寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3221話) 透明マスク

2021年10月27日 | 意見

 “二年生の時から手話コミュニケーションの選択授業を受けている。手話で会話をする際は表情が大切と学んだ。表情を変えるだけで意味が変わる手話もある。
 授業中は透明のマスクに着け替えて表情や口の動きが分かりやすいようにする。そうすることで、耳の不自由な先生にも伝わりやすくなる。しかしコロナ禍の中、透明のマスクを着けることに抵抗がある。不織布マスクと比べて飛沫感染防止効果が低いため、白い目で見られるからだ。耳の不自由な人が不織布マスクでは生活しづらいことを知る人は少ない。学校でも手話は選択授業のため、それを知る人はほとんどいない。
 感染防止効果の高い不織布マスクを使いたくても使えない人がいることを、より多くの人が理解することで、今よりずっと生きやすくなる人がたくさんいる。”(10月4日付け中日新聞)

 三重県津市の高校3年生・米川さん(女)の投稿文です。先日ボクはテレビで、視覚障害の人がこのコロナ禍の中でいかに苦労をしているかを見た。人の流れがあって、その雰囲気で状況を察知していた。ところが人の流れなくなって、まさに真っ暗になってしまったと言うのである。気がつかないことが全く多い。この聴覚障害の人についても同じである。口の動きや顔の表情を見て察知していたことが、マスクで見えなくなってしまったのである。でもこの人たちにとって口元が見える透明マスクは一定の効果があるのだ。ところがこの透明マスクは不織布マスクに比べ感染防止効果が薄いという。米川さんは人にはいろいろな状況があることを理解して欲しいと言われる。もっともである。通常と思われていることと違っていた場合、すぐに避難することなく、何か理由がるのかな、とまず聞くなり考えてみることであろう。そうして自分の考えを固めていくことが必要ではあるまいか。今は、SNSなどすぐに思ったままに反応してしまいがちである。要注意である。