寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3220話) 紙芝居

2021年10月25日 | その他

 “その昔、小学校低学年のときのことです。近くの神社の境内に紙芝居屋のおじさんが枯れ枝を使ってほこりをあげながら線を引き、「この線より内に入ってはいけないよ」と。線の中には見物料の菓子代を払った五、六人の子どもがいました。線の外に私と妹を含めて同数ぐらいの子どもがおり、おじさんは私たちの「ただ聞き」を許してくれました。大きな声と派手なジェスチャーで絵は見えなくとも、聞いているだけで心が躍りました。今思えば優しさだったのでしょう。
 紙芝居屋さんは関西には今も残っているようで、うちで製造したミルクせんべいを注文してくれます。菓子の優しい甘さと一緒に、紙芝居という昭和の古き良き文化が次代に伝わればと思う今日この頃です。”(10月2日付け中日新聞)

 愛知県安城市の菓子製造業・松川さん(男・72)の投稿文です。村にやってくる紙芝居とは、また懐かしい話です。ボクにも思い出すことがあります。松川さんと全く同じ話になります。まだ小学2、3年生の頃だと思いますが、神社に紙芝居屋さんがやってきていました。ボクに小遣いをくれるような家庭ではなかったので、料金を払って紙芝居など見られません。そこで木陰に隠れて見た記憶です。そんな時代もあった。松川さんは、今も紙芝居屋さんのために菓子を作っておられるとは、そんな商売もあるのだ。
 この話から思い出すことに、新聞配りのことがあります。多分小学5年生の時だったと思うが、ボクの同級生が新聞配りを始めた。そしたらお金が入るので、結構駄菓子屋さんに行くようになった。多分驕ってもらったこともあると思う。多分紙芝居もお金を払って見ただろう。羨ましくなって、ボクは親に黙って新聞配りを申し込んだ。ところが親に知れて、断られてしまった。これも懐かしい思い出です。