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日本最古クラス!端正なお顔立ちの「伝 薬師三尊石仏」を安置する石位寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第49回

2020年04月19日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の発刊を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。本年(2020年)4月9日付で掲載されたのは、「最古級の薬師三尊石仏」、筆者は同会副理事長の小野哲朗さんだった。
※トップ写真は石位寺の礼拝堂。奥に収蔵庫が見える

石位寺は住職などの僧侶ではなく、住民(桜井市忍阪区の区民)が守っている寺である。それだけではなく、同区内の忍坂坐生根(おしさかにいますいくね)神社や玉津島明神の灯明も、住民によって毎晩交替で点灯されていることを、この記事で初めて知った。石位寺の「伝薬師三尊石仏」は、額田王の念持仏だったという伝承もある。では全文を紹介する。

桜井市忍阪(おっさか)は神武東遷の大室屋(おおむろや)、忍坂坐生根(おしさかにいますいくね)神社、布通姫(そとおりひめ)生誕の玉津島明神などの伝承地であり、また奥の谷には舒明(じょめい)天皇陵、鏡女王(かがみのおおきみ)の万葉歌碑と墓、大伴皇女墓などが点在し、忍阪街道筋に続く家並みと調和した、古(いにしえ)の愛と祈りが息づくふるさとです。

石位寺からは三輪山、多武峰の山並みが見渡せ、眼下には忍阪区全体が望めます。境内に立つ中世の供養碑群からは、当時からの住民との深い関係がしのばれます。

石位寺の一番の魅力は「伝薬師三尊像」です。昨年保存修理され、ことし1月~3月には東京国立博物館の「出雲と大和」展に出展され、「謎多き最古級の石仏」と話題を呼びました。忍阪に帰山、開眼法要のあと、いよいよ4月26日からお寺でその端正な姿が再び拝観できます。白鳳時代に製作されたという慈愛に満ちた表情の石仏を前にすると、離れがたい思いにかられます。

この寺が約250戸の忍阪区民の手によって守られ、保存維持されているだけでなく、忍坂坐生根神社や玉津島明神の灯明も区民によって毎晩交替で点灯されているそうです。区民の地域に対する深い愛情を感じます。(奈良まほろばソムリエの会副理事長 小野哲朗) 

(住 所)桜井市忍阪870
(電 話)0744-42-9111(桜井市観光まちづくり課)
(交 通)JR・近鉄桜井駅からバス「忍坂」下車 徒歩約5分
(拝 観)要予約(桜井市観光まちづくり課)
(拝観料)300円
(駐車場)有(無料)


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