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「祈りの輪」を広げたい!NAOKIさんの写真展/奈良新聞「明風清音」第80回

2022年10月03日 | 明風清音(奈良新聞)
奈良新聞「明風清音」欄に月1~2回、寄稿している。先週(2022.9.29)掲載されたのは〈祈りの輪広げる写真展〉。明日(10/4)から東大寺(二月堂北参籠所)などで開催される写真家NAOKIさんの「祈り写真展」を紹介した。
達磨寺方丈でNAOKIさんと記念撮影(8/21)。私が着ているのは、金魚柄のアロハシャツだ

展示されるのは、女性モデルが宵闇の中で合掌している写真ばかりだ。〈今のこの世の中だからこそ「祈りの輪」を広げて人の心を繋ぎ〉たい、という思いで開催される。入場は無料である。では、以下に全文を紹介する。

写真家のNAOKIさん(72)は、本名・増田直城さん。田原本町にある融通念仏宗・浄福寺の次男として生を受けた。県立奈良高校を卒業後、アメリカで本格的に写真を学ぶ。

ミラノ、ロンドンでファッション写真家として活躍したあと、日本に帰国。『Oggi(オッジ)』『Domani(ドマーニ)』『SPUR(シュプール)』など、多くの女性ファッション誌の創刊に携わるとともに、モデルの発掘、スタイリスト・ヘアメイクのディレクション、アートプロジェクトのプロデュースなどを行う。これまで数々の写真展を開催するとともに、写真集を刊行されてきた。

そんなNAOKIさんは10月から県内で、「祈り」をテーマとした「祈り写真展」を開催する。東大寺(二月堂北参籠所)で10月4日(火)~10日(月・祝)10時~16時(最終日は15時まで)、橿原市今井町の中西家住宅(今井町3丁目2-41)で10月14日(金)~23日(日)10時~16時(最終日は15時半まで)。いずれも入場は無料だ。11月以降も、高取町や明日香村の寺院などでの展示を予定している。

私はひと足先に8月に、王寺町の達磨寺(だるまじ)でこの写真展を拝見した。A3サイズの写真を小型のイーゼルに載せて展示していた(本堂および方丈)。いずれの写真も、女性モデルが暗闇の中で合掌してお祈りをしているポーズだ。目を閉じている人も、目を開けている人もいる。目力(めぢから)の強い人もいれば、優しい目の人もいる。大人もいれば、子どももいる。日本人もいれば、外国人もいる。

屋外からお堂に入ると、目が慣れていないので、モデルの表情がよく見えない。時間がたつと次第に目が慣れてくるので、ぐるりと二度回った。写真の位置が低いので、座って見上げるようにして写真を見た。

私は最初、「宵闇のなかで神まつりをする巫女(みこ)さんをイメージされたのかな」と思っていたが、NAOKIさんによると、県内のあるお寺でご本尊の仏像を拝観したとき、このポーズでの撮影を思いつかれたのだという。だから写真は、見上げて拝むように見るのだ。撮影はすべて東京・中目黒のNAOKIさんの自然光スタジオで行われた。つまり、宵闇の中で撮影されたのである。

世界ではコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻、国内では安倍元首相銃撃事件や相次ぐ台風被害など、私たちはぼんやりとした不安に包まれている。このような時に大切なのは、やはり何かに「祈る」という行為なのだろう。

写真展の報道発表資料には、〈NAOKIが伝えたい「大人は子どもを幸せにする義務があり、子どもは幸せになる権利があります。アートは、ただ一つの、人間の救いです」いう想いと一緒に「祈りの輪」を広めるべく、私たちは写真展の開催を決めました。(中略)実行委員会もまた今のこの世の中だからこそ「祈りの輪」を広げて人の心を繋ぎ、子どもたちも一緒に関わる参加型アートプロジェクトを実現させたいという想いで活動に共感し集いました。実際に3月末から1か月間にわたり高島屋で写真展を開催し、同じ想いを持つ人々がいることの実感を得ています〉。

この写真展は、ぜひお子さん、お孫さんと一緒に足をお運びいただきたいものだ。なお写真展に関するお問い合わせは、同展副実行委員長の島田知子さんへ(080-5300-7171/tomoko@office-flicflac.com)。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)


写真は、人気モデルのSHIHOさん母娘


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