雪の日の思い出

電話の向こうで泣きながら彼女は
私達もうだめかもしれないと言う
そんなことはないから大丈夫…
私がちゃんと伝えるから
そして彼に電話するように伝えるから
そう言って彼女をなだめる

彼に電話して彼女の気持ち
こじれた訳や彼の話を聞いて
修復できるのなら些細なすれ違いなら
彼女とちゃんと話し合って欲しいと
二人には幸せであって欲しいと
彼も彼女も大切に思ってるなら
やり直せるはずと説得する

どんな原因だったのかも
あの時なぜ彼女が泣きなら
電話してきたのかさえも
わからないままだけれど
あの時確かに二人を応援していた
あの時すでにあなたを想う
私がいたのも偽りない事実
だけど誰も想いは知らず
あなたが彼女と幸せであって欲しい
そう思っていたのも事実

あれから幾年月が過ぎて
それぞれの道それぞれの幸せ
大人になったと言える程の
成長はないような気がする
あの頃のままの笑顔で君が
笑っているからかもしれない

あの時きっと彼女は
君の友人としての私を頼り
信頼を寄せていたのかもね
君もまた私の言葉を真剣に
友人からのアドバイスとして
聞き入れてくれたのだろう
二人の思いに背くことなく
邪念も悪意も少しもない
精一杯誠実な対応だったよ

今はもう誰に遠慮する事なく
隣りで笑う君をみつめられる
あの頃と変わったのは少し
欲張りになった私だけかな
劇的変化はなくていいから
ずっと君が笑ってくれる
君の隣りで笑っていられる
そんなありふれた日常が
続くことだけを願っている

あの時も今までもこれからも