining Russia were carried out in four provinces, namely southern Kherson region and part of Zaporizhzhia in addition to adjacent eastern Donetsk and Luhansk in September ,2022. Three days after the approval in the referendums in all four provinces with over 90% approval votes except for below 90% in Kherson, on 30th September,2022, those four provincial leaders signed respective Treaties with Russian President Putin to join Russia. Ukrainian President V. Zelenskyy repeatedly expressed the unacceptance of such referendums and his intention to recover all the Ukrainian territories held by Russia. It is also denied by NATO countries. It is questionable especially in the case of Kherson and Zaporizhzhia whether they have legitimate authority to sign any treaty with Russia, while Donetsk and Luhansk, which maintained a certain degree of independence from central Ukraine since 2014, may have had such power as an Independent Republic.

 

 3.Exert more Wisdom than Weapons for Ukraine

 During the eight-year long Truce Agreement, it was designed to settle the autonomy issue of the two eastern provinces. But such efforts failed, and President Zelensky, instead, openly expressed his intention to become a member of NATO. 

 For Russian, the constant east-bound expansion of NATO has been seen as a threat. President V. Putin expressed his view at a press conference in April,2008, on the occasion of the NATO summit that “any attempt to expand NATO to the Russian borders would be seen as a direct threat”. At that time, NATO had already expanded its membership from 16 to 26 after the Soviet Union, therefore the East-West Cold War, was over. Now it is embracing 30 countries with the U.S. military bases and the THAAD missiles in Romania.

  (1) No justification for the Russian aggression in Ukraine

  Russian invasion in Ukraine cannot be tolerated and should be condemned.

 Every sovereign country has the right to defend itself against any aggression.

 In support of such Ukraine’s efforts to defend itself, many NATO member countries including the U.S. and others have been sending weapons after weapons together with other civil support upon request from Ukraine.

 Such a support is necessary. But we should exert more wisdom than weapons. Wisdom to stop the armed conflicts and the bloodshed. And wisdom to realize a peaceful settlement in Ukraine. Further military support, in particular, sophisticated longer-range missiles and other weapons from the NATO countries to Ukraine seems to lower a threshold for a war in Europe, or, at the worst, a nuclear war in Europe. Also a wide-ranging sanctions against Russia would adversely affect the World economy sooner or later like a boomerang.

 (2)    Needed recognition of the Co-Existence in the face of the differences in basic values and governing systems in the World

 At a time of apparent differences in basic values and governing systems in the World seen in such cases as the Russian invasion in Ukraine and the trade issue with China, we need a practical philosophy governing the World now.

 There are basically 3 alternatives. Namely, 1) defeat the opponent, completely, if possible, 2) accept the domination by the opponent, or 3) co-existence with different values and governing systems.

 The first two alternatives will not be accepted by the other side. The World is divided in these two cases, and a fear of a war lingers. If the World is to be one globe, therefore, Co-Exis tence seems to be the only realistic alternative.

 Democracy is based on human equality, acceptance of diverse values and belief, and pluralism. And given the present nation-to-nation relations which are based on the territorial sovereignty with its own basic values and governing systems, Co-Existence is the realistic philosophy governing the present international relations, if a democratic method is to be applied in handling international affairs as well.

 And sometime in the future, the World of Co-Prosperity may be realized.

 By such a time, and if the differences between countries or groups of countries in basic values and governing systems continue to damage or erode national interests and national security of one country (or group of countries), each country or a group of countries may have to set some regulations on relevant fields such as trade, entry permit, financial transactions and intellectual properties to fill such a gap, while trying to maintain freer exchanges among countries and a globalization movement. In trade, for example, it is indispensable to equalize the level of freeness between some domestic market economy and the internationally recognized free market economy to retain a fair trade and competition. It is a process to realize a free and fair trade between non-free market economies and freer market economies. (2023.1.4.)

Ambassador(Ret.)

Global Policy Group

Mitsuaki KOJIMA

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国民1人1人の命を大切にし、安全な国造りを目指そう (再掲)

2023-02-03 | Weblog

 国民1人1人の命を大切にし、安全な国造りを目指そう (再掲)

  2022年7月8日の安倍晋三議員(元首相)への銃撃事件は、日本だけでなく国外にも銃規制が厳格で安全と見られていた日本で起こった惨事として大きな衝撃を与えた。

  人の尊厳を傷つけ、命を奪うような行為は決して許されない。

  1、警備強化、規制・制限強化で終わらせてはならない

このような暴力行為は決して許されるべきではない。 現在要人警護の強化の強化が検討されているが、党派を超えて公正、安全な活動の確保を念願する。 他方、昨今身勝手な理由で生徒や幼児を含む一般国民が殺傷事件に巻き込まれ、多くの尊い命が失われているのも事実である。 人を殺める行為はそれが誰であれ許されるものでなく、国民1人1人の安全への取り組みが不可欠である。

  その対応として規制・罰則の強化や警備の強化などで終わらせることなく、時間は掛るが、家庭、義務教育課程、専門学校・大学、各組織・団体レベルにおいて、心の問題として人の尊厳を傷つけ、ましてや命を奪うような行為は決して許されないとの意識の向上を図ることが必要と見られる。

今回のような事件が起こると、ともすると警備の強化の他、街頭演説の規制や道路規制などで終わってしまう可能性がある。 例えば駐停車禁止や駐輪禁止についても、駐停車禁止等の区域が急速に拡大することに加え、規制対象に「放置」という新たな概念を加わり、数分でも車や自転車を離れると「放置違反」となる。 車にしても自転車にしても、目的地で止めておかなければ用をたすことが出来ず、駐停車や短時間車や自転車を離れなければならない需要があるにも拘わらず、至便で料金の安い駐車場や駐輪場、例えば短時間であれば無料で置ける場所は提供されておらず、規制・規制が増え続け、自由な生活空間が年々狭められ、市民生活はどんどん窮屈で閉塞感を増し、 行政になっているように見える。 以前公衆トイレや町中の公園等に多数の禁止事項が貼り出されていたが、最近は少し改善したものの、未だに10項目以上の禁止事項を貼り出している施設、公園なども少なくない。 都内の幹線道路等には禁止事項をはじめとする看板、パネルが増え続けている。 一向に減る様子もなく、「事件発生=規制強化」という行政姿勢が定着しているように映る。 学校も同様で、校則が40、50にも及ぶのは普通になっているようだ。 覚えようもなく、自主性も削がれる。

多分今回も選挙活動中の街頭利用に規制・制限が加えられ窮屈で閉塞感を増すのではないかと危惧される。 規制・制限により一定の目的は達成できるものの、必要な活動が自由に出来なくなり、至便性や自由な行動を犠牲にすることになる。 それで終わるのではなく、必要とされる目的、活動が達成できる代替の場所や施設を提供しなくては適正な行政を行っていることにはならない。 規制・禁止等を行う場合、同時に必要な救済、対応策を提供するという意識が警察を含む行政に不可欠になっているようだ。 「事件発生=規制強化+代替措置の提供」という新しい社会方程式にして行くことが不可欠だ。 それにより社会経済的効率は改善し、市民の閉塞感やストレスが癒えることが期待される。 それが出来ないと、規制が増えれば増えるだけ、違反者も増え続けるけることになる。

歩道を含む道路の管理については、県道、国道などにより所管する官庁(警察、国土交通省)や自治体(都道府県、市町村区等)が異なり煩雑のようだ。 しかし高速道路等を除き、自治体に出来るだけ多くの管理、改善の役割を持たせることが望ましい。 都市を走る幹線道路沿いは、至便性から住宅やコンビニ、スーパー、病院等の施設、商店が増え、「通過のための道路」が「生活道路」に性格を変えているところが多い。 警察行政がその変化に気付いておらず、従来通りの対応に終始しているように映る。 今回のコロナウイルス対策では、地方自治体が大活躍し、市民に近い行政活動として評価される。 都市の市街を走る道路はもはや「通過のための道路」ではないので、信号の敷設を含め、市民生活に近い地方自治体に業務、管理を移管することが望ましい。

規制・禁止等の強化は一定期間必要とすることはあろう。 他方、そのような規則、法律が増えれば増えるほど、違反者も増え、取り締まり強化がされる一方、そのような規制・制限等は何時か破られ事件となり、更なる規則強化という悪循環が繰り返されるので、規制を強化をすれば良いということでもない。 国民のニーズに応える措置も不可欠のようだ。 「事件発生=規制強化+代替措置の提供」という新たな社会経済方程式の実践が望まれる。

 


  2、教育課程を通じたマナーや倫理教育、人間関係と社会教育の充実が必要

  (1)ブッダの不殺生・非暴力の教えは今や刑法となっている

紀元前5世紀頃、ヒマラヤ南麓(現在のネパール ルンビニ郡)で生まれたブッダ(漢字の仏陀は、サンスクリット語を音写したもの)はシャキア部族王国のシッダールタ王子としてカピラ城で育ったが、病・老・死で苦しむ城外の人々を目の前にして、悟りを求めて29才で城を出て、南方のブッダガヤ(現在のインド ビハール州)で悟りを開いた。 シッダールタ王子は悟りを開いてブッダ(サンスクリット語の悟りを開いた者・賢者の意)となり、人類平等の思想に立脚し、生きていなければ悟もないことをまず悟り、生きることを前提として人類共通の課題である病・老・死への向き合い方を説き、不殺生・非暴力等を唱えた。

ブッダは、自らそれを実践した。 ブッダは、コーサラ国のヴイルダカ王が王子の頃シャキアの村人に侮辱されたことを恨み、シャキア王国を攻撃するとの知らせを受け、進軍する路沿いに座り、ヴイルダカ王の進軍を何度も止めようとした。 王は一旦引き返すが、再三に亘り進軍を繰り返し、遂にシャキア部族王国を殲滅した。 ブッダは一人身を挺して進軍を阻み、その間多くの人々に避難する時間を与えと見られる。 他方ヴイルダカ王は凱旋後、火災に巻き込まれ苦痛の中で命を失い、地獄に落ち、そこであらゆる形の苦痛を受け続けているとされている。 その200年以上後に、アショカ王はインド地域の統一を果たしたが、その過程で隣国との「カリンガの戦い」で大量殺戮したことから、ビルダカ王のような末路、殺戮の報いを恐れ、平和と不殺生を誓い、ブッダ教に帰依すると共に、ブッダの教えの普及に努めた。 東の中国方面だけでなく、西はギリシャ、エジプト等まで伝わっている。

紀元前10世紀頃よりイラン高原周辺からインド亜大陸へアーリアンの諸部族が長期にわたり大量 に流入し、土着のドラビダ族等との支配を巡る激しい抗争と融合を経て、16大国時代という相対的な安定期の中でブッダは誕生した。 しかし16大国が割拠しており、支配を巡る潜在的な対立が存在する一方、各部族の域内では人口融合が進展したと見られる。

そのような激動の時代を経て16大国が割拠する時代に不殺生・非暴力を唱えたことは、先駆的ではあるが非現実的と捉えられても仕方ないが、不殺生、非暴力の教えは、弟子が受け継ぎ、その後部族の掟となり、人類の基本的な倫理規範となり、また国家組織が発展するにつれ、秩序維持のための刑法等へと制度化して来た。 しかしこれがひとたび法制化すると、法律、制度で禁じられ刑罰を受けるから人は殺めてはならないとの他律的、受け身的な姿勢となり勝ちで、自らの心の問題、倫理観は薄れる。 そうなると刑罰を受けても良いと考える人や刑務所に入りたいと望む者には、自らの心や倫理観による抑止が薄れ、犯罪に走り易くなるのではないだろうか。

時間が掛るが今行うべきことは、上記でも触れた通り、子供の頃から大学等までの教育課程において、それぞれの年代に応じて基本的な倫理・思想、人間関係や社会性の開発、マナー教育を充実させることではなかろうか。 大学等への進学制度の一環として大学入学共通テスト制度が導入されたことは、機会の公平を確保する上で効果がある一方、義務教育課程や高等学校がいわば共通テストで良い成績を取るために予備校化し、人間として、社会人として必要な基本的なマナーや相互の尊重と心の豊かさ、そして他人の尊厳を傷つけ、 命を奪うような行為は決して許されないというような精神面や基本的倫理の学習の余裕を失わせているのではないだろうか。

この点は、家庭が核家族化し、或いは共働き等で親などとの接触が少なくなって来ているので、これを教育の場や課外活動等で補う必要がより強くなっているようにも思われる。 もう一つの問題は、長期の経済停滞、コロナ禍の下で、成人の仕事の機会、活動の場所が狭まっており、その確保の必要性である。 好ましい仕事も活動の場もなく、長期に実家や一人暮らしで社会から引きこもっている層が多くなっているように見える。 最近、登校拒否生へのきめ細かい対応が出来てきたが、それらの学生に円滑な進学や就職が出来るようにすると共に、成人の引きこもり者への就職、活動の場の照会、斡旋・提供に加え、何でも相談できるソシアル・サービスの充実も必要であろう。 それぞれ個人の問題と言えばそうなのであるが、社会が多様で豊かになる一方、生きがいを見つけられず悩んでいる人たちが何でも躊躇無く相談できる場がもっと身近にあって良いのではないか。 その場で答えを出せなくても良い。 市民生活に近い区や市町村レベルで、本庁だけでなく支所や関係施設にも窓口を設け、夜間もメール等でアクセス出来るシステムが望ましい。

  事件が起きれば取り締まりを強化することになるが、社会から様々な理由で引きこもっている人々を社会に復帰させることによる犯罪の防止と家族・社会に与えている社会的コスト削減となるなど、効果は遙かに大きいので、そのようなソシアル・サービスを拡大することを優先すべきであろう。

 


 3、戦後の新興宗教団体の監査と誰でも何処でも相談できる場が必要

また今回の事件の背景にあった新興宗教団体による問題については、信条、信仰の自由に立脚しつつ、信者への寄付金要請や帰宅・外出などの事実上の拘束などについては、少なくても一定の基準や報告義務を設ける必要がありそうだ。 また「合同結婚式」については、当日まで相手知らない場合も多々あり、韓国人に日本国籍を取得するだめの事実上の偽装結婚や暗示、群集心理を利用した半強制的な結婚など、いわば「心の拉致」、「精神的拉致」とも言えるケースが多数存在し、人権侵害と見られる場合もあるので、これを防ぐための措置を検討する必要がありそうだ。 また第2世代以降への対応については、表面上は家庭内の問題となるので難しい側面があるが、何らかの救済措置が必要と思われる。

特に宗教は、人々の心の安らぎや拠り所等を与えるものであるので、その目的に反し、信仰の力を装って、個人に経済的その他の過度の負担を課し、或いは人権を侵害するような非社会的活動をすることは、決して許されてはならない。 このような行為や活動を霊感商法の禁止に加え、精神的強要罪或いは宗教詐欺罪などの罪として刑法に規定することが望ましい。

また統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係については、特定議員による関連団体票の割り当てや、同団体票を得て今回当選した参議院議員との関係などが指摘されている。 宗教団体を支持母体とする政党には公明党があり、それが与党の一角を形成しているので、他の宗教団体も政党との関係を強めたい、基盤を拡大する傾向にある一方、旧オウム真理教のように殺傷事件を起こす場合には取り締まれるが、そうでもないと規制することはなかなか難しいところがある。 しかし宗教団体やその関連団体の票を特定候補に割り当てるなどの行為は、個人の自由な選択を阻害するものであるので、公職選挙法などで禁止が検討されても良いのではなかろうか。

 宗教法人は認可を受け、税金優遇措置などを受けているので、戦後、現行憲法の下で認可、承認を受けた一定規模以上の宗教団体については、その活動が届けられている目的や活動に適合しているかなど、信者からの聞き取りを含めて、定期的に監査することが必要のように思える。

 

更に、旧統一教会が戦後日本で行ってきた日本国民の精神的支配と政界との関係拡大の構図は、日本国民の安寧な生活を精神的、経済的に破壊し国家安全保障を損なうものであることが明らかになって来たので、外国の宗教団体及びその関連団体の日本支部組織については、認可、承認において厳格に審査すると共に、 政治活動を禁止する方向で検討する必要がありそうだ。

(2022.7.25. 同7.29.一部補足)

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