またね

もし私が先に逝ったら最後の身支度はあなたひとりに任せます
最期だからこそあなた以外の人には触れられたくはないから
最初で最後の化粧も施して少しはいい顔にして欲しいかな

あなたが先に逝った時にはあなたのその手のお骨をそっと
ひとかけら私にくださると約束してくれたから
私を残して逝った罪滅ぼしに左手のかけらをひとつくださいね

私の骨は海の藻屑となるようにちゃんと書き留めるから
死してなおどこかに何かに縛られるのはたくさんだから
どうぞ海へと流してください

もしもあなたの事がわからなくなってしまう時がきても
あなたが私を目の前にして「どちら様？」と言う時がきても
奥底に忘れない思いが残ると信じて抱きしめますね

何年でも何十年先でもあなたとまた巡り逢うように
形なき姿なき後もあなたの心に残るように
生きてる今を大切に懸命に過ごしています

最期の時にあなたがそばにいて笑って欲しい
あなたの最期にそばにいて大丈夫よと笑っていたい
どちらが先かわからないけれど

言い尽くせない感謝をありがとうの一言に凝縮して
「またね」と言うからあなたも「またね」と笑って欲しい