水徒然2

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グラファイト(黒鉛)の粉末からナノテクノロジーで創る新素材グラフェンの新製法を開発したという。

2014-04-23 | 再生可能エネルギー・省エネ関連

'14-04-22投稿、04-23追加・修正

 既報実用Bi2Te3系熱電変換材料に匹敵する発電がカーボンナノチューブ半導体によっても可能という。に記載しましたが、太陽光発電が可能といわれるナノテクノロジーで創るカーボンナノチューブ(半導体)熱を電気エネルギーに変換する素子の開発について紹介しました。

 2010年ノーベル物理学賞にゲイム氏とノボスロフ氏が炭素(カーボン)からなるグラフェンの新製法を開発したという。

 このグラフェン【graphene】とは 
goo辞書によれば、 炭素原子が六角形の格子状に並んだ、1原子の厚さの層。グラファイト(石墨)はグラフェンが積み重なり、層状構造になったものを指す。2004年、単層のグラフェンの分離が成功して以降、その特異な電気的特性から電子材料として注目され、ナノグラフェン(ナノメートル程度のグラフェン)の研究が進められている。・・・」とのこと。

以前のAFP BB Newsによれば、

ノーベル物理学賞にゲイム氏とノボスロフ氏、新素材「グラフェン」開発
2010年10月05日 19:48 発信地:ストックホルム/スウェーデンhttp://www.afpbb.com/articles/-/2764135?pid=6290484
(一部割愛しました。)

「・・・2004年に開発されたグラフェンは炭素原子1つ分の厚さしかない。熱や電気をよく通すため、トランジスターの素材にすればコンピューターの高速化・小型につながると期待されているほか、ほぼ透明であることから、タッチスクリーンや太陽電池に応用できる可能性もある。プラスチックと混合して軽くて丈夫な次世代の素材を作る研究も行われている。」という。

 
今回、

AFP BB News
 によれば

驚異のナノ材料「グラフェン」、台所で作れる新手法を開発 国際研究

2014年04月21日 15:01 発信地:パリ/フランス
http://www.afpbb.com/articles/-/3013159

【4月21日 AFP】世界最薄だが超強力な「驚異の材料」グラフェン(Graphene)を、家庭の台所でも簡単に製造できる方法を開発したとの研究論文が、20日の英科学誌「ネイチャー・マテリアルズ(Nature Materials)」に発表された。

 グラフェンについては、工業規模での製造が難しい物質であることが分かっている。品質を上げると生産できる量は限定的となり、また大量生産すると欠陥を含むものが生じる。そのため製造方法としては、このどちらかを選択しなければならなかった。

 だが今回、アイルランドと英国の国際研究チームは「家庭用ミキサー」を用いて、グラフェンの超極薄シートの作製に成功したという。

 研究チームは、鉛筆の芯を作る材料のグラファイト(黒鉛)の粉末を、「剥離液体」を満たした容器に入れ、高速で混ぜ合わせた。

 その結果、厚さ約1ナノメートル(10億分の1メートル)、長さ100ナノメートルのグラフェンの極薄シートが液体中に漂う状態で生成された。

 ミキサーの刃の回転によって生じる力で、グラファイトがグラフェンの層へと二次元構造を損なわずに分離された。

■厚さはわずか原子1個分

 論文の共同執筆者で、アイルランド・ダブリン大学トリニティカレッジ(Trinity College Dublin)のジョナサン・コールマン(Jonathan Coleman)教授(化学物理学)は、AFPの取材に「われわれは、グラフェンシートを作製する新しい方法を開発した。この方法により、欠陥をまったく含まないグラフェンを大量に生産できる」と述べた。

 研究チームは、「せん断ミキサー」と呼ばれる工業用装置を使用したが、この実験では、調理用ミキサーで同様の結果を再現することに成功している。

 この方法で作られる液体は、グラフェンシートの被膜としてペンキのように表面に塗ったり、プラスチックと混合して強化複合材料を作り出したりすることができる。

 コールマン教授は「実験室で生成したのは数グラムだが、規模を拡大すれば数トン規模で生産できる」と説明した。

 世界最薄の物質のグラフェンは、透明だが鋼鉄より強い。炭素原子でできた極めて伝導性の高い材料で、厚さはわずか原子1個分しかない。

 次世代コンピューター、タッチスクリーン、バッテリーや太陽電池などに使われる半導体に取って代わるものとして注目が高まっている。(c)AFP」という。

⇒ちなみに、以前から研究開発されているカーボンナノチューブは

カーボンナノチューブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、
(一部抽出しました。)

カーボンナノチューブ(Carbon nanotube、略称CNT)は、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になった物質。炭素の同素で、フラーレンの一種に分類されることもある。物質構造的には非常に 興味が高いが、実用化の実績は途上であり以下の例示も可能性の段階にあるものが多い。

・・・

カーボンナノチューブの幾何学構造図。アームチェアチューブ、ジグザグチューブ、カイラルチューブの3種類に分けられる。
 
カーボンナノチューブの発見と生産
 
・・・
カーボンナノチューブ及びカーボンナノファイバーに対する最初の観察と研究は、1952年ソビエト連邦までさかのぼる。この時点で既に2人のロシア人科学者によってカーボンナノチューブと思われるTEM写真と文献が書かれていた[29]。しかし、このときは言語の問題や冷戦中という事もあり、その詳細な構造や性質などは西側諸国にはよく分からないまま研究は置き去りにされていた。その後も複数の研究者達によってカーボンナノチューブの観察と考察がなされていたが大きな発展はなく、その詳細な構造が解明されて材料としての重要さが認識され、量産に至るのは1991年の飯島による再発見の後のことである。・・・

作製方法

アーク法

黒鉛電極をアーク放電で蒸発させた際に陰極堆積物の中にMWNTが含まれる。その際の雰囲気ガスはHeやAr、CH4、H2などである。

  • 金属触媒を含む炭素電極をアーク放電で蒸発させるとSWNTが得られる。金属はNiやCo、Y、Feなどである。
  • この方法において、正負電極に微振動を連続して加えるフィジカルバイブレーション法がある。これにより、ナノチューブの純度および単位時間当たりの生成量を飛躍的に高めることが可能である[33]

レーザーアブレーション法

  • Ni-Co、Pd-Rdなどの金属触媒を混ぜた黒鉛にYAGレーザーを当て蒸発させ、Arの気流で1,200℃程度の電気炉に送り出すと炉の壁面に付着したSWNTが得られる。
  • 高純度なSWNTが得られるが、大量合成には向かない。触媒の種類と炉の温度を変えることで直径を制御できる。

CVD法

触媒金属のナノ粒子とメタン (CH4) やアセチレン (C2H2) などの炭化水素を500~1,000℃で熱分解してCNTを得る。大規模生産向けの手法。」

と比べて 

簡単な製造プロセスで低コストに生産できるので今後の進展が期待されます。

 


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