朝令暮改

先日、顧問先のお客様から電話がありました。

内容は…

「銀行対策の方針を抜本的に変えることにしました。
　ずっと色々戦略シナリオを作ってもらっていたのに、申し訳ありません。」

というもの。

この電話を受けて、私はもう一度リセットして、新たなスキームを構築することになり
ましたが、そんなことでお詫びの言葉を頂戴するのは恐縮でした。



何故なら、今までシミュレーションしてきた内容は全く無駄にならないからです。

会計事務所とお客様の双方で脳ミソに汗かいて考えてきたことは、たとえそれを
実行に移さなくても、必ず血肉になるものです。

今後のリニューアルした新たな方針づくりにきっと活きてくるでしょう。



また、今日の激動期に方針がコロコロ変わるというのは、決して悪いことでは
ありません。


ともすれば、一貫性がないということで、いわゆる「朝令暮改」はネガティブな
イメージが付き物ですが、私はむしろプラスの意味もあると思います。

★社長業　＝　環境変化適応業

ですからね。



日清食品創業者の故・安藤百福氏はかつてこう言われました。

「少しでもよい手段、方向が見つかれば、即刻変更したらよろしい。

よりよいものを求めるのであれば、朝令暮改は恥ではなく、柔軟さと勇気の証明
である。」


世の常ですが、あらゆる角度から見て１００％正しいという戦略は、なかなか
存在しないものです。

必ずメリットがある一方、デメリットもあります。

そして、一つの状況を正面からだけじゃなく、横からだったり、後ろからだったり、
下からだったり、色んな角度から見ると、違う見え方になります。



激動期の今こそ、動きながら考え、状況次第で臨機応変に動く。

とても大切なことですね。