寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3217話) 冷や汗

2021年10月19日 | 出来事

 “今年の夏は雨が降り続き、各地で災害があり、大変だった。そんな折、テレビで報道関係の方がインタビューをしているのをよく見かけるが、みんな上手に答えているのに感心した。私には関係ないと思っていたが、それがこんな田舎のおばあさんが出くわして恥ずかしい思いをした。八月の十七日ごろだった。
 雨がやみ、近くの畑を見ようと、お粗末な支度で県道へ出た。十メートルばかり下に車が止まって女の人が立っていた。「今日は」と声を掛けると「私、飯田ケーブルテレビの者で、インタビューをお願いします」と言う。「難しいことはダメです」と言うと「簡単ですからお願いします」と言うので応じることにした。
 「水害はどうでしたか」「川の水が増したくらいで、早く雨がやむのを待っていました」「この上のバス停の方で土砂が崩れて通行止めになっているのを知っていますか」「えっ、そのそばにうちの山があって木が倒れて迷惑をかけたことがあるので心配です」と答えた。
 家にはケーブルテレビがないので忘れていたが、四日ばかりして娘が買い物に行くと 「お宅のおぱあさん、テレビに出ていたよ」と二人の方が教えてくれたとか。私は冷や汗を感じたが、よい経験もしたと思った。”(9月25日付け中日新聞)

 長野県飯田市の家事手伝い・横田さん(女・88)の投稿文です。テレビでは毎日、毎回のようにインタビュー画面が現れる。そして何人もの人が受け答えしている。多分、これはと思ったものを採択し流しているとは思うが、うまく答えている。横田さんはその時の気持ちを投稿された。冷や汗と言われるが、そうであったろうと思う。いきなりである。心の準備もできていない。でもテレビで流されたと言うことは、適切であった訳である。これも1つの経験、言われるように思い出になった。逃げることはない、自然体であればいい。
 ボクは今年4月の一宮友歩会例会で、ケーブルテレビの取材を受けた。でもこれは事前に分かっていたし、多分インタービューを受けることは予想されたので、心の準備はできていた。仕事でテレビに映ったことはあるが、その他インタービューを受けたことは思い出せない。横田さんの経験もなかなかあり得ることではないのだ。いい冷や汗であった。