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ご祭神は機織(はたお)りの神か 糸井神社(川西町)/毎日新聞「やまとの神さま」第36回

2023年03月06日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2023.3.2)掲載されたのは〈さまざまな絵馬 拝殿に/糸井神社(川西町)〉、執筆されたのは奈良市在住の青木章二さんだった。糸井神社は拝殿の絵馬と、秋祭り(10月第4土日曜日)でよく知られている。では、以下に全文を紹介する。
※トップ写真は、糸井神社の拝殿=川西町結崎で

糸井神社(川西町)
糸井神社は大和平野の中心、川西町結崎の寺川にかかる宮前橋の北側にあり、祭神は豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)と言われていますが、一説には、織物の神である綾羽(あやは)、呉羽(くれは)の神を祭ったとも伝わります。「糸井」という名称は、一帯が繊維関係の栄えた地域で、糸に関係した氏族がつくったことに由来していると考えられます。

本殿は、檜皮葺(ひわだぶき)の一間社(いっけんしゃ)春日造りで、江戸時代中頃に春日大社の若宮社本殿から移されたと伝わります。これは春日大社の旧社殿を関係のある神社に移築する「春日移し」と呼ばれるもので、春日大社や興福寺との深い関わりがうかがえます。

拝殿には、さまざまな絵馬が飾られています。特に目をひくのが1842(天保13)年に献上された「太鼓踊り絵馬」(県指定有形民俗文化財)で、多くの人が雨乞いの願をかけるために踊りをしている様子を描いています。西瓜(すいか)を切り売りしたり、僧侶が灯籠(とうろう)に火をともしたりする様子も描写され、当時の生活や、神仏習合の一端を見ることができます。

また1868(慶応4)年の「おかげ踊り絵馬」(県指定有形民俗文化財)も8人ずつ4列に整然と並んで踊る人々の姿が描かれ、江戸時代にこの付近で盛んに踊られたことがよく分かります。(奈良まほろばソムリエの会会員 青木章二)

(住 所)川西町結崎68
(祭 神)豊鋤入姫命
(交 通)近鉄結崎駅から徒歩約15分
(拝 観)境内自由。秋祭りは毎年10月第4土日曜日。
(駐車場)無
(電話)0745・44・0434


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