今井町町並み保存会の若林稔(梅香)さんのブログ「梅香のつれづれ日記」によると、土曜日(11/22)、「着物でジャズ、今井町。」というイベントがあるのだそうだ。
着物でジャズ、今井町。
中世の町並みと息遣いが残る町 今井町。この伝統ある町で、文化、音楽そして医療を融合させたイベントが誕生します。町並みと音楽、そこに暮らす人々の真心。今井町にある「心のバリアフリー」をぜひ感じ取っていただきたいという思いで開催します。
日時 2014.11.22(土)13時~18時(お寺の鐘が18時位に鳴るのが終了の合図です)
場所 順明寺(橿原市今井町4丁目11-4)
アクセス 近鉄橿原線 八木西口駅下車 徒歩7分
定員 座席確保は100人で、あとは立ち見になります
会費 無料
バンド 奈良県立医大 Hard Stream Orchestra、奈良女子大 Jazzy Club、落合ゆかり(Vo)+堀口勝正(Gt)、オカムラ製作所、万葉ジャズ
今回のイベントは、奈良県立医大と各分野のプロフェッショナル、医大の学生、今井町の住民さんとが議論を交わしながら、それぞれの立場をこえて「今井町」を想い、創り上げてきました。
奈良県立医大の学生団体「チームPREドクターズ」(積極的に社会と関わっていくことで、自らと社会の進歩・発展に寄与することを目的に、地域貢献や、起業活動など様々な活動を行っています)は、長時間の演奏と寒くなることを予測して、「今井汁」(豚汁)と「学生カレー」の食のコーナーを敷設してくれます。また、今井町町並み保存会では御呈茶を提供できる準備も進めています。
この日はバンドメンバーはもとより、スタッフ一同、和装でお迎えします。ご観覧の皆さんもできるだけ着物でご来町ください。
13時には「書道ライブパフォーマンス」として、若林さんの書と医大バンドのコラボ企画もある。「着物でジャズ、今井町。」については昨日(11/19)、お電話でご紹介いただき、そのあと詳細なメールをいただいた。単なる思いつきではなく、こんな背景があったのだ。メールから抜粋すると、
この話に至るには長い伏線がありました。
1.11年前、今井町町並み保存会では唾液による疲労度調査で、「今井町を散策した人は、疲労度が回復して帰る」という発表を、全国町並み保存会の全国ゼミで発表してきました。
2.世間がバリアフリーの講習会を頻繁に開催されていた頃、「今井町に世間でいうバリアフリーを取り入れたら、古い今井町の段差や家屋の保存すべき景観や機能は相当壊される」という危惧を持ち、心のバリアフリー(人が補佐する町)を唱えてきました。
3.「世間でいうバリアフリーを取り入れると、健常なお年寄りは足腰の強化をする段差がなくなって、筋肉を弱めていることに気づかない」と言い続けていました。
最近、今井町は要介護者や病気からの回復期・機能回復期の方を散策させるのに大変有意義な地域であることに奈良県立医科大学の細井裕司学長が気づき、「まちづくりが『医学』と出会った!」と銘打った 『医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town』というご著書を刊行、行政とタイアップして今井町の空き家を使った医療とのコラボを提案し始め、大学案内にも頻繁に今井町を掲載されるようになり、教授や学生たちの今井町への関心度が高まってきました。
「癒しの町とおもてなしの心、そして心のバリアフリーを長年言い続けたことが功を奏した」とまでは自惚れませんが、少なくとも早くから言い続けてきたことが合っていることを確認でき、実現に近づいていることを実感できるのが嬉しいです。
こうした機運に乗って医大軽音楽部から「今井町の公園などでジャズの演奏会でもできないか」と相談に来られました。今井町とジャズでは大半の住民からミスマッチの批判が来るのは必至でしたので、いっそのこと「全員着物でジャズ、これをお寺で開催、さらに得意の医療をマッチングさせたものなら大賛成」と返事したところ、これが結構受けて、トントン拍子に会議を重ね、学長も自宅に来られ、今井町と医療の連携、千葉大を含めた学生たちも滞在できる町づくりのきっかけになってほしいと支援をはっきりおっしゃってくれました。
客席は、吉野町の阪口製材所で吉野材を100人分借用して準備できました。医療チームとして、車椅子7台を配備し、要望があれば対応できる仕組みもできました。あとは、この催しがどれだけの人に伝わることが出来るかが心配です。tetsudaブログの力やマスコミの方の力をお借りしたいです。
古民家と医療が結びつくとは、画期的なことだ。しかもその研究が橿原市今井町をベースにして行われてきたとは…。『医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town』の紹介文(Amazon)によると、
Medicine-Based Town(MBT)とは、「医学を基礎とするまち」のこと。奈良県立医科大学の「住居医学講座」(細井教授)が提唱する概念である。「住居を、医学という視点から研究する」というコンセプトのもと、住まいにおける『健康』を医学的見地から研究してきた。その成果をさらに発展させ、地域活性化の実践的な試みで知られる早稲田大学(後藤研究室)が手を携えた。
MBTの核心は、医療福祉健康に関するさまざまな機能や情報が病院や施設外、すなわち、建築や敷地の外に開放され、ひろく「まち」中に展開していくものである。その結果、まちそのものを元気にする波及的な効果が期待される。
たとえば、空き家化が進む地方都市の中心市街地、歴史的まちなみ保存地区、老朽化が進むかつてのニュータウン、中山間地域の集落などにおけるMBT導入の効果はたいへん大きい。また、本書では医学の専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業によりインターネットなどの情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する。
単なる「バリアフリー」ではかえって筋肉を弱めてしまうし、無理な改造で古民家の良さが損なわれる、肝心なのは市民のサポート(心のバリアフリー)だ、とは若林さんが以前から言い続けていたことである。それが学術的にも認められ、「医学を基礎とするまちづくり」として理論化されたとは、素晴らしいことだ。
若林さん、このイベントのことをもっとたくさんの方に知っていただき、ご参加いただきたいですね。私も、時間が取れればお邪魔いたします!
着物でジャズ、今井町。
中世の町並みと息遣いが残る町 今井町。この伝統ある町で、文化、音楽そして医療を融合させたイベントが誕生します。町並みと音楽、そこに暮らす人々の真心。今井町にある「心のバリアフリー」をぜひ感じ取っていただきたいという思いで開催します。
日時 2014.11.22(土)13時~18時(お寺の鐘が18時位に鳴るのが終了の合図です)
場所 順明寺(橿原市今井町4丁目11-4)
アクセス 近鉄橿原線 八木西口駅下車 徒歩7分
定員 座席確保は100人で、あとは立ち見になります
会費 無料
バンド 奈良県立医大 Hard Stream Orchestra、奈良女子大 Jazzy Club、落合ゆかり(Vo)+堀口勝正(Gt)、オカムラ製作所、万葉ジャズ
今回のイベントは、奈良県立医大と各分野のプロフェッショナル、医大の学生、今井町の住民さんとが議論を交わしながら、それぞれの立場をこえて「今井町」を想い、創り上げてきました。
奈良県立医大の学生団体「チームPREドクターズ」(積極的に社会と関わっていくことで、自らと社会の進歩・発展に寄与することを目的に、地域貢献や、起業活動など様々な活動を行っています)は、長時間の演奏と寒くなることを予測して、「今井汁」(豚汁)と「学生カレー」の食のコーナーを敷設してくれます。また、今井町町並み保存会では御呈茶を提供できる準備も進めています。
この日はバンドメンバーはもとより、スタッフ一同、和装でお迎えします。ご観覧の皆さんもできるだけ着物でご来町ください。
13時には「書道ライブパフォーマンス」として、若林さんの書と医大バンドのコラボ企画もある。「着物でジャズ、今井町。」については昨日(11/19)、お電話でご紹介いただき、そのあと詳細なメールをいただいた。単なる思いつきではなく、こんな背景があったのだ。メールから抜粋すると、
この話に至るには長い伏線がありました。
1.11年前、今井町町並み保存会では唾液による疲労度調査で、「今井町を散策した人は、疲労度が回復して帰る」という発表を、全国町並み保存会の全国ゼミで発表してきました。
2.世間がバリアフリーの講習会を頻繁に開催されていた頃、「今井町に世間でいうバリアフリーを取り入れたら、古い今井町の段差や家屋の保存すべき景観や機能は相当壊される」という危惧を持ち、心のバリアフリー(人が補佐する町)を唱えてきました。
3.「世間でいうバリアフリーを取り入れると、健常なお年寄りは足腰の強化をする段差がなくなって、筋肉を弱めていることに気づかない」と言い続けていました。
最近、今井町は要介護者や病気からの回復期・機能回復期の方を散策させるのに大変有意義な地域であることに奈良県立医科大学の細井裕司学長が気づき、「まちづくりが『医学』と出会った!」と銘打った 『医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town』というご著書を刊行、行政とタイアップして今井町の空き家を使った医療とのコラボを提案し始め、大学案内にも頻繁に今井町を掲載されるようになり、教授や学生たちの今井町への関心度が高まってきました。
「癒しの町とおもてなしの心、そして心のバリアフリーを長年言い続けたことが功を奏した」とまでは自惚れませんが、少なくとも早くから言い続けてきたことが合っていることを確認でき、実現に近づいていることを実感できるのが嬉しいです。
こうした機運に乗って医大軽音楽部から「今井町の公園などでジャズの演奏会でもできないか」と相談に来られました。今井町とジャズでは大半の住民からミスマッチの批判が来るのは必至でしたので、いっそのこと「全員着物でジャズ、これをお寺で開催、さらに得意の医療をマッチングさせたものなら大賛成」と返事したところ、これが結構受けて、トントン拍子に会議を重ね、学長も自宅に来られ、今井町と医療の連携、千葉大を含めた学生たちも滞在できる町づくりのきっかけになってほしいと支援をはっきりおっしゃってくれました。
客席は、吉野町の阪口製材所で吉野材を100人分借用して準備できました。医療チームとして、車椅子7台を配備し、要望があれば対応できる仕組みもできました。あとは、この催しがどれだけの人に伝わることが出来るかが心配です。tetsudaブログの力やマスコミの方の力をお借りしたいです。
医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town | |
細井裕司 , 後藤春彦 | |
水曜社(文化とまちづくり叢書) |
古民家と医療が結びつくとは、画期的なことだ。しかもその研究が橿原市今井町をベースにして行われてきたとは…。『医学を基礎とするまちづくり Medicine-Based Town』の紹介文(Amazon)によると、
Medicine-Based Town(MBT)とは、「医学を基礎とするまち」のこと。奈良県立医科大学の「住居医学講座」(細井教授)が提唱する概念である。「住居を、医学という視点から研究する」というコンセプトのもと、住まいにおける『健康』を医学的見地から研究してきた。その成果をさらに発展させ、地域活性化の実践的な試みで知られる早稲田大学(後藤研究室)が手を携えた。
MBTの核心は、医療福祉健康に関するさまざまな機能や情報が病院や施設外、すなわち、建築や敷地の外に開放され、ひろく「まち」中に展開していくものである。その結果、まちそのものを元気にする波及的な効果が期待される。
たとえば、空き家化が進む地方都市の中心市街地、歴史的まちなみ保存地区、老朽化が進むかつてのニュータウン、中山間地域の集落などにおけるMBT導入の効果はたいへん大きい。また、本書では医学の専門家、情報通信技術者・研究者、市民・NPOとの共同作業によりインターネットなどの情報を駆使したまちづくりの基礎を構築する。
単なる「バリアフリー」ではかえって筋肉を弱めてしまうし、無理な改造で古民家の良さが損なわれる、肝心なのは市民のサポート(心のバリアフリー)だ、とは若林さんが以前から言い続けていたことである。それが学術的にも認められ、「医学を基礎とするまちづくり」として理論化されたとは、素晴らしいことだ。
若林さん、このイベントのことをもっとたくさんの方に知っていただき、ご参加いただきたいですね。私も、時間が取れればお邪魔いたします!