'14-03-04投稿、追加・修正
既報再生可能なエネルギーに係る記載(その18:豪州で低コストな有機太陽電池の大型化に成功 )(2013-05-21)を紹介しましたが、個人的には、今後の進展がどのようになるか?着目すべきエポックだと思っていますが、この技術のエネルギー変換高効率化&安定量産化&低コスト化が達成されれば、新しいエネルギーと注目されているシェールガス、メタンはイドレイド以上のエネルギー革命となると思っています。
この有機太陽電池の技術の発端は腕時計、ポケット計算機など小サイズには古くから利用されてきましたが、今回大型化に成功した有機系の太陽電池は1平方mあたり10~50Wの電力を生みだし、改良によってシリコン系よりもエネルギー効率を高めることが可能であるとのことです。
現行主流のシリコン系の太陽電池と比して、光電変換効率の詳細は不詳ですが、現状、数%~10%くらいか?かと推察されますが、基本的な低コスト性に加えて、シリコン系の10数%前後まで改良されれば、?最終的には、フレキシブルな太陽電池も作成することが可能であり、周辺技術も含めて、その普及は格段に進むと思われます。
京セラ 多結晶シリコン太陽電池セルとして世界最高の変換効率18.6%という。
(2014-02-26)
シリコン系太陽電池の原料である珪素は「珪藻土」と「もみ殻」で金属ケイ素の低コスト化に係る記載(2010-12)の引例によれば、その90%が電気代の安い中国産とのことですが、
シリコンウエハーのセルコストが高いが、中国品の安値攻勢はドイツ、わが国などで問題となっています。
他の再生エネ同様の問題点であるエネルギー変換高効率に加えて、量産安定&低コストな大型化と思っていますが、
半年以上経ったその後、どのように進展しているのか?調べていく必要があると思っています。
今回の調査では、特に、その後の有機薄膜太陽電池の進展に係る情報ありませんでしたが、国内でも既報低コストかつフレキシブルな「有機太陽電池」の成長を期待します。(2010-09-05)で紹介しましたように、国内でも数年以上前から注目されていますが、その後の進展はない?と想われます。
国内において、今まで進展しなかった原因は?問題点は?何だろうか
調べてみました。
ロイター 2010年 03月 2日 14:52 JST
コニカミノルタが有機薄膜太陽電池事業に参入、米社に出資http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-14135320100302
4月から共同作業を開始し、同社に2000万ドル(約18億円)を出資する。
コナルカ社は有機薄膜太陽電池をすでに事業化しており、米国内に量産工場を保有している。コニカミノルタは4月からの共同開発の成果を検証した後、コナルカ社と国内に合弁会社を設立し、有機薄膜太陽電池パネルの生産を始める予定。
有機薄膜太陽電池の生産では、コニカミノルタのフィルム塗布技術を応用することができる。コニカミノルタは、主力の事務機器の市場が伸び悩む中、新規事業の開拓を進めており、今回の有機薄膜太陽電池事業はその一環。すでに、写真フィルムの製造技術を応用した有機EL照明事業にも2010年度中に参入すると表明している。」
と事業計画しましたが、その後
Sankei Biz 2013.1.6 09:27
コニカミノルタ、太陽電池参入を断念 中国の安値攻勢受けhttp://www.sankeibiz.jp/business/news/130106/bsc1301060929000-n1.htm
「コニカミノルタホールディングス(HD)は5日、新規事業として計画していた太陽電池事業への参入を断念したことを明らかにした。
中国メーカーの安値攻勢で、国内参入メーカーの採算が悪化しており、事業の将来性に乏しいと判断した。すでに、新規の開発投資を凍結、今後は多角化事業として期待する有機EL(エレクトロルミネッセンス)照明の開発に資源を集中配分する方針だ。
コニカミノルタは、主力の事務機器の国内市場が伸び悩むなか、光学部品や写真フィルム技術を応用した新規事業として、平成22年頃から、太陽電池への参入を検討してきた。
参入を計画していた太陽電池は、シリコンを使わない有機薄膜型と呼ばれるタイプで、軽くて薄いのを特徴としていた。コニカミノルタは事業化に向け、22年には、米太陽電池ベンチャーのコナルカ・テクノロジーズに約18億円を出資し、研究開発を本格化させてきたが、昨年6月にコナルカが破綻。提携関係が解消されたことを受け、独自に研究開発を進めてきた。
ただ、国内の太陽電池大手は、シャープや京セラが軒並み赤字に陥るなど大苦戦。太陽電池事業に参入しても収益性が見込みにくいと判断し、新規投資を凍結、参入も取りやめた。
コニカミノルタは太陽電池事業の穴を埋める新規事業として、有機EL照明に期待をかけており、同照明事業では、将来的に売上高で1千億円規模の事業に育成する計画を掲げている。」という。
⇒中国製のシリコン系?の太陽電池の安値攻勢受け撤退しているようですが、高価なシリコンを使わず安価なプラ板やスチール板などに印刷することが可能な技術にもかかわらず、進展しなかったのはエネルギー変換効率を含めたトータルコストが高いのか?と推察されます。
しかしながら、Sankei Biz 2013.1.6コニカミノルタ、太陽電池参入を断念以後、発表された豪州の研究はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)とメルボルン大学、モナッシュ大学と産業パートナーの連携によって行われたもので、VICOSCはA3サイズの有機系太陽電池を印刷可能にしており、研究チームは爪ほどのサイズの太陽電池を3年間で10平方cmにすることに成功。新たなプリンターでは幅30cmの太陽電池の作成が可能になりましたという。
上記の量産安定&低コストな大型化に係る問題を検討中だろうか?引き続き着目すべきと思っています。