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ことばにならない風の声

今日もどこからか風はやってきてやがてまたどこかへいくだろう。
何に向かっているのか己でさえもわからずに、、。

ミレニアム。

2013-11-01 21:53:17 | 本とか記事とか




最近、スウェーデンのスティーグ・ラーソンという方の小説「ミレニアム」を読むのにどっぷりとはまってしまっている。
このところのわたしの口から出てくるものと言えば大抵これの話に尽きてしまって、周りはもう聞き飽きているかもしれない。

けど読み進めている本人はどんどん深みにはまるばかりでこれもあれも言いたくなっている。
読み進めたいけど読みたくない、読み終えてしまいたくない、、
そこの葛藤と戦っているのである。


「ミレニアム1 ドラゴンタトゥーの女」は映画にもなっていて、古いのは観てないんだけど、
アメリカだっけかな、リメイクした方のは観たんだけどあれの俳優がいいよね。
ミカエル(主役ぽい、男)もリスベット(主役ぽい、女)もふたりともあの頭の回転が早そうというか、
知的っぽい顔つきに、ふたりとも美人だしね。



ミステリーってのはどれもこんななのかわからないけど、
このミレニアムの場合、かなーり脇役の人ひとりひとりの今までの人生とか考え方とか価値観?とか内情をいちいち見せてくれるのが、話の展開が気になる読者としては、もうこいつの詳細はそこぐらいでええやんけ、という気持ちもあるにもあるが、そういう細部までこちらに見せてくれることが話の全体をより重く深くしてくれるのがある。
それがおもしろいよね。



今はもうね、「ミレニアム」の最終巻「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」の下巻を読んでるところ。
この巻で終わってしまうのかと思うとさみしくて、、
とか言いつつ、今宵も読みふけってしまうのだろう。







漫画『リアル/井上雄彦』

2012-01-26 23:29:55 | 本とか記事とか





ここ何日か、福岡でも雪がちらついた。

なんか街で見る雪は変な感じがした。






『リアル』という漫画を借りてきた。

これは『スラムダンク』や『バガボンド』を書いた井上雄彦さんの作品のひとつ。





3人の高校生が主人公で、それぞれつながりを持っている3人なんだけど。


ひとりはあるナンパした女の子を二度と歩けなくさせてしまった、言わば加害者。


ひとりは昔短距離ですばらしい脚力を見せていた絶頂の中、

骨肉腫(骨のがん)が発覚し片足を切断し車いす生活になった者。


ひとりはある程度何もかも(容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能)人より優れていた、

が、ちと性格悪し、な奴が事故によって脊髄損傷、二度と歩けなくなった者。



そんな3人の生きる毎日を、リアルを見せてくれるんだけど。




いまの自分だからこそぐっときたのかもしれない。

漫画は面白いのだけど、それどころか井上さんってほんとにすごい、すばらしいと思わせる。


障害者の苦悩、加害者の苦悩、それぞれが苦しんでもがいてもがいて、

そんな中自分の生きる道を見つけようと必死で一生懸命な姿に感動して、

自分もこんなふうに生きていきたい、と思う。


障害者だからとか実は関係ない。

関係ないなんて簡単には決して言えないのだけど、それが問題ではない。

もっと深いところの話。こころの話だ。



どうやって自分は生きていきたいのか、

今の自分の何がだめなのか、いけないと思うのか、

誰かにとって自分はどうありたいのか、


私と全く同じだ、何も変わらない。




この漫画の中でドキッとしたところ、、


「気に入らねえ環境だろうと俺にとっちゃそれが大切な一部分」

「死ぬまで続く俺の道の、大切な一部分と気づいたからだ」


だから、いまクソみたいな職場でもそれをがんばらないでいつがんばるんだ、

その今だって自分の大切な一部分なのに、、。


もっと言ったら、その一部分があっていまの自分がいる。

どんなことでも小さなことでもそれがすぐ次のいまの自分に必ずつながっている。

その自分をちゃんと自分しないでいつ、自分をするんだよ!



みたいなとこかな。


ぐっとくるなぁ。

いまの自分にとってとっても大きく心に響いてくることばだ。

そんで背中を押してもらえるようなことばでもある。





『バガボンド』といい、この『リアル』といい、最高だ。

井上さんは大好きな表現者でもあり、メッセンジャーでもある。



そんな感動しているいまの私でございます。




そのいまの私も「いつかつながることだけは確かだ」。