水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
水が流れるままに自然科学的な眼で解析・コメントして交流できたらと思います。

地震および津波に係る記載(その48:地震の予兆という大気イオン濃度と気象との関係)

2013-04-24 | 諸悪発生要因の考察とメカニズム仮説

'13-04-24投稿

 昨今、連発している中規模地震ですが、火山帯活動、とりわけマグマの活性化が影響しているという。
 
参考投稿:
地震を誘起するというマグマ活性化のメカニズムの調査に係る雑感
大気イオン火山性ガスの異常と地震との関係について

大気イオン地震予測研究会 e-PISCO
大気イオンとはhttp://www.e-pisco.jp/ion.html によれば、
大規模な地震の前に大気中のプラスイオン濃度が、通常の5倍以上に上昇する現象が観測されています。・・・
通常の場合は、常に大気イオン濃度が1万を下回る値を示しており、あまり大きな変動は見られません。

大気イオン濃度に異常が見られた例


       2011年4月の大気イオン濃度 
異常が見られた場合は、大気イオン濃度が2万を超えて大きく乱れています。
この時は、4月19日に福島県沖でM 5.1の地震が発生しました。」という。

 測定方法が不詳なので、大気イオン環境放射能など超微細なエアロゾルが含まれているかどうか?興味があります。
というのは、
個人的には
地震は環境放射能と砂鉄が多い地域で発生し易いのか?
および、
雨が少なく
環境湿度が低いと地震規模、およびその被災規模が大きくなるのだろうか?
と推察していますので、

 大気プラスイオンの湿気に対する安定性によって、地震規模、発生数が影響されるのでは?と妄想していますが、大気イオンに係る情報を調べる必要があると思っています。

 静電気は一般的には湿気で消滅しますが、低湿度環境では環境放射能などエアロゾル超微粒子周辺に安定に帯電して大気圏に滞留することによって、電離(スポラディック)層の電子のバランス、オゾン層などさまざまな天変地異要因に影響するのか?と妄想しています。

例えば
(その29:3.11震災による超高速波動メカニズムの関連情報)

(2013-01)
の引例

In Deep
2011年05月20日本文詳しく見る

 衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の
赤外線と電子量の急激な変化 
によれば、

 「・・・
3月10日から3月12日までの赤外線のエネルギー量の変化

 また、下の図は、3月8日の TEC値と呼ばれる、GPSでの解析による「電離層全電子数」の分布です。

・3月8日の電離層全電子数

赤い部分が電離層中の電子の数の多い場所です。日本周辺の真っ赤ぶりがおわかりでしょうか。これと、上の赤外線のエネルギー量の変化を見ると、ここから地震に関しての何らかの研究が導き出される可能性は「非常に高い」と感じます・・・。」

関連投稿:
環境中の放射線、放射能、ガスの影響

今回は大気イオン濃度と気象との関係に係る記載を調べました。

大気イオン地震予測研究会 e-PISCO
大気イオン濃度と気象(降水量・相対湿度・蒸気圧・露点温度)との関係

http://www.e-pisco.jp/result/soturon/2001/kawata.html

はじめに
 これまでの本研究室の卒論・修論の成果から,大気イオン濃度中に気象ノイズが含まれていることが分かっている.ここでいうノイズとは,地震前兆とは関係のない降水量・相対湿度・露点温度・蒸気圧の影響である.プラス大イオン濃度3000個/cc以上を地震性と考え注目しており,気象変動は3000個/cc内で起こるものが主体である.また,レナード効果(下記述)も同様にこれらの気象要素であり,直接地震前兆に結びつかない.しかし,平常時の大イオン濃度の変動を把握することができるならば,地震危険予知の有効性に繋がると考えた.イオンは,空気中の水分子と結合して安定した状態で存在していることから,主に水(雨滴など)が大気イオン濃度に影響を与えていると考え検証した.

方法
 1999年・2000年の岡山地方気象台での1時間ごとのデータ(降水量・相対湿度・露点温度・蒸気圧)を資料とした.この気象データと本研究室で測定している大気イオン濃度(1時間ごとのプラス・マイナスの大イオン濃度)の関係を調べた.

結果・結論
 以下の記述において,マイナス大イオンは全て絶対値をとっている.
・降水量と大気イオン濃度の関係
 雨量が5mm以上の日,5mm未満の日,雨が降った2時間前・3時間後,降った2時間前・3時間後以外の雨が降らなかった日の大イオン濃度,4つに分けて関係を調べた.

 その結果(1999年度平均),雨の時の方が晴れの時よりも,空気中の水分子が増加し大気小イオン量が多くなり,吸着により大イオンも増加する.

 また,レナード効果(イオン生成の1つ)より,特にマイナスイオンの方が影響を受ける.これらの現象は雨量が多い時に顕著である.また,雨の前後では空気中の水蒸気量・蒸発量の増加に伴い,雨量が5mm未満の時よりも大イオン濃度値が高い傾向が見られる.2000年も同様な結果が得られた.

・地震性の大気イオン濃度とレナード効果による大気イオン濃度上昇との違い
 地震性のものはプラス大イオンのみが,数時間3000個/cc以上という異常値を示す.また,レナード効果によるものは両イオンとも上がり5mm以上の雨が降ったとしても,平常時(季節により多少の誤差はある)のイオン濃度に500個/cc前後加えたぐらいで,3000個/ccにも満たないものである.

・蒸気圧・露点温度と大気イオン濃度の関係
 1999年・2000年のひと月単位で蒸気圧と露点温度の散布図を見ると右上がりになり,相関係数が平均0.9以上ということから相関がある.また,プラスとマイナス大イオン濃度においても右上がりで,相関係数が平均0.8以上ということから相関があった.

 それぞれ相関があるのは,水蒸気量に関係していること,イオンバランスを保とうとすることからと思われる.これらの気象と大イオン濃度は,散布図・相関係数からはっきりとした関連性は見られなかったが,月によっては関連性が見られるところもあった.よって,月により誤差はあるものの,大イオン濃度が増加する要因の1つとして水蒸気量が考えられる.」


帯電エアロゾル210Pbのサンプリングと測定

はじめに
 本研究室では,帯電エアロゾルの大気中の濃度異常が地震前兆の指標となると考え,1998年4月より24時間連続で帯電エアロゾルを測定している.大気イオンは主に大気や地殻中の放射性核種からの電離作用,レナード効果,落雷時の放電などにより大気構成分子が電離されて生成すると考えられている.しかし,放射性核種,ラドンガスの崩壊による210Pbはそれ自身が帯電エアロゾルであり,これに注目して研究を行った.

大気中の鉛-210
 地震前兆時の帯電エアロゾル発生は主に大気や地殻中に含まれる放射性核種,ラドンによるのものとされている(弘原海他,1999).

図 鉛-210の生成

 ラドン(222Rn)はウランの崩壊によって生成される娘核種で,地殻変動によって地中から,希ガスとして放出される.222Rnは壊変を起こし3つの壊変生成物(218Po,214Pb, 214Bi)を経て210Pbができる.この210Pbは,半減期も22.3年と長く,自然界のみに存在する.これを核として大気中のエアロゾルが付着したクラスター構造をもつ.この帯電エアロゾルは地震前兆の指標となると考えられている.本実験ではフィルターを用いて大気中の帯電エアロゾルを捕集し,Ge-LEPSを用いて210Pbの直接確認を行った.

大気の捕集
 測定は2001年12月27日~2002年1月7日までの間,毎日10時30分より22時30分,および22時30分より10時30分毎の,12時間ごとにフィルターでエアロゾルを採取した. 岡山理科大学21号館屋上にて大気をサンプラー(業務用掃除機)に真鍮製のホルダーを取り付け,粉塵採取用フィルター(捕集効率0.312μm)に12時間捕集,サンプリング終了後にポリエチレン製の小袋に移し,測定試料とした.本研究室のイオン測定器は地上59.4mに設置されており,サンプラーは地上64.4mに設置した.

 

試料の測定
 試料の解析はGe-LEPS(Low Energy Photon Spectrometer)で行った.Ge-LEPS分析は岡山理科大の蜷川研究室で行われた.現在,測定したサンプルは以下の2つである.
 ・ 12/28 22:30~12/29 10:30 
大気イオン濃度最大値 3855個/cc (期間中 最大値)
 ・ 12/29 22:30~12/30 10:30
大気イオン濃度最大値 982個/cc (期間中 最小値) 

 

まとめ
 現段階では測定結果がすべて出ていないため確証できないが,大気中のエアロゾル大気中のエアロゾルサンプルにウラン系列の放射性核種210Pbのピークが明瞭に認識できる. 今回の実験では12時間ごとにフィルターを交換したが,今後は更に信頼性の高いデータが得られるよう24時間ごとに交換し,この観測を定常的に行ってゆき,帯電エアロゾルと210Pbとの関係を明らかにしてゆくことが課題である.」

 

⇒大気イオンの測定によれば、中規模地震M 5.1ですら、通常3000個以内の大気プラスイオンが20000個以上になるという。大規模地震の予測に対しては有望な方法と思われますが、大気イオン濃度中に気象ノイズ,地震前兆とは関係のない降水量・相対湿度・露点温度・蒸気圧の影響があるという。

 大気イオンはプラス、マイナス、大、小とさまざまあるようですが、プラスイオンの環境放射能など超微細なエアロゾルであり、大イオン濃度が増加する要因の1つとして水蒸気量が考えられるということが解りましたが、やはり、大地震の発生には気象条件が影響することがイメージし易くなりました。

 また、測定方法、試料の解析はGe-LEPS(Low Energy Photon Spectrometer)で行ったという。

関連投稿:
地震および津波に係る記載(その46:【注目】巨大地震の発生は環境湿度が低いと発生し易いのだろうか?)