寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
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(第3218話) 孫の朝顔

2021年10月21日 | 出来事

 “去年の春のことです。「これつかっていいよ」。真っ赤な折り紙の裏に大きく力いっぱい書かれた意味不明の手紙。封筒の中には三粒の種も入っていました。小学二年生になった東京の孫からの、おばあちゃんあての初めての手紙です。
 調べてみると、入っていたのは朝顔の種でした。今年は、その花から取った六粒の種を植えました。去年と同じように毎朝、新聞受けから朝刊を取り出すたびに、朝顔の花の数を確認します。もうすっかり私の大事な日課です。「今日はいくつ咲いたか」と、部屋に戻るなり主人に出す「朝顔の花の数当てクイズ」も、楽しみの一つになりました。多い日は十個咲いた日もありました。でも季節はもう秋。葉は所々枯れてきて、花も小さくなってきました。
 わが家の玄関先の鉢植えで、真っ赤な大きな花を咲かせていた、あのキラキラした毎日は、もう終わってしまいました。花の数も「今日はゼロ」という日が何日も続いています。今は来年用にたくさんの種を取っています。
 コロナ禍で孫にはなかなか会えません。孫たちは会わぬ間に大きくなっていきます。「今年はりっちゃんの朝顔、二百個以上咲いたよ」と手紙を書いて知らせようと思っています。”(9月30日付け中日新聞)

 愛知県蟹江町のパート・久田さん(女・64)の投稿文です。孫から朝顔の種を送ってきた。これはもう宝物である。一生懸命育てる。そして6粒の種が採れた。それを蒔いた今年は200個以上の花が咲いた。小さな種もうまくいけばこのように凄い数の花になる。いい贈り物である。
 朝顔はボクも育てている。最初は1本の苗を買ってきただけである。棚を作って登らせていく。もう何年前のことになろうか。落ちた種から毎年芽が出てくる。今まで種を採ったこともない。それでも生き延びてきた。朝顔は本当に強い。今年棚を作るのにいい場所を見つけた。そして鉢植えにして育てた。今年は種を採ろうと思う。花はいい。わが家は野菜畑がどんどん花畑に変わっている。通る人に楽しんでもらえるようにしている。ところがこれは以外に大変なのである。